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【歌詞考察】ライスボール「レインボー」~Gradation~

レインボーは、2023年7月12日(水)にリリースされた、ライスボールの5th Single3曲のうちの1曲です。
サビに使われている津軽民謡「ホーハイ節」が特徴的ですし、インパクトの強いMVもライスボールの(ぶっ飛んだ?)世界観が満載で、MVの再生回数も12万回を超えています(11/10現在)。

ということで、派手な部分に目が行きがちですが、歌詞をじっくり見てみると、なかなかに味わい深いものがあります。

(前回からだいぶ経ってしまいましたが)今回は「レインボー」に焦点を当てて考察してみます。

1 レインボーが指すもの

この曲でレインボーが指すものは、「多彩さ・多様性」「グラデーション」「はかなさ」の3つだと考えます。

① 多彩さ・多様性

♪ 極彩色描かれた四季は まるでレインボー ♪
様々な色を用いて、鮮やかなに描かれるねぷたのことで、「多彩さ・多様性」を表すと思われます。

② グラデーション

♪ 時とともに変わりゆく景色 まるでレインボー ♪
いつの間にか季節が移り替わってゆく様子を虹の「グラデーション」になぞらえたものでしょう。

③ はかなさ

レインボー(虹)は、時間が経つと消えてしまうものであり、「はかなさ」の象徴でもあります。
前の2つのように明示されていませんが、次の歌詞にそのニュアンスが出ていると思います。

♪ 短い夏 その中を 扇の夢が往く ♪
「往く」には、過ぎ去る、いにしえ、過去という意味があり、「行く」よりもはかなさを感じます。
♪ 儚い春 城に舞う はなびら 舟となる ♪
♪ 浮世の無常や 一炊の夢や ♪

ちなみに、
アルプスおとめの楽曲「ニジイロリンゴ」「ニジイロファイター」に虹(=レインボー)が使われています。
♪ 涙のあとは晴れる 虹色の夢を描くんだ ♪(ニジイロリンゴ)
♪ 雨上がり 赤橙黄緑青藍紫 虹がかかる ♪(ニジイロファイター)
ここでは、辛いこと(涙・雨)を乗り越えてつかむ夢を表しているようです。

2  過去の曲との類似

「レインボー」の歌詞には、これまでの曲で使われた言葉が見られます。

  • 短い夏 その中を 扇の夢が往く = 夏の夜空に 扇の夢か(JONKARA)

  • 極彩色描かれた四季は = 極彩色 祭は豪華絢爛(JAWAMEGI NIGHT!!)

  • 浮世の無常や 一炊の夢や = この世は 実に 誠 諸行無常(JAWAMEGI NIGHT!!)

  • 津軽富士は今日も何も言わず = じっと見守る(JONKARA)、あの山は何にも言わないけれど(1625)

  • 時に抗わず = (直接の文言はありませんが、)1625とDAISUKI青森の岩木山のイメージ(時を越えて、普遍的にそこにあるもの)に合致すると思います。

  • 見つめている = じっと見守る(JONKARA)

JONKARAは津軽民謡「じょんから節」をモチーフにしており、同じく民謡のホーハイ節を取り入れたレインボーと共通点があります。
また、JAWAMEGI NIGHT!!は岩木山神社を舞台に踊る八百万の神をテーマとしており、♪ 十二単の山 ♪(岩木山)で始まるレインボーとつながりがあります。

いろいろな曲の要素が入り混じっているという点では、多彩さ・多様性でもあり、過去の曲が新しい曲の中に渾然一体になっている点では、グラデーションでもあるように感じます。

3 パワーライブ「Gradation」

2023.9.9~10に開催された「RINGO MUSIC POWER LIVE 2023」のテーマは、ライスボール実土里さん発案の「Gradation」でした。

歌は世につれと言いますが、アーティストは「空気」を敏感に察知する能力に長けていると思います。
今この時期に、ライスボールが「レインボー」を歌い、実土里さんが「Gradation」というテーマを発案したのも偶然ではないような気がします。
多様なタレントが輝きを増すリンゴミュージックを、これから牽引していくのは、ライスボールなのかもしれません。
(ていうか、もっと売れてほしい。)

おわり

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