トニー賞でした

朝、猫に起こしてもらって、無事にトニー賞をリアルタイムで見た。
Web配信のプレショーは途中からになってしまったが、オープニングとアンジェラ・ランズベリーへのパフォーマンスは事前番組の中で放送してくれたのでまあ良しである。
同時通訳二か国語を聞くのが大変苦手で、かと言って英語のヒアリングが得意なわけでもないので、説明やスピーチは切れ切れにしか理解できていない。それでもオープニングでアリアナ・デボーズさんが堂々と歌い踊るのを見ただけで感動してしまった。

6年前のトニー賞で、彼女はハミルトンのアンサンブルだった。前日に起きた銃乱射事件への追悼のため、急遽、小道具の銃を持たずにヨークタウンをパフォーマンスしていた。
4年前にはドナ・サマーのミュージカルで助演女優賞ノミネートされていた。
そしてこの間のアカデミー賞の助演女優賞を引っ提げて、とうとうトニー賞のMCである。
それも当然だろうと思える、素晴らしい歌とダンスだった。
ドナ・サマーのミュージカルでは、チタ・リベラ・アワードの最優秀女性ダンサー賞を取った。その後、初演でチタ・リベラが演じたアニタ役でアカデミー賞を取り、今日はチタ・リベラと並んで最優秀ミュージカル作品賞を発表していた。
なんだろう、この美しい物語は。
彼女がオープニングの最後に"I am what I am"を歌い上げた時には、画面が涙で滲んだ。私はあの曲を、LGBTQ+のみならず、自分らしくあろうとするあらゆる人のアンセムだと思っている。その曲を彼女がオープニングで歌う様子は、自分らしくあろうとする人への激励であり、希望であり、勝利のラッパのようだと思った。

今日、演劇助演女優賞を取ったフィリシア・ラシャドは、過去の受賞スピーチで『自分たちの仕事は果てしない努力(effort)と、素晴らしい恩寵(amazing grace)による物』というような事を言っていた。
今日の彼女もそうだろう。
身にまとったグレースの下にある努力を見せることなく、美しく踊り歌う彼女を、これからもずっと応援していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?