【2023.3.6】手応えがあるとかないとか
特に手応えなくなんだかうまくいってしまう事がある。仕事で店舗に立っていたのだが、これといった手応えを感じる事なく、高値のものが動いた。
買ってくれたのは、静かで少し話しかけづらそうなセンスの良い人と、外国からやってきた2人組だった。
頑張りと結果って比例しないのか?
やった感みたいなのを味わっている時ほど、割と危ないのかもしれないな。と思うと自分のやる気だの、達成感など当てにならないものだな。と思う。この達成感みたいなものは、自己肯定力なるものを、高める効果がある。これが影響して、気分は割と明るくなるのだが、それが世間に影響しているかといえば、対して変化がないは面白いし、正直助かる。
自分の自己肯定力に影響されて、外の世界まで変化してしまっていたら、よく考えるとちょっと怖い。だってそれこそ責任重大過ぎて引いちゃう。もうちょっと自由に生きていたいし、その役割、私ですか?と誰に質問していいのかわからない。
わからないのだけど、少し思ったのは、ちょっとぐらい、自分に責任があると思った方がいいのかもね。という所。
良いものが見つかる場所は素敵だった方が良いし、好きであり続けられた方が良い。その程度の事しか結局出来ないよね。という諦めも必要で、そこで自分の事をどれだけ自分が素敵と思えているかとか。今日も頑張ったぞ。みたいな感情とかって。割と邪魔。不必要。
そんなの、自分で勝手に思って、そう保てば良いし、周りに関係ない。
帰りのバスの車内から、スカイツリーを眺めている。こんなものは、誰かの目論みで立ったものなんだろ。と思いながら、だけど綺麗で思わず写真を撮る。目論みをかじって栄養にする。
耳元で、ジムモリソンが歌っている。
When the music's over…
まとっていたい空気みたいなもので、無理なくまとっていられそうな空気みたいなものだなと思う。
急に叫ぶジムモリソンの映像を観ながらどうしたんだこの人は?と思った記憶。歌詞も、綺麗なまま、終わらない。正直、何を言ってるんだかわからない。だけどなんだがカッコ良かった。結局は、薬物の大量摂取で27歳で死んでしまったけど。
深い達成感の中で、世界が変化しない絶望感でも味わったのだろうか?
歌詞を検索しながら、寒い朝に苦労してつけるペレットストーブを思い出す。新しく買ってきた火種は、油を十分に染み込ませていて火の勢いが強いのでペレットが良く燃えるのかと思いきや、燃えるスピードが火の回るスピードを追い越してあっという間に灰になってしまう。
一つ追加し、二つ追加し、それでも火が回らず、もう諦めようかな。と最後の一つを追加する。勢いよく燃え上がる火種に、あまり深い期待もせず、ペレットをパラパラと落とす。あぁ。寒い。
目を離した隙に火は小さくなっていた。
残念な気持ちでその様子を覗き込むと少しだけ奥に赤い色が見える。
カラカラと音を立ててペレットが落ちる。消えそうに弱々しく火がぐらぐらと赤い色を点滅させて、あちらにこちらに動いている。こうやってさっきも消えたんだったっけ。そう思いながら、次の火種をくべようか、このまま消してしまおうか、イライラしていると火がぼうっとあたりに燃え移った。
バスの中、都会を離れるバスの窓に自分が映る。
彼の音楽を初めて耳にした頃、年下だった私は、死んだ彼の歳を10以上超えた。けれど、世界は私が此処に居る事をほとんど知らない。
構わずに。
私は燃え続け、音楽は続いている。