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Photo by
yajimasyoukai
ショートショート『君に贈る火星の』
”君に贈る火星の権利”
散歩中、見知らぬ男から突然渡された封筒に書かれた、謎のメッセージ。
どうやら俺は、火星の権利を得たらしい。
土地の権利書でも入っているのかと封筒の中身を確認してみると、出てきたのは印のついた地図だった。
「あれ、これってあの公園か?」
*
「ちょうどこの辺りだな」
印の指す地点に到着した俺は、不自然に盛り上がっている地面を発見。どう見てもここに何か埋まっている。
まるで宝探しゲームのようだ。無我夢中で掘り起こすと、イメージ通りの宝箱が姿を見せた。
高まる期待。ワクワクしながらそっと箱を開けてみる。
「…なんだ、やっぱりただのいたずらか」
そこには、大きな赤い円が描かれた一枚の画用紙が入っていた。
これが火星とでも言いたいのだろうか。はたまたゲームの「正解」を示す赤丸か。
諦めて帰路につこうとしたその瞬間、スマホにニュースアプリから速報が入った。
”盗まれた絵画「火星」に懸賞金100億円!”