【エッセイ】虫
おおむね都会育ちにしては、虫に耐性がある方かもしれない。
カーテンに黄緑色の羽のなにかがいたけれども、じっと見てたらきれいで、どこかに行った。もしかしたら、カーテンの陰に隠れただけかもしれない。
うちに蜘蛛が出た時も、ほっておいた。蜘蛛は好きである。蜘蛛太(くもた)とか名前をつけたこともあった。春先だったか、Gの小さいようなよくわからない虫が出た時も、ほっておいたらそのうちいなくなった。
さすがにコバエや蚊は叩いてしまうが…
今年、泊まった宿にカメムシがよくいた。山の中だった。かわして、しゃべったり仕事したりしていたのだが、大きなカメムシが腕についた。「Kさん、それ、刺すカメムシですよ」と言われ、さすがにはらった。毒があるのかは聞き忘れた。ちょっと焦った。
昔、中高時代がややワイルドな環境で、校舎もいい加減なつくりだったけれど、部活の合宿先はここにあまり書きたくないほどの状況だった。それでもあまり気にせず、ぐーぐー寝てた。あちこち腫れたりした。
大学時代は裏山にハンモックを吊るして寝ていたら、スズメバチが接近してきてあれはこわかった。黒いものが狙われるので、髪を見せて走って逃げるとダメらしい。ゆっくり後退するのが正しい避難の仕方だという。
実家は都会といっても郊外だから、緑や山は身の回りに多かった。今思えば、幸せな子供時代。人も野生があるのは大切なことだと思ったりする。
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