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プロローグ。 #100日後にムスリムになる僕
はじめに。
はじめまして。100日後にムスリム(イスラーム教徒)になるSUUA-SAN(スーアサン)です。スーア(タイ語でタイガー)を名乗っていますけれども日本人です。1977年生まれの日本人男性。つまり、おっさんですね。
100日後は2020年11月22日。このテキストを書いているのが8/14未明なので、正確には101日後にムスリムになる僕なのですが、この記事はプロローグ的な内容なのであまりお気になさらずに。
「なぜ僕はムスリムになろうと思ったのか?」ということはおいおい投稿するのですが、「なぜ100日後なのか?」ということは最初に書いておかないといけないなあと思うのでそのことを書きますね。それがこの物語のプロローグとなります。
なぜ「100日後」なのか? 僕の一族のこと。
ムスリムになろうと思ったのは1年ぐらい前からなのですが、ムスリムなるという決心がなかなかつきませんでした。
日本人がムスリムになるというのはイスラーム(イスラム)を勉強すればするほどいくつかの難関、ハードルがあることに気づきます。
教義自体のハードさ(ノー・ポークであったり断食月だったり)もあるのですが、それは割と個人の努力でクリアできることだったりするので、それはハードルとしてはあまり問題ではないです。
ではなにか?
「日本人として生きてきたうえでの大事な慣習をいくつか整理しなければならない」ということです。
日本人男性が40年以上、日本社会で生活してきているので、いろいろな関係がいろいろな環境が生まれていますし、全部を把握しきれないぐらい複雑化しています。
代表的なハードルのひとつを紹介すると「いかに家族や身内に改宗を理解してもらうか」だということだと思うのですが、僕の場合、「家(=一族)」の存続に関わる問題なので非常に難しいです。
僕は一応、長男としてこの家に生まれましたが、父は前妻との間に女子と男子がいるので、正確には次男となるのですが、家督という意味では僕がついでいます。なので先祖が眠るお墓を守る義務があるということです。
僕の父と前妻は同郷で福岡県の田川出身です。姉と兄は前妻である実母と共に出身地である福岡県に住んでいます。ということは僕の一族のお墓は田川にある筈なのですが、僕の父はうちの母親と再婚したタイミングでお墓を栃木県足利市にある真言宗のお寺に移しています。
なので一族のお墓は僕の住む群馬県の近辺エリアにあるということになります。
僕の父は若い頃に田川から大阪に出てきた後、東京経由で群馬県で事業を興します。その時に実の弟一人と異母兄弟である弟も出てきたのですが、一緒に同郷の女性が二人ついてきます。その二人は姉妹です。そのうちの姉が僕の父の最初の妻で、妹が実の弟の最初の妻になります。兄弟と姉妹がペアで婚姻を結ぶというなんとも土着な感じの一族が戦後に形成されたのです。
その後、父も父の弟も、その姉妹二人とは離婚・別居するのですが、父を含めて兄弟姉妹全てが亡くなっており、足利のお墓に祖父と祖母と共に埋骨されてます。
僕の母が亡くなれば、もちろん、そのお墓に入ることになるので、このお墓を守るのは僕を含めた兄弟の義務となるのですが、上の姉と兄は異母兄弟でありつつ福岡県在住で、僕の実の妹はすでに嫁に出ており、また異母兄弟の妹があと二人いるらしいのですが行方しれずなので、実質、僕が見るほかないわけです。
前置きが長くなったのですが、その家の長男が一族のお墓を守るという慣習、ムスリムになっても遂行できるのか?ということです。
結論からいうとそれは可能です。
教義上での矛盾も出てくるのですが、檀家としての義務(持続的な金銭的解決)を全うすればいいだけの話です。
ただ僕はこのお墓には入らない可能性が非常に高いです。なぜならばムスリムに火葬は「ご法度」だからです。
僕が生きている間は守ることはできるけれども、死んだ後、お墓をどうするか?僕の遺体はさておいて、今後一族のお墓をどうするのか?という問題を解決し整理していかないといけません。
日本人。日本人男性がムスリムになるのはこういった例をとってみるだけでもなかなかハードルが高いということがお判りできたかと思うのですがいかがでしょうか?
とはいえ信仰を止めることはできないので、最悪の場合には家族と縁を切ったり、疎遠になったりしてでも改宗するのですが、理想は親族が納得のうえで改宗するのが望ましい。その為の準備や用意、説得の時間を100日間として一旦期限を設けるということです。
100日間、100枚のページを綴るということ。
100日という時間だけで足りないかもしれない。
けれども、信仰告白(改宗)は1日でも早くすべきだというのが僕の周りのムスリムフレンズの共通の見解です(このことは後日に記事として投稿します)。
これから僕がムスリムになるまでの間、イスラームに関して学んだこと、学ぶべきこと、感じたこと、信じたこと、実践したことなどその活動を毎日投稿します。
ひょっとしたらその過程において僕は改宗をやめるかもしれません。
ひょっとしたらその過程において家族の許可を得られるかもしれません。
ムスリムになるということは死ぬまでムスリムでありつづけることです。ムスリムから他の宗教へ改宗することは許されません。
もしかしたら僕がこれから100日間投稿する内容の中で間違ったことをするかもしれません。
しかしそれも「記す」という行為の中で記録として残り、日々のムスリムとしての生き方の学びとなると信じています。
お願いがあるのですが、もしもこのnoteを読まれた先輩ムスリムの方で「ここはおかしいぞ」という箇所がありましたら是非ともご指摘いただきたいのです。
今、僕のイスラームに関する生の知識や生の学びというのものは、日本語を母国語としない在日ムスリムの仲間たちからの教えによるものが多いです。懇切丁寧に教えていただいているのですが、細かいニュアンスなどに行き違いもあったりしているのが現状です。
その隙間を埋めるために書物やオンライン上の記事などを参考にしているので、時には間違った解釈をしていることも多くあると思います。
日本人ムスリムの方で「ここが変だよ」とありましたらご教授のほどをよろしくお願いします。どうか群馬の小さな町の一角でムスリムになろうと決めた僕をお助けくださいませ。
僕の100日の記録がいつか誰かの役に立つことがあれば幸いであると願って。
2020.08.14 am 1:50 SUUA-SANより