駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅 ~2日目①釧路編
2022年8月22日(月) 8:50 帯広駅
爽やかに晴れ渡る。
駅前の温度計は26℃を指しているが、体感温度はもっと低い。長袖を羽織ろうか少し悩むレベル。
今日の行程
今日は帯広から一路東へ。釧路を経由し、日本の最東端の駅、東根室に到達。その先の根室が目的地となる。
根室は260km先。東海道本線なら東京から浜松の距離に相当する。本格的な移動の旅が始まる。
特急おおぞらで釧路へ
都心であれば通勤客でごった返している時間帯なのに、あまりにもがらんとした構内に驚く。既に通勤の時間帯を過ぎたか、そもそも電車通勤をしないのか…
客もまばらなホームで待っていると、おおぞら1号がやってきた。
9:20、帯広駅を出発。
釧路までの道中には海が見えるということで、進行方向向かって右側の座席を選択。最初のうちはまた電線に邪魔されたが、我慢我慢。。。
写真を撮った池田町辺りはワインが特産。となるとブドウ畑だろうか?
やがて列車は山間部に差し掛かった。途中に「上厚内」という駅があったが、2017年に廃止されている。ぱっと見、周囲に家があるようにも見えず、廃駅の実態をまざまざと見せつけられる。
長い下り坂を下ると、目の前に海が見えてきた。太平洋だ!
と思いきや一旦陸地に入り…
再び海に出て…
もう一回陸地に入る。
しかしそこには広大な湿地が広がっていた。パシクル沼という湿地だ。
北海道の湿地と言えば釧路湿原だが、ここにも湿原があったとは。少し得した気分。
このあたりは絶景が続くが、その中にひっそり廃駅が潜んでいるため、スマホにも意識を傾ける必要がある。地図アプリも見ながら慎重にチェックインを続ける。景色に気を取られすぎないように注意せねば…
絶景ゾーンを過ぎ、「新富士」という名の、インダストリアルな風景が並ぶが東海道新幹線ではない駅を過ぎると、釧路駅へ到着した。
しばらく写真を撮っていると、突然けたたましい汽笛が鳴る。何事かと思うと、横から「くしろ湿原ノロッコ号」が出発していった。
写真を撮りながら、乗客に向けて手を振る。
くしろ湿原ノロッコ号は、窓が開放されたトロッコ車両が連結されている観光列車だ。釧路駅から、釧路湿原にある塘路駅までを往復している。ビュースポットではノロノロ走るので「ノロッコ」の名がある。
この天気だ、きっと素晴らしい釧路湿原の風景が待っているだろう。
…乗れば良かったかな?
だが釧路では飯を食べることにしていた。断腸の思いで釧路駅を後にする。
それにしても、釧路、快晴なのにとても涼しい。下手すると朝方の帯広よりも涼しいんじゃないか…と思っていると、地元の人たちが「やー、今日は暑いねぇ」と会話しているのが聞こえた。暑いのか…
昼飯:和商市場で勝手丼
昼飯は、駅から歩いて数分の所にある和商市場で「勝手丼」を食べる。
勝手丼は、市場内にある店で「自分の勝手」でネタを組み合わせて海鮮丼が作れるという、和商市場の名物。
ネタがずらりと並べられているが、この売り場の広さゆえ、手当たり次第にピックアップすることはできない。ではどうするかというと、店員と客がマンツーマンとなり、一緒に右から左に移動しながら、客が指定したネタを店員に拾い上げてもらい、勝手丼を作っていくのだ。
後から「あれ欲しかった」と思っても後戻りはできない。後ろがつかえるので迷う時間もない。「これ食べたい!」という欲求に基づいた直観力が問われる。
いつも以上に頭を使って出来上がった、これが俺の「勝手丼」だ!
概ね期待通りのものができたと思うが、ややインパクトに欠けるなぁ。やっぱエビかなぁ…などと反省点もちょこちょこ。
でも美味いからいいんだよ。
特にウニのとろけ具合が素晴らしい。ロシア産だそうで、このご時世に手に入るもんなんだなぁ、と、道東の実力を思い知る。まぁ、高かったけど…
ところで、勝手丼を食べていると、後ろで「わ~っしょい、わ~っしょい」と、妙にゆるい曲が聞こえるのが気になった。
だれが歌ってるんだと思ったら…
釧路のご当地VTuberの仕業でした。
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幣舞橋
少し時間が余ったので、腹ごなしに幣舞橋まで歩いてみることにする。
幣舞橋は特に夕日や夜のライトアップが素晴らしいということなのだが、すみません、今回は真昼間の写真です。
橋のたもとではビアガーデンが設営されていた。夕方からの営業らしい。
ライトアップされた幣舞橋を見ながらのビアガーデン、いいかもね。
ふと時計に目をやると、電車の時間が迫ってきていたので、慌てて駅へ引き返す。この旅、乗り過ごしたら詰む。油断禁物。
花咲線に乗車
釧路から花咲線で、いよいよ最東端へ向かう。
「花咲線」は単独の路線ではなく、正確には根室本線の一部なのだが、釧路から根室までの区間につけられた愛称だ。
実際に「花咲」という地名があることから付けられたと思われるが、肝心の花咲駅は2016年に廃止という、ちょっと微妙な状態になっている。
花咲線は普段1両編成だが、夏の観光シーズンは2両編成で運行していた。
「北海道の恵み」車両は木材を使った綺麗な座席に改装されていた。趣があってよいが、1人でボックス席を占領するのもな…と遠慮してキハ54側に乗車。
次回予告
花咲線に乗車して、いよいよ出発…というところで、あまりにも花咲線の撮れ高が良すぎたので、記事を分割することにしました。
写真多めでお送りする(予定の)花咲線の絶景旅、お楽しみに。