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47.

寝不足が続く。眠れないものは仕方ないし、どちらかと言えば寝たいと思っていないのだ。


ようやく眠った明け方に、夫の夢を見た。
思わず飛び起きる。
外は明るいが、まだ時刻は5時を回ったばかりだった。それでも、私は1階へ仄かに期待をしながら降りる。

たとえば、ソファで眠っていたら良いのに。
あるいは、和室で「起きたの?」と振り向いてくれたら良いのに。

時々、きちんと夫がいないことを確かめないと解らなくなることがある。
もういい加減にしたいのに。いちいち確認しないと不在を認められないなんてどうかしている。

身を焦がすような恋じゃなかった。
なんにも心配なんかしなかった。
傍にいてくれるだけで、本当にそれだけで良かった。良かったのに。

仕様がないんだよ。

会いたいとか、そんなんじゃない。
寂しいも悲しいも通り過ぎた感情で相応しくない。
夫がいなくたって私は笑うことだって出来るし、最低な終わり方だったけれど恋だってした。
(でも時々、夫がいたらあんな恋はしなかったとも思う)


どうして何処にもいないのだろう。

それだけが不思議で、だから時々少し混乱する。
いない、と確かめて嘆息して、何故かしら?と考えて。

何故かしら、ね。

イチさんがくれたロヒプノール販売中止になっちゃって、ほんと良く眠れないのよ。
弟のほうは少し意地悪で絶対に睡眠薬は私には処方しないしね。
この間、また漂流を買って読んだの。やっぱり吉村昭、好きだな。
ケーキを作るか迷って、やっぱり作っちゃった。一緒に食べたかったな。

イチさん。天国ってそんなに良いところ?私の隣にいるよりも?


夢でなんか会いたくもない。

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