ビートたけし天才伝説…今さらだけど…
というわけで…
業界に入って、さっそく憧れのたけしさんの番組に就くことになったんですが…。
とは言っても下っ端の下っ端のそのまた下っ端ぐらいの立場でね…。
その番組は、ちょっと科学的なテーマにそって、検証VTRをみながらスタジオトークで盛り上がるっていう、今なら普通だけど、まあそれのハシリみたいなモノでしたね。
で、そのスタジオで出すVTRを作ってくるチームのADっていう仕事で。
毎回、たけしさんを唸らせるVTRを作っていこうと一生懸命なワケです。寝れない日々が続くのは当たり前ですけど、内容的に、どうかな?って時はもう緊張感がハンパないんですよ。
というのも…、ここからが本題ですが…。
司会は当然たけしさん。そのVTRをもとにスタジオトークでゲストとともに盛り上げていくんですが、なんていうかその見切りの早さですね。
スタジオでVTRが流れて…、2秒で見切るんですよね。どういうことかというと、そのVTRが面白いかつまらないか…、たけしさんに2秒でバレちゃうんですよ。まぁ、2秒は大げさか…。でも、最初のカットでわかっちゃう。
そしてそれが、確かにそうなんですよね。作ってる側が、今回のは面白いぞぉってVTRができた時は、それを一回みただけで広げるべきポイントを的確にとらえて、想像以上に盛り上げる。それもけっこうビックリするんですが、VTRの出来が、ちょっと今回は…。っていうときは、もうVTRなんか視ない。ゲストと雑談してるんですよ。視ないで…。
だけど、VTRの内容をうまくはぐらかしながら、スタジオは盛り上がる。と…。
こっちが気づいてないときもそうでしたね。今回のはちょっとマズいかなぁ…?なんて時だって、そのVTRの面白いところを引っぱりだして、盛り上げちゃう。作った側があとで気づく。みたいなね…。
すげぇな…って思いましたね。なんなんだろう、人智を超えてんな…って。ぼくらが2週間かけて作ったVTRが秒殺されるという…。
まぁ、たけしさんが天才だっていうのは今さらなんですがね…。
テレビの世界でオリジナルな生き方をしていたたけしさんですからね。一瞬一瞬が殺し合いみたいな状況で、どんどん鋭くなっていったんでしょうし、今も衰えないあのオーラみたいなものは、そんじょそこらのハンパもんがマネできるものじゃないですよ。
たけしさんみたいになりたいっていうの多いですけど、まぁ、そこまでのヤツ、なかなかいないですよねぇ。
だけど、そんな夢みるバカモノのひとりであるわたし。そんなんだから、納得いくものができないっつって辞めちゃったり…。まわりにメーワクかけながらやっております。
だけどね、オリジナルのモノやんなきゃ、こんなことやってる意味ないっつーの!
こんなボクにダレがした…。たけしさんのせいにしてるワケじゃないですけどね。ま、してるんですけどね。
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