骨盤底筋訓練の狙いは?
尿失禁と言えば腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁などなど。
こんなワードで勉強してるセラピストが多いと思います。
この畜尿と排尿のシステムは自律神経と体性神経が関係しています。
尿失禁に対して骨盤底筋訓練をする際に
主に適応となる失禁の場合は自律神経に支配されていない
外尿道括約筋が上手く働かない場合です。
自律神経(交感神経・副交感神経)と排尿・畜尿が
どのように関わっているか。
骨盤底筋訓練の狙いはなにか。
排尿・畜尿での自律神経の関りをしることで
どこでエラーが起きているかがわかります。
どこでエラーが起きているのかわからないと
見当違いな骨盤底筋訓練をしてしまうことに繋がりかねません。
尿失禁に対して適切なエクササイズを提供するためにも
自律神経と一緒に『正常な畜尿と排尿』、『骨盤底筋訓練の狙い』
について知っていきましょう。
正常な畜尿と排尿
尿が膀胱に蓄えられることを畜尿と言います。
尿が尿道を通じてが排出されることを排尿と言います。
畜尿時は排尿筋が緩み、膀胱で尿をしっかりため、
内尿道括約筋、外尿道括約筋が収縮して尿が出ないように止めています。
排尿時は排尿筋が収縮し尿を出し、
内尿道括約筋、外尿道括約筋が弛緩して尿を排出します。
畜尿・排尿時に働く神経は?
正常な畜尿と排尿には自律神経が関係していて主に関わる神経は
3つあります。
下部尿路は骨盤神経、下腹神経、陰部神経の3つの末梢神経の制御を
受けています。
外尿道括約筋は陰部神経により排尿の一時停止に作用しています。
表にしてまとめましたがちょっとややこしいのでイラストにしてみました。
畜尿時の自律神経
畜尿時は交感神経が優位に働きます。
交感神経は意識をしてコントロールできるものではないので
自分の意志で内尿道括約筋はコントロールすることができません。
体性神経である陰部神経は外尿道括約筋をコントロールしています。
体性神経は意識することでコントロールができますので
自分の意志で外尿道括約筋をコントロールすることができます。
排尿時の自律神経
排尿時は副交感神経が優位に働きます。
こちらも自分の意志でコントロールすることはできません。
排尿時に一時的におしっこを止めることができますが
それは外尿道括約筋の働きによるものになります。
骨盤底筋訓練の狙い
骨盤底筋訓練は女性の尿失禁の第一選択です。
骨盤底筋訓練は主に腹圧性尿失禁に効果があると言われていますが
切迫性尿失禁や混合性尿失禁にも効果はあると言われています。
副作用もないため尿失禁が推奨されています。
上記の自律神経と畜尿・排尿を見ていただくとわかりますが
内尿道括約筋や排尿筋は自分の意志ではコントロールできません。
骨盤底筋訓練を行うのはどこを狙って行っているのでしょうか。
骨盤底筋訓練で尿失禁が改善するのはなぜでしょうか?
骨盤底筋訓練の目標は以下の通りです。
つまり骨盤底筋訓練の狙いは
尿道周囲、膣壁周囲の自分の意志でコントロールできる外尿道括約筋を
鍛えることで腹圧上昇時に反射的に尿道閉鎖圧を高め
排尿を止めています。
問題となる原因が内尿道括約筋や排尿筋に主にある方には
外尿道括約筋を鍛えても効果が出ないことも。
しっかり排尿・畜尿の仕組みを知っていることで
必要な人に必要なエクササイズを伝えることができますね。
ジーハンズ SACHIでした。
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