【005】FANTASY CLUB
お話を伺った相手:さちさん
職業DJのスケジュールを見ていると、夜やって翌日も夜やってその翌日昼やって…体力どうなってんの?とびっくりすることがありますが、演者を上回る勢いのすこやかな体力で「おもしろそう」なイベントに行きまくっているさちさん。京阪神在住の筈なのに、東京で頻繁にお見掛けしています。
最近はアイドルもまめにチェックしておられて時間配分どうされてるのか本当に謎なさちさん、SMtown開催に合わせて上京してこられたところを強引に捕まえてお話を聞いてきました。
「よくラジオとかYouTubeとか人の声流し聞きながら寝てて、星野源のオールナイトニッポン聞きながら寝る時期あったんですけど、ゲストがtofubeatsの回でハードオフビーツの話をしてて」
「YouTubeで動画見たら、このやたら喋るokadadaさんという人何者なんだと京都メトロのHOMESICKというイベントへ行きました」
「オールナイトやったんですよ。オールナイトのイベントは行ったことあったんですけど、観たいバンドとかアーティストを観たら帰ってたんですよ。やからオカダさんが観れたら帰ろうと思ってて」
「その日のHOMESICKて、MATSUMOTO HISATAAKAAさんとオカダさんの二人会みたいなんで、一時間ずつ松本さんオカダさん交互にやるみたいなセットリストやったと思う」
「今から考えたら絶対最初から最後までおるべき激アツなイベントなんですけど、受付の人に『このイベントって何時までですか』て聞いたら、お姉さんが笑いながら『多分朝までです』」
「朝までか…いややな…と思って、松本さんが終わって岡田さんが1時間やって、その後松本さんに変わったからおしまいやと思って帰ったんですよ。序盤の序盤で帰ったから、めちゃくちゃもったいないことをしたんですけど、でもめちゃめちゃ楽しかったです。ヒップホップしばりでレコードだけでまわすみたいなレア回で」
「tofubeatsは存在は知ってて、若いのにすごい子やなと、『神戸の人』くらいの印象しかなくて、オールナイトニッポンにゲストで出てた時がちょうど『FANTASY CLUB』出した時やって、聴いたら『こっち側来たやないか!』」
「実家で好きな音楽聴いてたら親から『そんな暗い曲ばっかり聞かんといて』と言われるくらい内省的な音楽が好きなので」
「Anthem_ageHaで全部見てるんですよ。長谷川白紙も初めて観たしパソコン音楽クラブも、パーゴルさんとか国士無双とかも」
「Dancinthruthenightsをどうしても見たくて。ダンシンの動画をひたすらTwitterで検索して全部見て『なんて楽しそうなんや』」
(アンセムアゲハは総集編みたいな風に言われていたけど)
「私はあの時全員初めて見る感じやったから。全員初めてで全員楽しかった」
「(ハードオフビーツでのokadadaさん)tofubeatsより喋ってましたよ」
「音楽より喋ってる内容をきっかけに好きになることが多い。オカダさんもやしイノタクさんも朝食コロシアムで『無理だよ~』『普段料理してないもん~』て言うてるの見て『何このかわいいおっさん…』て思って。あれはほんま新規ファン獲得番組」
「スキズは(Twitterに貼られた)MAMA2020『VICTORYSONG』の映像で、火噴きながら剣舞してるやつ見ておもろいな~て」
「ほぼヴィジュアル系なんですよ」
「ヴィジュアル系は世代ですね。GLAYとかラルク(L'Arc〜en〜Ciel)とかめっちゃ流行ってて」
「エヴァもそうやし、その辺ってバトルロワイヤルとかとにかく皆殺し系のが流行ってたんです」
(「初めて意識的に買った音源」が「MALICE MIZERのライブビデオ」で)
「親に『高校になったらライブ行っていいよ』言われてて、その期間にGACKTが失踪したりして、MALICE MIZERは生で観れてないんですよ」
「MALICE MIZERの曲とかエレクトーンの発表会でやったんです。エレクトーンの先生ばり怖くて嫌いでしたけど、耳コピで楽譜作ってくれて」
「大学生の頃入った軽音サークルが妙に尖ってて『ナンバガとミッシェルとブランキー以外は邦楽じゃないから聴くな』みたいな」
「ナンバガ異常に好きな先輩が居て会うたびに『ナンバガのコピーバンドやろうや…』て言われてて」
「当時付き合ってたひとが変な人で、デートで難波のベアーズのノイズメーデー行ったり。JOJO広重とかマゾンナとか。最後JOJO広重がスタンガン持って客席にウワーッて」
「関西の音楽が盛んやった『関西ゼロ世代』…新世界にブリッジていう、フェスティバルゲートにあるライブハウスがメッカみたいになってましたよ。おもしろ廃墟」
「(昔の関西は)ベアーズが一番いかれてましたね」
「(韓国のクラブ)江南のとか行ったことないけど、新都市めっちゃおもしろかったですね。ほんまアングラを煮詰めたような…雰囲気がわけわからんDIY」
「クラブへ遊びに行ってると『ぼく主催してるんだ』みたいに話しかけてくる奴居ませんか。チャラい奴やな思ってたら意外と面白いイベント組んでる人で、ほんまに遊びに行ったりとか」
「京都メトロはコロナ前にビンゴさんていうブッキングの人が居て、その人が激アツなイベント組んでて…ビンゴさんどこ行ったんやろ」
「(関西)もうSEKITOVA君も居ないし(パソコン音楽クラブの)西山君も居ないし、tofubeatsすらも関東へ行ってしまったし」
「(客もスタッフも)コロナで離れてしまった人が多すぎる」
「コロナ前にオカダさんの現場めっちゃ行ってて、絶対にこれ永遠に続かへんやろな今のうちに行かな、と思ってたらほんまにコロナ(禍)になったんで、予知能力あったわ…」
「そういう(熱心に観に行く)のはこの時期しかないんよなという」
うまく入れ込めなかったのですが
「関西は今、フェーダーがあるし」
「(音が好きなハコ)ソーコアは音がめっちゃいい」
ていう話も良かったです。関西、知らない間にどんどん変わっている。
以下、余談です。
自分は大昔に仕事で使用して以来「バランスが変すぎておもろい」という理由で「プラマーク」をSNSのアイコンに使っているのですが、今回さちさんに「そのマークを使ってるの、『Plastic Tree』のファンだからだと思ってました。ほらスタッフのアイコンがこれ」と見せられたのが「プラマーク」だったのでめちゃくちゃ笑いました。全くヴィジュアル系を通っていないせいで存じ上げずすみません…。
「このくだり、絶対書いてくださいよ!」と笑顔で念押しされたので書きました。たのしかったです。
(2024年2月某日・初台のイタリアンにて)