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リンゴミュージックの原点「シャトルラン」

2022.12.28の「RINGO MUSIC POWER LIVE 2022 "UPDATES!"」で、
リンゴミュージック・テーマソング「夢のシャトルラン」
が初披露されました。

特定のグループの曲ではなく、「校歌・社歌」的な位置づけのようです。

シャトルランは、体力(持久力)をつけるためのトレーニング法のひとつですが、リンゴミュージックでは、オーディションの審査項目やレッスンのメニューとして、活動初期から取り入れています。

リンゴミュージックにとって、精神面での共通軸が「音楽や芸能の力で地域元気に」という目標だとすると、フィジカル面での共通軸は「シャトルラン」と言えるでしょう。
世代が違っても、同じ気持ち、同じ体験を絆として持っていることは、リンゴミュージックの一体感を生み出すために大事なことです。

オーディションではシャトルランが重要。最後あと1歩のがんばりや他の子たちにどんな言葉をかけるかとかを見ている(王林)
シャトルランにはみんな思い出がある。リンゴミュージックの伝統(金星)

POWER LIVE 2022 "UPDATES!"でのコメント(要約)

初期のレッスン日記をみると、シャトルランを通して、ライブで何曲も歌い続ける体力をつけるだけでなく、メンバーのやる気や揺れ動く心の機微さえ読み取って、メンバーの心身の成長につながる指導をしていこうという意図が感じられます。

シャトルランは、メンバーにとっても、指導者にとっても、基礎であり原点なのです。

2004/01/07

JAM☆RINGO(樋川由佳子)さんが、3期4期生たちと一緒にシャトルランに挑戦したときの日記です。
シャトルランの本質が一番よくわかる記事だと思うので、ちょっと長いですが引用します。

講師:JAM☆RINGO  日記:JAM☆RINGO
(略)恒例のシャトルランからスタートだ。今日は私もチャレンジしてみることにした。(略)彼女たちがいったいどんな気持ちでこの広い体育館を100回以上も往復しているのか知りたかった。
ドレミファソラシドの音にあわせて決められた距離を往復していくのだが、10回ごとにだんだんとスピードがアップしていく。苦しくなってくことはわかっていたが、実際に自分でやってみて週に1回やっていたこのシャトルランの重要性を改めて知ることになった。
はじめは走らなくても早歩き程度で追いつけるスピードだ。思わず小走りになる。しかし焦ってはいけなかった。どんどんとスピードアップしてくると足が上がらなくなってくる。そう、はじめが肝心だったのだ。疲れないように後半に力を持っていくためみんなは走っていなかった。
ふと気づくと靴紐がほどけてきた。そういえば始まる前はみんな決まって靴紐をしっかり結びなおしていたっけ…。しまった!大急ぎでダッシュして靴紐を結びなおす。またここで余計な体力をつかってしまった。なにごともはじめが肝心。そんな些細なことが自分の体でわかる。
はじめは心地よく聞こえていたドレミのリズムと回数を読み上げる声がだんだんと自分を追い詰めるように聞こえてくるのは70回過ぎるころから。え?まだ2回しか増えてないの?と思うようになる。後で聞いてみたらやっぱりここが最初に苦しくなるポイントらしい。思うように呼吸ができなくなってくる。前には出る足がなぜか上には上がらなくなってくる。そうか。人間は足を上げて前に出すから歩けるし走れたんだ。妙なことに感心する。
85回を過ぎるあたりからは自分との戦いになってくる。あと1回、あと1回…。あ、遅れてきてる。スピード上げなきゃ…。目標を100回にしていた私は90回くらいでちょっと倒れそうになった。
何とか目標の100回を終えた。もう少し行けそうな気がしたが何しろ30代の体は明日からが怖い。呼吸が苦しくなる。急に動きを止めるとそれはさらに輪をかけて増してくる。ゆっくりと体育館の周りを歩く。体が感じた疲労感と心に芽生えた達成感。なぜかそれが心地よかった。次はもっと回数を伸ばせるようにと素直に思えた。と同時に、こんなのよくやってるな、と彼女たちに共感した。だって、レッスンはこれで終わりではない。このあとからがレッスンだからだ。激しい振りの曲もスローテンポの曲も体力を使い切ったあとにやらなければならないのだ。しかも毎週…。
この日の記録はジョナが117回、紅玉が152回だった。二人とも前回より記録を下げる結果となった。私が彼女たちに何かしらの影響を与えたのだろう。実際終わったあとで話を聞いてみると、自分は意識していなくてもそのときの精神状態が結果に如実に出てくるらしい。学校でいらいらすることがあったり、余計なことを考えながらやると記録は極端に落ちるとか。そういえば以前ここの体育館に他の関係者が入ってあることがあったとき、全員の記録が極端に落ちたことがあった。なるほど。どんなことにも動じない精神力も必要になることを学べる。また、はじめが肝心だということ、70回くらいからが自分との勝負になるということ、そして次は絶対に頑張って記録を伸ばそうと思うことがみんな共通に感じることだということがわかった。なによりこのシャトルランでの経験が自分たちのステージの上でも共通に感じることだと言う。だからこそ次はもっと!と思えるのかもしれない。
彼女たちは華やかな舞台の上に立つことで人々の注目を浴びている。化粧をし、さまざまな衣装を身に付け、ちゃらちゃらしているように見えるかもしれない。だが、勘違いしないでいただきたい。私たちは実力のないものを人前にさらし、見世物にするつもりはない。だからこそ彼女たちには絶対にステージでは疲れを見せない体力、どんな状況でも自分を出し切れる精神力、そして人を感動させる技、「津軽の歌姫」として歌声を一日も早く身に付けて欲しいのだ。
絶対に全国の舞台に立つその日まで…。

HASPホームページ「2004年1月のレッスン日記」

2004/02/04

初代ジョナゴールドもシャトルランをがんばっていました。

講師:JAM☆RINGO  日記:JAM☆RINGO
2月4日のレッスン ~特別編 ジョナ誕生日~

(略)今日はレッスンについて、というより彼女「ジョナゴールド」について書いてみたい。(略)
その中でも彼女の向上心が4期生の加入で一気に前に出た。合宿前のシャトルランの記録から合宿後の記録を見ると実に23回も伸ばしている。すごい。
本人にその当時のことを聞くと、「絶対このままだったらいけないと思った。頑張らなくちゃ置いていかれる。負けられないなって。」

HASPホームページ「2004年2月のレッスン日記」

2003/08/06

やる気の差がシャトルランの結果に出る

講師:JAM☆RINGO  日記:JAM☆RINGO
今日もまたストレッチもせずおしゃべりしているメンバー。私の顔を見ると「あ、やばい!」といわんばかりにいい子ぶり、ストレッチを始める。(略)
この気持ちの差が見事にシャトルランの結果に出た。3期生は全員前回よりも回数を伸ばすことができなかったのに4期生は全員回数を伸ばしたのだ。前回トップの***はさらに十数回も伸ばした。(略)
なんと!彼女は合宿が終わってからも毎日走っているという。***もそうだ。100回を過ぎても余裕を感じる。地味ながら記録を伸ばす***もそうだ。みんな自分と戦っているのだ。(略)
地方タレントのアイドルもどきや学芸会レベルのどさ回りをするためにやっているんじゃない。(略)彼女たちをプロの歌手にするのだ!今のままじゃダメだ。私自身の心の改革も必要なようだ…。

HASPホームページ「2003年8月のレッスン日記」

2004/02/11

精神状態がシャトルランの結果に出る

講師:JAM☆RINGO  日記:JAM☆RINGO
(略)そして紅玉は…。前回のメインボーカルテスト同様、今回も選ばれなかったことに相当ショックを受けているらしく、うつむいたまま口を開こうとしない。(略)
ストレッチや柔軟体操、発声練習をしたあとは水曜日恒例の「シャトルラン」だ。今日は私ともう1人のスタッフも参加して行った。102回の目標もむなしく96回でギブアップしてしまった私を尻目に走り続けるメンバーたち。いつもなら次はつがるあたりがギブアップするのだがどうも紅玉の様子がおかしい。121回、そのままトイレにかけこむ紅玉。一瞬「えっ?」という空気が流れたが他のメンバーは引続きシャトルランを続ける。いつもは最後の最後まで1人黙々とシャトルランを続ける彼女の突然のリタイアは言うまでもなく「メインボーカルテスト」の結果が大きく作用していた。
取れると思って頑張った「メインボーカルテスト」。取れなかった悔しさをばねに次に気持ちを切り替えられなかったことが招いたはじめての「シャトルラン最下位」という結果…。毎回シャトルランではトップを走り続け、自分の目標に達することができなかったことを涙する彼女にしてみればそのショックは相当のものだったろうと思う。そして自分の感情をコントロールできなかった自分自身を悔やんだであろう。(略)
走る彼女たちの姿を見ながら1人未来のりんご娘.を想像した。絶対やれる。確信はレッスンをするたびに強くなる。

HASPホームページ「2004年2月のレッスン日記」

最近のシャトルランの様子

ブログからは、あまりうかがい知ることはできません。
しかし、ユルユルな雰囲気ではないことは確かでしょう。

ちなみに、彩香さんは140回できたそうです(2017/2/15) ↓

おわり

「夢のシャトルラン」は、タイトル、歌詞、メロディーのすべてが、リンゴミュージックにとってのシャトルランの意味を完璧に表現している曲です。
改めて、多田さんの才能に脱帽です。
いつも素晴らしい曲をありがとうございます。

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