十人十色〜それぞれにあるボランティア論〜6

人は成長するにあたり沢山の勉強をします。学校だけでなく社会人になってからも、自分は日々勉強だなと感じる毎日を送っていますが、成長過程で忘れてはいけないのは決して1人でここまで来れた訳ではない、周りの人がいて成長できた事を今更ですが感じております。
出会いがあれば別れもあります。こんな事書かなくていいのにと思うかもしれませんが、本当に通ってきた道。
でも自分よりもっと色んな経験している方もいらっしゃると思いますが、弱い自分をお許しください。

別れ

社会人1年目の年は県内回ったパネリストやでねがの立ち上げと、活動が大きくなっていく年でした。
前回話しましたがこの頃秋田では平成の大合併と言われるほど各地区で町が合併し、それぞれ１つの大きな市に変わって行きました。無論自分の町でもその話があり今の状況だと保育士は給料体制も悪くなり、正社員の試験もあまりなくなるのでは？という話題も出て不安な日々を過ごしていました。社協も合併すると１つになるのでヤンボラ自体どうなるのかもあやふやな状況で、その中でのでねがの立ち上げは良かったかもしれません。
とりあえず今年もヤンボラサポートするかと意気込んで、自分の地域の会議に顔を出して後輩にアドバイスを言ったりする様になりました。
自分の名刺作って、社協の人やボランティア活動の人と交流して、とても充実してました。

6月、社協のOさんから
「今日もヤンボラの地域会議あるからねー」

いつものように声をかけられ内容の話合い、その中でふと自分は先輩のSさんの話をしてました。

Oさん「げんってほんとS大好きだもんなーw」

自分「マジで好きっすよw、夏休みもうすぐ入るからその時帰るーっていってましたよw」

Sさんは仙台にいてまだ学生満喫してました。

たわいも無い会話の訳5日後・・・

その日は自分は0歳児の部屋の手伝いをしてました。朝9時過ぎにお部屋で遊んでいると、OさんとHさんが保育所にきました。0歳児のお部屋から入り口が丸見えで2人を見た時、

「おいおいなんのお願いやw」

何回か職場に来て色んな活動のお願いをされたりしていたのでそうだと思ってました。

主任から呼ばれて行ったら

Hさん「げん・・・」

自分「何よ揃いも揃ってw！」

Hさん「S・・・自殺したんだよ。」

何秒か理解できませんでした。しかし直ぐに自分はその場で泣き崩れてしましました。

Hさん「遺体帰ってるから一緒にいこう」

Sさんの実家は自分の保育所から歩いていける距離にありました。

そんなの見たくない

嫌だ

そう思っていたけど、行きました。無言の再開に自分はどうしたらいいかわからなかったです。お父さんに聞いても理由はわからず、今でもわかりません。ただSさんは自分が決めた事に曲がりもなく進むタイプの人で、何かのきっかけで心が折れたんじゃないかなとおもいます。泣きました，ただひたすら泣きました。

すみません。この後一週間程の記憶が本当にありません。

何もかも受け付けなくなりました。

自分のやってきた事ってなに？誰かの助けってなに？何も出来なかった自分に腹がたち、錯乱する日々を過ごしました。

今でもSさんの事を思い出すと涙がでます。いい思い出しかありません。本当に好きでした。

それでもヤンボラは開催します。この年のヤンボラですが、ついに参加者よりもスタッフが多くなるという事態になってました。活文経験上これはまずい道辿ってると感じました。
この年の委員長は自分の地域の後輩になる子だったのですがリーダー質はなく、副委員長が実際仕切る感じで進めていました。

心の傷が癒えないままのヤンボラ、当日の朝早くに鳥居先生とHさんと3人でSさんの自宅に行き線香をあげました。
会場に向かう車の中でHさんと少し涙を浮かべながら話してました。

「やっぱり寂しいね」

いなくなった事には変わりありません。そしてこの年からヤンボラも傾き始めました。

虚無

「わりーけどあんまヤンボラに関わってる気分じゃないわ」

というトゲトゲしい感じを出していました。
自分はSさんを失った悲しみと自分に対しての苛立ち、どうすればいいかとか自問自答していました。
委員長にアドバイスはもちろんしていました。でもやっぱりなんか上の空でした。

初日の夜、学生に見つからないように(笑)ビール飲んでたのですが気がついたら鳥居先生の部屋にいました。自分のできた事とかききたかったのです。

自分「先生、Sさんに俺何かできなかったのかな？俺すげー悔しい、なんのためにボランティア学習したかわんない、なんか出来なかったのかな俺は？」

鳥居先生「げん、気持ちは本当にわかる、でもな、出来ないんだよ。俺だって悔しいよ。冷酷で悪いかもしれない、けど自分がそう思ってしまわない様に生きなさい。」

響ました。気持ちはみんな一緒なんです、ただ自分は受け止める覚悟がその時なかった、本当にそれだけです。本当に悩んでいて、誰にも言えない事なんてみんなあるんです。

でもやっぱり引きずりました。ずっと引きずりました。
ヤンボラはその年、学生達がグダグダあったので反省会は和やかではなくピリピリしたものでした。けど反省会の最後に鳥居先生が

「ヤンボラ始まる前にヤンボラ出身者，ボランティア活動している同士がこの世を去りました、昨日の夜、その子と親しい子が自分のところに来て，俺すげー悔しいと言ってきた。人を思う事，繋がる事をそいつを見て感じた！」

号泣してしまいました。

泣いた事が多かったその時のヤンボラは終了しました。

でも自分がやっぱり許せなかった。

1年悩みました。

本当に悩みました。

ヤンボラの夏が終わり、また個人活動の再開です。
前回お話した秋田市青年の家の方の紹介で全国青年フォーラムに参加しました。まあ活文の大人バージョンですw
出会いでまた考え変わればなと思い参加しました。
活文的な活動で夜は親睦会という飲み会。最終日の夜は盛大なパーティーっぽい感じでした。
楽しかったです。けど心にぽっかり空いた傷はなかなか埋まりませんでした。
フォーラム中どことなくしずかにしていました。
すみませんここから自信過剰に聞こえるトークになるかもしれませんがご了承ください。

活文同様グループでの活動です。
しかしこの青年フォーラムの目的はなんだったんでしょうねwww？
強いていうなら地域交流とボランティア活動と言ったところでしょうか？

とりあえず自分のうるさいキャラを殺し周りを見ようと思ってました。やはりこういう所ではうるさい人というかそんな人が目立ちます。
最終日に各グループの発表があるのですがこのタイプの人じゃやってあたり前、ですが静かな人を指名するという掟があります。

案の定自分が指定されました。初日なんてお互いのことなんてわかりません。けどグループの中には1人か2人仕切れる人がいる訳です、それが一緒に来た人だったり違うとこから来ていて始めは仲良いのに最終日は少し気まずい関係なっていたり。

自分のグループは村自体が第三セクターとなりその中で活動する人たちの仕事内容などを見て回るものでした。アホみたいに騒ぐ自分ですがどっかで何か探してましたね。行く所全ての案内人の人に聞いた質問があります。

「この村、好きですか？」

全員同じ答えでした「好き」そりゃあたり前ですけどね。どこかに安心感を求めていた自分がいました。それほど何か病んでいたのでしょう。その様な活動内容を最終日に発表したわけですが、他のグループの人は入念に打ち合わせをし、リハーサルなどを繰り返してたのに対し、自分は何もしてませんでした。むしろ最後の夜高熱を上げて寝てました。本番に弱いタイプの様ですw

しかしアドリブに強い男ですw
「本番写真だけパワーポイントでスライドさせてください。後俺それに合わせて言いますから。」
思いついたのはそれだけでした。いかに見てもらう人に興味を示してもらえるかが重要になると思い写真一枚一枚軽いボケを入れながら話していきました。結果賛否両論に分かれた意見が出ましたが結果オーライです。そんな活動も終わり普通の生活に戻りますが、自分の気持ちの弱さがでてしまい、仕事もプライベートもうまくいかなくなり、ついに休みの日は外に出なくなりました。
心配してくれたHさんや鳥居先生、たくさんの方が自分に電話をしてきてくれたのですが，それすら嫌になり本当に活動も何もかもしなくなりました。

「本当にやばいかも」

ある日ふと、何かのきっかけでそう思い、気がついたらHさんに電話をしていました。
紹介されたのはある病院の精神科医の青山先生。

「げんくん、相当抱えてる感じで安定剤出すのがいいかもしれないけどあえて薬は出さないから，それに頼らないで欲しいから通いなさい。」

月1ペースで半年くらい通い、お互い話ししたりそれを聞いたり、とても気さくな先生でいきなりある大学の研修医数人いるからその人達の前で話そうか？などいきなりハードル高い事言ったり、しかし対人が苦手になっていたのが徐々によくなっていきました。
でもまだまだだと思ったHさんは鳥居先生が札幌市の社協でワークショップと講演やるので自分を無理矢理にでも連れて行ってくれました。

そして札幌の地で2人目の師と出会う事になります。この人は心の師、それはまた次のお話で。

この回の終わりに

先輩の死にあたる話しを少し書かせて頂きました。皆さんもいきなり大切な人がいなくなった経験はもちろんあると思います。人それぞれ受け方違いますが自分を許せなかった事をずっと書いたのはご了承ください。やはり今でも寂しいし思い出すと涙がでます。自分にかけてくれた言葉は今でも忘れません。
ただ優しく引っ張ってくれた貴方がいたから今の自分はいるしそのボランティア活動に対する姿勢はずっと見習っていきます。だから言わせて下さい。

ありがとう

まだまだ自分は頑張りますから、生きてりゃよかったなって思わせるんで、今自分ができる事はそれだけです。