変形性膝関節症の痛みを考える
痛みと筋膜のジーハンズ KAZU(@kazu1010120)です。
膝痛Partとしていままで筋膜調整が有効な点を紹介していきましたが、私的にも一番むずかしいのが変形性膝関節症(以下膝OA)の慢性疼痛だと考えています。そこで慢性的な膝の痛みにフォーカスを当て痛みとなっている組織など基礎的な所をまとめてみました。
普段の記事よりちょっと硬く感じるかもしれませんが、、、
膝OAをよく担当される方は多いと思います!
是非もう一度整理し役立ててくれたら嬉しく思います!
👆そもそもですがこういった報告も有るように、膝OAは明確な診断基準が無いとされています。
明らかなX線上で変形が有るが
✔痛みや機能障害が無いものを正常な膝とは言えないし
✔痛みや機能障害が無いものを変形性膝関節症とは言えない
という感じになっていますのでやはり臨床所見との照らし合わせが必要ですね。
痛みの原因組織
軟骨
膝OAの病態として軟骨の変性と摩耗は広く認知されているが、正常な軟骨には血管や神経は存在しないためそれ自身が疼痛の原因となることはない。
しかし繰り返されるストレスにより骨・軟骨界面の微小骨折(microfracture)などが生じるとさまざまなタンパク質酵素が産生されるそのなかには神経、血管の新生を誘導するものも含まれているとされている。また軟骨のびらんにより軟骨下骨の自由神経終末が露出することも疼痛の原因と考えられる。
軟骨下骨
軟骨が変性し半月板の荷重分散機能が低下すると軟骨下骨に加わる機械的ストレスが増加する。この機械的ストレスに応じて骨硬化し生じ、関節面の陥没骨折を防止しようとするが、その機能が不十分である場合や、骨脆弱性がある場合には軟骨下骨の骨折を生じ疼痛を生じる。陥没部分が大きい場合は関節面の変形と関節液の流入がおこり骨壊死へ至る場合もある。
最近ではMRIにて精査が行われるようになり骨髄内の高輝度変化BML(Bone marrow lesion)は疼痛と強い相関があるとされている。骨内の線維化、壊死、浮腫、炎症が疼痛部室を生成し痛みの原因となっていると考えられる。
レントゲン像のみで分類されるK-L分類のグレードの程度と疼痛の程度が比例しないのはこういった部分の変性や炎症がMRIを使用しないと精査できないからだと考えられますね
滑膜
従来では関節リウマチ(RA)の関節痛は滑膜炎、膝OAでは軟骨などの関節構成体の変性が原因と考えられていたが、膝OAにおいてもRA 滑膜のように絨毛状に増殖し、血管増生を伴うリンパ球浸潤が認められることもあると報告されている。
炎症滑膜では神経終末の再構築、感受性亢進が生じ、水腫による張力や骨棘などの機械的刺激によって疼痛を生じるとされている。
滑膜炎の原因が軟骨や骨デブリによる場合は、デブリの供給が無くなれば滑膜炎 は沈静化するとされている。末期OAで関節水腫や滑膜炎所見が乏しいのは、この理由によると考えられますね
半月板
半月板は荷重を受ける内縁から半月中央部には神経終末や血管が存在しないためめ正常な状態では荷重によって疼痛を生じることはないとされている。しかし関節包に付着する外縁部分には神経と血管が分布しており、そこが断裂したり損傷部を大腿脛骨間に挟み込み、半月に異常牽引力が働いたりすると疼痛をを生じるとされている。また、膝OAではにおける変性半月では外縁部分を超えて中央部分にまで神経や血管の侵入を認めるとの報告がある。
腱・靭帯
付着部位は豊富な疼痛知覚の神経終末が存在する。関節軟骨が変性し軟骨潤滑特性が低下すると初動時の関節のこわばり感や付着部の牽引痛の原因となる場合がある。
膝OAの初期で起こりやすい症状ですね
まとめ
今回は疼痛の原因組織を5つの部位に分けて紹介させていただきました。
普段から筋膜を軸にアプローチを行っていますがやはり基礎的な部分は整理しておく必要がありますね。特に病態の理解は患者さんやお客さんへの症状説明では必須となり関係性構築の面に関してはとても重要なところだと思います!!
筋膜調整の技術とともに病態の理解も今後もまとめていきたいと思います!
ジーハンズKAZUでした。