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骨盤内臓器脱
こんにちは。ジーハンズSACHIです。
今回は
・骨盤底筋体操などを指導するセラピスト
・ピラティス指導者、ヨガ指導者
など女性の健康に関わる方に読んでいただけたら嬉しいです。
骨盤臓器脱とは?
骨盤臓器脱とはpelvic organ prolapseを略してPOPと言います。
骨盤内の支持組織の破綻によって臓器が脱出してしまうことです。
この支持組織は骨盤底筋や靭帯、筋膜のことを指します。
脱出する臓器によって子宮脱、膀胱瘤、小腸瘤、直腸瘤などと診断されます。
症状としては膣より臓器が脱出してしまう状態なのですが
生命に危険が及ぶようなものではなく
ただ出ているだけなのです。
でもその出ているだけというのが日常生活に大きな影響を及ぼしますし
QOL(生活の質)に大きく関わってくるものです。
しかし、病院に行っても『骨盤底筋閉めといて』とか
『ただ出てるだけだから心配はいらない』
なんて言われてしまうことがまだまだあるそうです。
骨盤内臓器脱の原因は?
実際にウィメンズヘルスに関わりる意識がなくとも
この症状は意外と多くの人が経験しています。
①高齢
➁産婦
③肥満
④便秘
など特別なことではなくむしろどこにでもあるようなことが原因となるので
病院で働いているセラピストは実はPOPの患者さんを経験しているのかもしれません。
PT・OTはセラピストとしてしっかりとした知識を持って接し、
治療に活かせたらよいと思います。
POPになるとどんな感覚?
初期のころは膣のあたりに違和感を感じるようです。
また夕方や重いものを持った時に下がってきて
お風呂に入ったときに出ているのを確認する人も多いようです。
特徴としては夕方から夜にかけて症状が出る方が多いです。
また骨盤内臓器脱と一緒に出る症状として尿失禁
があります。
過活動膀胱の時もお伝えしましたが
臓器脱と尿失禁、臓器脱と排便障害、臓器脱と性機能障害は一緒に出ることが多く、特に臓器脱と尿失禁は一緒に出ることが多いと言われています。
子宮脱の病態
子宮や膀胱、直腸を支えている周囲の靭帯や筋膜(①~⑥)が
高齢や妊娠・出産、エストロゲンの低下により脆弱になることで生じます。
➁恥骨頸部筋膜
⑤基靭帯
⑥仙骨子宮靭帯
この3つの影響が強いとも言われています。
子宮脱の分類
pelvic organ prolapse quantification(POP-Q)法によって評価していきます。
図をまとめてみました。
ステージⅠは処女膜より1㎝上
ステージⅡは処女膜を中心に上下1㎝
ステージⅢは処女膜から1㎝より下
ステージⅣは膣から2㎝以上脱出
と評価されます。
評価する時間や姿勢もポイントとなります。
夕方から夜にかけて悪化するため時間帯によって変化がないか
立位姿勢で出るのか、背臥位でも出ているのか
などの確認が必要です。
ジーハンズでは直接は確認することはできないため
口頭で確認していき本人が感じているのがPOP-Q分類で
大体どのあたりなのか予想の範囲で分類に当てはめています。
病院でステージを言われてないかもあわせて確認します。
肛門を締める動作や咳、重いものを持った時に変化がないかも確認していきます。
POPに骨盤底筋訓練は有効か?
2020年版 産婦人科ガイドライン 婦人科外来編では
グレードBとして推奨されています。
ですが
下垂程度が低いPOP-Q Stage Iに対して推奨する
としています。
骨盤底筋訓練は
排尿障害や排便障害に対して有効、
また非侵襲的なため安全ともいわれています。
しかし
客観的な脱の程度や下垂症状を改善するかどうかは報告により異なるため,
長期的な改善にはつながらない可能性がある
からだそうです。
症状がステージⅢ以上でも効果がある場合があるので
状態をご本人に確認しながらすすめることが必要だと思います。
日常生活で気をつけなければならないこと
骨盤内臓器脱は、骨盤底筋体操や手術をしても腹圧が臓器にかかるような
動作をしていればいずれまた骨盤内臓器脱を起こしてしまうことが
考えられます。
そのため日常生活で注意していくことが必要です。
特に
・体重を増やさない
⇒BMI25以上でPOPのリスク2倍
・力まない
(排便、重いものを持たない)
・呼吸を止めないで動作をする
(腹圧を臓器にかけないように動作を行う)
こんなことを気を付けていく必要があると思います。
筋膜からのアプローチ
ジーハンズでは
骨盤底筋を動かしやすくする
ことを目的に筋膜リリースで整えた後に骨盤底筋訓練を行っています。
自分で骨盤底を動かす感覚がわかりにくい方も
筋膜リリースを行った後は骨盤底を動かす実感を得ることができています。
今回は骨盤内臓器脱についてお伝えしました。
また来週の水曜日にお会いしましょう!
フォロー、♡いただくと嬉しいです。
ジーハンズ SACHIでした。