【津軽から世の中を変えていく】アルプスおとめ 「アップルストアーはりんご屋です」
アルプスおとめ「アップルストアーはりんご屋です」の勢いが止まりません。
MV再生回数は毎日1万回増えていて、2021.12.18 pm6:30現在 55,718回再生になっています。(2022.1.23 pm8:00現在 145,260回)
繰り返し出てくる「んだ まい」が耳に残って、なぜだかわからないけどリピートしてしまう曲。
なにかきっかけがあれば『Oisa』(ばってん少女隊)みたいに300万回超えもあるんじゃないかと、ちょっと期待しています。
1 発注はこんな感じだったんじゃないか
そういう期待とともに、そもそもどういう発注でこんな曲を作ることになったんだろう?と妄想してしまいます。
樋川社長「コロナで誹謗中傷とか、差別、分断みたいなことがあってさ、ライスボールに心のワクチン(涙のセンタク)歌わせたじゃない?」
多田慎也さん「はい」
樋川「でもさ、世の中あんまり変わってない気がするんだよなあ。相変わらず、感染するのが悪みたいなさ」
多田「ええ」
樋川「それにさ、みんな縮こまって元気ないじゃん。そういう世の中にガツンと喝を入れたいね」
多田「ガツンと喝ですか…」
樋川「そう、世の中を変えるんだよ、津軽から。じゃ、そういうテーマでよろしく!」
多田「はい(また無茶振りだ…)」
妄想はともかく、
私としては、この曲の大テーマは「津軽から世の中を変える」で、そのためには「人を信じて、立場を超えて話し合おう」というメッセージがあると思っているわけです。
そういう視点からのキーフレーズが3つあります。(歌詞に出てくる順)。
基本 信じじゅーはんで 信じじゅーはんで
列島けっぱれーしょん ちゃんとさなが!
ヘイ エビバディー tsugarunize して conversation して んだマイズして レボリューション
先日、「【標準語訳】アップルストアーはりんご屋です」を投稿して、私なりに歌詞の解釈をしていますが、今回は、この3つのフレーズから掘り下げてみようと思います。
<おことわり>
前の投稿とは、違うことも書いていますが、「ブレてる!😠」ではなく、「いろんな解釈があるんだなあ😌」という温かい目で見ていただけると幸いです。
2 基本 信じじゅーはんで 信じじゅーはんで
「どんな人であろうと、基本的には信じているから」ということだと思いますが、具体にあげているのは「いい人・そうじゃない人」「キリスト・ニヒリスト」です。
「いい人もそうじゃない人も」は、文字どおりでよいと思います。
「キリストもニヒリストも」の方は、キリストのとらえ方がいくつかあると思います。
宗教家:信仰のある人も無神論者も
愛を説いた人:愛を信じる人も何も信じられない人も
磔になっても信念を曲げなかった人:信念がある人もない人も、熱い人も冷めてる人も
革命家:行動する人もしない人も
いずれにしても、「どんな人であろうと、基本的には信じているから」という意味に変わりはありません。
3 列島けっぱれーしょん ちゃんとさなが!
世の中にガツンと喝を入れているわけですが、「ちゃんとしろ!」と言っている相手は次のような人たちです。
① 自己中で強欲な人(なのものわのもの わのものわのもの)
② かっこつけてる人(えふりこぎして なんだんず⁉)
③ 短慮な人(なんぼ うぬうぬしてらっきゃ)
④ 面の皮の厚い人(あんだけ えへでで つけらっとしてらね)
⑤ つまらぬことに血道をあげる人(とっちゃ さっきから何とっちゃー?)
エンタメを応援する立場としては、④の人たち(専〇家と称される、煽るだけで責任を取らない人たち)に……(自粛)。
4 tsugarunize して conversationして んだマイズして レボリューション
① tsugarunize して conversation して
レボリューションへの道は、話し合うこと(conversation)です。
そして、話し合うために必要なことが、tsugarunizeすることです。
文字どおりでは「津軽化」ですが、「相手の懐に飛び込む」という意味に解釈したいです。
津軽人以外は、この曲を聴いても意味がよくわからないはずです。
しかし、そこで諦めるのではなくて、わかりたいと思う気持ちが大事だと言いたいのではないでしょうか。
「実際に僕も津軽弁で歌詞を書けるようになったよ」という多田さんの気持ちもちょっと入っているような気がします。
② んだマイズして
「んだマイズ」は造語です。
「んだ・まい」のバリエーションで、カタカナ表記なのは「んだマイナー」と「んだマイズ」なので、両者には関連があると仮定します。
マイナーを「小さい、有名じゃない(minor)」という意味だと思い込んでいましたが、改めて調べてみると「採掘者(miner)」という意味もありました。
そうすると「んだマイズ」は「んだ(肯定・賛同)を掘り当てる」という意味になります。
全体として「相手の懐に飛び込んで、話し合って、そうだねと両者が納得する結論を掘り当てよう」という意味になって、文脈にピッタリはまるのではないでしょうか。
5 歌詞の世界は広い
歌詞は文字数が限られているので、解釈の幅が広いですね。
何気ない言葉の裏に何かあるんじゃないかと、読み解き(妄想)するのは楽しいです。
これを書いている途中で、アリストテレスも入ってそうとも思いました。
樋川社長は哲学とか好きそうな気がするので、そういう発注もあったのかなと。
樋川「それでさ、世の中を変えるには人の心を動かさなきゃだめじゃん」
多田「はい」
樋川「アリストテレスがさ、人を説得するために必要なことが3つあるって言ってるんだけど、わかる?」
多田「ロゴス(言語・論理)、エトス(信頼)、パトス(感情)のことですか?」
樋川「(あ、知ってたのか)…うん、…まあ、そうだね。じゃあ、そういう感じも曲に入れるということで、よろしくね!」
多田「はい(また無茶振りだ…)」
それまでの型にとらわれず、新しいものを生み出していくクリエイターの方々を本当に尊敬します。
RINGO MUSICで制作に携わる皆さま、これからも、みんながアッと驚くような作品をよろしくお願いいたします。
あれ?
もしかして、
「tsugarunize して conversation して んだマイズして レボリューション」
ってRINGO MUSICのこれからの方向性も表してるのかも。
(津軽にこだわって、farmerと対話して、みんな一緒になって、音楽界に革命を起こそう)
……妄想が止まらない😅
おわり
【2022.1.23追記~発注の話など】
2022.1.22の「多田慎也 Project ApplePOP(FM青森)」で、この曲の発注などについて、多田さんがお話しされていました。
コール&レスポンスを「んだ まい」にしようという話が、制作ディレクターの下田さんからあって、「面白そう」と始まった企画。
全編津軽弁にする予定ではなかった。
作詞にこれまでで一番時間がかかった(英語詞より難しかった)。
生きた言葉になっているのか難しかった(津軽弁ネイティブの友達に確認した)。
途中のアラビア風音楽は、MVの遊び心を想定して、世界旅行のつもりで入れた。
「んだ まい」が(津軽弁非ネイティブの)下田さんのアイデアだったとは……。
たしかに津軽弁非ネイティブの発想という気がします。
多田さん、下田さん、移住してくれてありがとうございます。
(ネイティブとしては、ちょっと悔しい気持ちもある……)
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