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情報商材を買う人の多くは情報リテラシーに欠ける【バイナリーオプション】【インジケーター】【FX】

FXをはじめ、投資に関する情報商材の形態は実に様々である。
手法そのものを提供する方法やインジケーター・サインツールの販売、ひいてはLINEやテレグラム・シグナル等のSNSに勧誘し、個別に銘柄を提供するなど、その方法は多岐にわたる。

かくいう筆者も、これまで約9年にわたる相場歴の中で、YouTube・ココナラ・ゴゴジャン等のサイトで手法を購入したり、自ら販売したりと、いずれの立場にもなったことがある。その経験を経て、本当に有用な手法とは何であり、どう見つけるべきかを考察したい。

本記事では私の、良質な手法に対する論考を示していく。普段の記事に比べ、主観的な内容が含まれることはご了承頂きたい。

何をもって良質な手法というのか

無論、損益分岐点を超え、勝つことができる手法は、良い手法であるが、それだけという簡単な話ではない。

思うに、良質な手法の要件は下のとおりだ。
・ある一定の複雑さがある。
・再現可能性が高い。
・根拠ベースの手法である。
・十分なバックテストを経ている。
・根拠と論理展開がしっかりしている

以前、下記リンクの記事で述べたことがあるが、まず手法はある一定の複雑さは兼ね備えないといけない

ある一定の複雑さ

これはかなり逆張りの主張だと思う。単純な手法ではなく、複雑な手法こそ良質だと述べているからだ。

単純な手法では、誰もが真似できてしまう。これはいいことのようで、非常にまずい。なぜなら一人当たりの利益が減ってしまうからだ。

少し大きい規模の話をするが、この世界全体で見た時、損益は常にゼロである。誰かが得をしている裏には、損をしている人がいる。決して人数は同数ではないが、損益額の絶対量は等しいのだ。
そして、これは決して大きいスケールでしか成り立たないわけではない。
小さいスケールでもある程度は同様に成り立つのだ。ましてや、為替相場と連動しないはずのバイナリーオプションでもそのことが実感できる。

ご存じのとおり、バイナリーオプションにおけるプレイヤーは、取引者と運営会社の2者である。
※ここで言うプレイヤーとは、経済学において意思決定を行う最小単位のこと。
取引者が儲かれば、運営会社が損をする単純な構造である故、運営会社にとっては、過半数の取引者が損をしてくれないといけないのである。
したがって、その処置として約定拒否をする。

サインツールはわずか10個でも売れてしまったなら、10人の取引者が同じ通貨ペア、同じ時刻に同じ方向にエントリーを入れることになる。販売件数がさらに伸びれば、約定拒否が増えるのも必至だろう。
こうして考えれば、損益の合計が保存されるという観点から、手法は簡単に広まってはいけないのである。ある一定の複雑さを兼ね備える必要があるのだ。

再現可能な手法

されど、再現可能性は高くなくてはいけない。複雑すぎると、再現が不可能となり、もはやそれは手法と言えない。

いつその手法を扱っても同じような結果にならないといけないのが、再現可能性だ。人によって解釈の相違があるのは、仕方ない。だが、同じ人が同じ手法を使った場合、多少の誤差はあれど、どんな時でも同じような結果を出さないといけない。

すなわち、手法は再現可能な範疇でなくてはならないのである。これを私は再現可能な手法と呼ぶ。

この点、サインツールは最強なのだ。人狼がいない限り、サインさえ表示されれば、いつだって1万人中が1万人、同じように判断を下すのである。ただ、前項「複雑さ」の観点で論じれば最弱。まさに表裏一体なのである。

ここまで踏まえると、複雑さと再現可能性は一見矛盾しているように思える。果たして手法販売において、この二つは両立できるのか。その解決の一つとなるのが「根拠ベースの手法」だ。

根拠ベースの手法

少しだけ、私の販売している手法を例に述べたい。

私の販売している手法については、「根拠」が一番の売りだ。相場の中で、どういう場所が反発するのか、なぜ反発するのか、その「根拠」を交えながら解説している。

「根拠」にさえ基づいていれば、分析方法やエントリーはいたって自由にして良い。手法を扱う人らが、独自の「知識」で分析して構わない。
そうすれば、十人十色の手法が出来上がり、手法は複雑化する。そして、エントリー位置等に差異が生じたとしても、「根拠」によって裏付けされているので、いずれのエントリー位置でも勝つことが出来、逆説的に「再現可能性が高い」と言える。

すごく簡単な例を示す。
私が、例えば「酔わない方法」と称して、「小腸の方が吸収が早いので、できるだけアルコールを小腸に入れないなど」と根拠を交えながら、一応「空腹時には飲まない」という手法を解説したとする。
すると、これを実践する人は、「一旦マックを挟んでから飲みに行こう」だとか「何かつまみながら飲もう」とか彼らなりの実践方法があり、手法は複雑化する。
でも、どれだけ複雑化しようが、「根拠」は抑えてあるので、いずれも目標は達成され、逆説的に「再現可能性が高い」と言える。

さすがに、「根拠」だけ示すのも無責任にほどがあるので、私の手法ではpdf19ページにわたって、私自身が用いている分析方法も解説しているのだが、「根拠」が肝である分、その応用方法は実に自由度が高い。

だから、私はトレード記録ならいくらでも公開できる。
エントリー方法や分析方法にそこまでの価値はないのだ。トレーダーとして成長したくば、「根拠」を学ばないと、あなたはどれだけ手法を買おうが勝つことはできない。

バックテスト

これも、前回の記事にて述べた。

巷の商材のバックテストが、いかに検証不十分であるかを知っていただきたいのだ。

一点だけ抜粋すると、「勝率60%より勝率90%の方が数学的に信用できる」のだ。※もちろん単発勝率である。

この業界は、実に詐欺が多い。だから、どうも勝率90%などとみると、目を疑うが、勝率は高ければ高い方が数学的に証明しやすいのだ。詳しくは、統計学の知識を使って説明しているので、上の記事第三章を参照されたい。

相場というゲームは決して、期待値を追うゲームではない。勝率60%に甘んじて、とにかく取引回数を増やせば、期待値的に勝っていけるだろうという考えでいるならば、それはまずい。
なぜならば、負けた40%もの大量な取引に対して目を背けているからだ。
負けたエントリーの説明ができるならともかく、それもなしに40%も負けているなら、その手法の理論はだいぶ怪しい。

究極的な話だが、もし完璧な理論なるものが存在すれば勝率は100%になるだろう。ただ現実的にそれが厳しいので、その誤差を勘定して勝率はやや落ちるのだが、さすがに三回に二回しか当たらない(勝率2/3)程度の期待値ゲームのような理論は、誤差の範疇ではないだろう。すなわち正しい理論とは言えないのである。勝率50%台ならなおさらだ。

やや話がそれたが、ともかくバックテストは良質な手法のための条件だが、怪しい怪しくないなどの話は抜きにして勝率の高い手法を中心に選ぶことだ。

根拠及び論理展開

投資手法とは、文字通り投資のやり方を教えるものである。

この点、資金管理やメンタルケアを手法のメインとして、購入者を騙そうとしている悪質な販売者が非常に多い。

それは投資手法ではないだろう。

資金管理やメンタルケアが重要だということは、否定しない。むしろ、書こうと思えばそれぞれについて1万字程度のレポートは書ける。

だが、もはや現代において資金管理やメンタルケアはこれ以上研究すべきテーマではなく、いくらでも無料で情報を入手することができるのだ。それをあたかも、自分独自の手法と称して販売しているのは卑怯であり、購入するのも馬鹿馬鹿しい。

しかも、それが論理的に説明できる資金管理法ならばともかく、「私はこうしてました」というように、主観的に説明されても、その資金管理法でうまくいく論理的根拠がなければ、他人の日記を覗いているのと同じだ。

では、見出しの「根拠及び論理展開」に関してだが、これはただ単純に、しっかり論理展開がなされてさえいれば、それで良質な手法の一要素を満たすことができる。

例えば、最近noteの記事でこのようなことを読んだ。

「ハイローは上位1割の人しか勝っていない」

全くもって荒唐無稽な話だ。そのような事実を示す根拠はどこにもない。
本記事をここまで読んだ方ならば、そのくらいの情報リテラシーはあると思う。ぜひ、皆様には良質な手法を見抜けるようになってもらいたい。

「体感的に勝率60%」などと言う。

「〜だと思います」を多用する。

「1:3の法則がある」とか脈略も根拠もない理論をいきなり展開する。

有識者ぶっているこれらのひとは、少なくとも信頼には値しない。
皮肉なことに、主観的に感情に訴えた方が注目も高まって、販売件数が伸びるのだが、こういった人はもう負ければいいと正直に思う。
第一項で、損益の話をしたが、ありがたいことにこういう人がいるおかげで、我々は一方で利益を得ることができるという事実も認識しておくべきだろう。

まとめ

以上のことから、良質な手法を探し当てたくば、下記の点に留意してほしい。
・ある一定の複雑さがある。
・再現可能性が高い。
・根拠ベースの手法である。
・十分なバックテストを経ている。
・根拠と論理展開がしっかりしている

この定義にあてはめた場合、インジケーターやサインツールはそもそもにして良質な手法の枠組みから外れるだろう。
一方、SNSでのコンサルはまだありなのかもしれない。ただ、その実情は完全なブラックボックスであり、私の言及するところではない。

〇追記
私の手法が複雑だと言ってあきらめる方がごく少数いるが、時期尚早だし実にもったいない。良質な手法とは本来そういうもので、本当に勝ちたいのであれば、やや苦労してでも勉強し自らを成長させるべきだ。




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