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慢性下痢

定義
4週間以上持続する下痢を慢性下痢

慢性下痢診断のフレームワーク
水様性下痢(watery) 脂肪性下痢(fatty) 炎症性下痢(inflammatory)の3つに分類

水様性下痢

はさらに3つへ分類
浸透圧性下痢
症状:夜間に下痢軽減 絶食で軽減
薬剤:Mg、人工甘味料、クエン酸、リン酸塩など
疾患:乳糖不耐症

分泌性下痢
症状:夜間下痢 絶食で軽快しない 多量の下痢
薬剤:抗腫瘍薬、ビグアナイド、コルヒチンなど
疾患:寄生虫、器質的疾患、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症)、顕微鏡的大腸炎

機能性下痢
症状:夜間下痢なし 少量の排便
薬剤:マクロライド、刺激性便秘薬、メトクロプラミド
疾患:IBS

脂肪性下痢(fatty)

症状:便器に付着する多量の脂っこい便、吸収障害による貧血、体重減少
検査:糞便ズダンⅢ染色
薬剤:アカルボース、アミノグリコシドなど
疾患:慢性膵炎、胆汁酸の不足、セリアック病(日本ではまれ)

炎症性下痢(inflammatory)

症状:発熱、腹痛、血便、頻回少量便、眼症状、皮疹、口内炎など
検査:便中カルプロペクチン、下部消化管内視鏡検査
薬剤:抗菌薬➡偽膜性腸炎
疾患:IBD、虚血性腸炎、感染性腸炎

(以外の多い)顕微鏡的大腸炎
血便のない慢性下痢患者の鑑別。膠原繊維性大腸炎とリンパ球性大腸炎。
症状:急な便意、夜間下痢、便失禁
疫学:50歳以上の女性に好発
原因薬剤:NSAIDs, PPI, SSRI
検査:大腸内視鏡検査では軽微な事が多く、複数個所ランダム粘膜生検
治療:原因薬剤の中止


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