ウマに脚 トリに羽 ヒトに生理(前編)
馬が速く走れるのは、強靭な足を持って生まれてくるからです。
鳥が空を飛べるのは、風をとらえる羽を持って生まれてくるからです。
人が文明を築き、愛を育めるのは…女性に生理があるからです。
急に何をいいだしたのか、と思われるかもしれません。でも、これは皆さんに知っておいて頂きだい、とても大事なことなのです。
さて、女性には生理がなぜあるのでしょうか。
この記事は、女性にしんどい生理がなぜくるのか、なぜ人間に生理がなくてはいけなかったのか、を説明します。
男性とっては、今まで無関係だと思っていた生理が、人間という種にとって、どれほど重要な役割を果たしているか、驚きの事実とともに知ることができます。
生物としてのヒトについて、学ぶきっかけにもなりますから、
「ダーウィンが来た」
「ナショナルジオグラフィック」
「動物奇想天外」
「たけしの万物創世記」
などのテレビ番組が好きな人にもお勧めの内容です。
生理(月経)があるのはヒト、サル、コウモリ、ネズミだけ
知っていましたか?
ところで、「生理」という言葉には
「生きて活動する、生物体の諸現象。」
という意味がありますから、色々な場面で使われます。
例えば、植物生理とか、栄養生理などです。
まず言葉の意味をはっきりさせておきます。
私がここでいう「生理」は
「一年中、周期的に子宮からの出血がある」現象です。
生物学的には「月経」といいます。
人間の妊娠可能な女性は周期的に子宮内膜がはがれ落ち、血と、体液とともに、体の外に排出します。
この時に、子宮の収縮で腹痛や、人によっては腰痛、吐き気や頭痛がともないます。
冷静に考えれば、奇妙な現象だと思いませんか?
他の動物ではどうなのでしょう?
馬、牛、豚、羊、やぎ、鳥、には生理がありません。
猫や犬にも生理はありません。
他の大部分の動物に、
「一年中、周期的に子宮からの出血がある」=生理
という現象は見られません。
例えば、犬のメスには年に2回ほど人間の生理のような、出血がありますが、それはヒートと呼ばれる現象で、人間の生理とは別物です。
人間と同じように、「一年中、周期的に子宮からの出血がある」動物は
サル、コウモリ、ネズミの一部の種類だけです。
サルはヒトと近いからわかるけど、なんでコウモリとネズミ?
と思いませんでしたか?
私は思いました。笑
まだはっきりとはわかりませんが、コウモリやネズミの1年を通した周期的な出血も、犬のそれのように、ヒトの生理とはまた違うと思われます。
と、いう事は、「生理」があるのは人を含むサルの仲間の限られた種類だけ
という事になります。
私たちにとってある意味、当たり前の存在だった「生理」は自然界では実は非常に珍しい出来事だったのです。
生理のリスク
現代は、人間は文明を築き、外敵に狙われる心配は、ほぼなくなりました。
が、人間が狩猟採集生活をしていた時代はどうだったでしょう。
世界的名著、サピエンス全史でも語られていますが、人間の祖先は長い間、食物連鎖の中間あたりをさまよう、弱い存在でした。
木の実や山菜を採集し、たまに小動物を狩って食べていました。
群から一歩出れば、大型の肉食獣に今度はエサとして狙われる獲物でしかなかったのです。
その頃から、体の仕組みはほとんど変わっていないと言われていますから、当然女性に生理はあったはずです。
食べ物を探し、外敵からの安全を確保するために、人間は移動生活をしていたと言われています。
そんな状況で、定期的に血や体液を吐き出して、痕跡を残す事のリスクは計り知れません。
ではなぜ、そんなリスクを負ってまで、人間に生理は必要だったのか。
あなたにはわかりますか?
さあ、だんだんと核心に迫って来ました。
ここからが本題ですから、もう少しだけお付き合い下さい。
と、思いましたが、長くなりそうですので、次回に続きます。
お楽しみに。