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小さな問いから大きな問いを作る_あたらしい道具プロジェクト4

プロジェクト立ち上げ当初に比べると幾分か、具体化が進んできました。具体化が進めば進むほど遠い目標(=大きな問い)は目の前の課題(=小さな問い)として徐々に細分化していきます。細分化はプロジェクトの推進力を生みますが、同時に思考の局所化し視野を狭めてしまいます。

今回のプロジェクトも細分化によって小さな問いがたくさん集まってきたので、それらをもとにして大きな問いの再構築を試みました。

部分と全体を反復しながら、軸を発見していきます。


●2人で事前に共有していたメモ

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今回のメモでは主に小さな問いが多々浮上してくるものでした。それは一度叩き案をベースに議論したことで、具体的なイメージが見えてきたからだと思います。

そこで今回はまず、小さな問いを整理し、その答えを発見しながら大きな問いを再構築する事を念頭に考察を行いました。

●小さな問いの整理

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2人が発見した小さな問いを整理し、分類した図です。

大きくはプロジェクトの骨格とプロジェクトの動きの2つに分かれます。動きは骨格がなければ考えることが出来ないので、まずは骨格に関する小さな問いについて取り掛かります。

複数の小さな問いを1)クライアントの価値観に関するもの、2)道具に関するもの、3)プロジェクト全体に関するものの3つに分け考えていきます。

●対角線の設定による、キーワードの浮上=小さな問いの連結と解答

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小さな問いを大きな問いに変換したいので、個々に解答するのではなく、小さな問いの関係性を発見することから始めます。数珠つなぎのような図が前談した1.2.3の関係性です。

また出来るだけ恣意性を無くし、本当の答えを模索したいと考えています。なので答えから作るのではなく、答えの反対側=ちょうど真逆の不正解を考えることで、答えをあぶり出していきます。

例えばクライアントの価値観を考える上では、クライアントが絶対避けたいと考えていることから考えたり。道具について考える上では、道具で絶対にやってはいけないことから考えたり、プロジェクトについて考える時は社会の大きな流れから考えたり等です。

クライアントが避けたいのはモノのためにモノを作る、モノ中心の思考になってしまうこと。その反対側を考えると人のためにモノをつくる、ヒトの中心思考を大切にしたいという仮説が見えてきます。

そうした考察をもとに議論した結果

◯人のための道具をつくる

◯道具の力は領域をつくり育むこと

◯道具によって新しいローカリティを育むことがプロジェクトの価値

この三つの言葉が浮上しました。


●プロジェクトの全体概要図

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そうした内容から浮上した、大きな問いとそれに向かうためのプロジェクトの骨格をまとめた図です。

今回の打ち合わせによってプロジェクトの全体像が見えてきました。職人の活動領域を広げたい思いで、道具によって新しいローカリティという価値を社会に育む活動を行なっていく。

大きな問いは新しいローカリティ(=新しい領域)とは具体的に何なのか?どんなものなのか?それをつくることにどんな意味があるのか?といった

この図では領域をづくりを中心におき、クライアントが行なってきたプロジェクトを放射状に配置しました。これまではバラバラの意味を持っていたそれらに、領域作りというキーワードで一つの横串を刺すことができました

例えばTOR(卒業制作)ではプロとアマが溶け合うグラデーショナルな領域を作ろうとしたように。職業プロジェクトは時代と共に生まれる新しい技術や生き方を見つけ、道具によって新しいプロとして社会に位置付けようと試みているように。痕跡プロジェクトでは、職人の手の形に変化する道具から着想し、一つの究極の形から新しい普遍的な領域を描こうとしたり。

領域の作り方や、作ることの価値を発見するための実験だったという意味付けを作ることができます。

今後はこうした考え方のもと、各プロジェクトで実験を繰り返し、作りたい領域とはなにか?それの価値はなにか?を徐々に発見しながら、プロジェクトの肉付けを行なっていきます。

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