足関節捻挫後の筋膜調整ポイント
痛みと筋膜のジーハンズ テクニカルチーフのKAZU(@kazu1010120) です。
今回は実技編として“足関節捻挫後の筋膜調整ポイント”を紹介させていただきます。
私は理学療法士、アスレティックトレーナーとして数多くのスポーツ選手やスポーツ愛好家の方々の施術を行ってきました。足関節捻挫は頻繁に起こる障害で多少の痛みや、可動域制限が残っていてもスポーツ復帰ができたら大丈夫!
と中途半端な状態で競技復帰される方が多い印象です。
足関節捻挫の急性期では固定が必須のため固定期間が終了するとほとんどの方で筋膜の高密度化がおこっています。
この高密度化を改善することが足関節捻挫の施術では最優先だと考えています。
足関節捻挫後遺症を施術できることによってその他慢性スポーツ障害への施術も効果が期待できます。
今回は足部のみに注目し6つのポイントを紹介していきたいと思います!!
【こんなセラピストにおすすめ!】
・すでに筋膜治療を取り入れられている方(調整ポイントをより深く理解する)
・よくスポーツ障害を担当されている方
・長引く足関節捻挫後遺症を担当されている方
捻挫後遺症を含め全ての筋膜調整でポイントとなってくる組織があります👆
それが支帯です。
一般的に手首や足首で知られていますが全身の四肢の関節に認められます。
支帯は深筋膜の補強を担う役割を持つとされています。
支帯は関節の安定性を補強する靭帯とは違い
✔基質/疎性結合組織(ヒアルロン酸)を含み
✔伸長性あり
✔運動の全可動域に対応し関節の協調性を支持している
組織です。
また支帯は高度に神経を分布された筋膜組織であり
関節運動を知覚する固有受容器として考えられます。
上記からも重要な組織であると理解できると思いますが、捻挫の外傷や固定などの長期的なストレスにより変性しやすい組織であるため必ずチェックが必要となってきます。
足部には
①伸筋支帯(上/下)
②屈筋支帯
③腓骨筋支帯(上/下)
と大きく分けて3つの支帯があります。
主な特徴として
①上伸筋支帯の下方には前脛骨筋腱、長趾伸筋腱、長母指伸筋腱が通る。
下伸筋支帯は下腓骨筋支帯や屈筋支帯とも結合している。一部の母趾外転筋が挿入している。また短趾伸筋と短母趾伸筋の多くの筋線維が生じている。
👆滑走低下により足関節の底屈制限がおきやすい
②屈筋支帯の下には長趾屈筋腱、長母趾屈筋腱、後脛骨筋腱が通る。また母趾外転筋がしっかりと挿入している。
👆滑走低下により足関節背屈制限が起きやすい
③腓骨筋支帯は長短腓骨筋の腱を結合する。上腓骨筋支帯は屈筋支帯へ結合。下腓骨筋支帯は下伸筋支帯と結合している。
👆滑走低下により内、外返し機能の低下その他支帯への影響が起きやすい
上記支帯に多くの筋膜挿入がある母趾外転筋、短趾伸筋の筋膜機能異常も支帯への悪影響を及ぼす。
よって施術ポイントとして
A 外果と長趾伸筋腱の間(伸筋支帯周囲)
B 内果と前脛骨腱の間の溝(伸筋支帯周囲)
C 内果とアキレス腱の間+下腿三頭筋の踵付着部内側+内果尖の下周囲(屈筋支帯周囲広範囲に)
D 母趾外転筋筋腹上
E 外果とアキレス腱の間+アキレス腱外側付着部(腓骨筋支帯周囲広範囲に)
F 短趾伸筋筋腹上
A~Fの上記6つをチェックしてみましょう。
健側と比べて滑走低下が認められたり
疼痛がある場合はアプローチが必要となります。
まとめ
足関節の捻挫後は靭帯損傷の程度や骨折の有無に焦点がいきやすいとおもいますが受傷時に支帯を傷めている場合や固定などにより変性をしている場合は支帯周囲へのアプローチは必須と考えています。
もちろん上位関節(膝、股関節、骨盤周囲)へも波及し筋膜異常を起こしているケースもありますがそれは後日また紹介したいと思います。
まずは足部筋膜の状態をチェックを試してみてください!!
以上、ジーハンズ KAZUでした〜〜!!