「靴のサイズ、合っていますか?」
こんにちは、自称「日本一の靴屋」、ゲットゴーイングです。
今回は靴のサイズについて書いていきます。
皆さま、自分の足のサイズを正確に把握していますか??
あくまで私の持論ですが、おそらく日本人の8割は
自分の足のサイズを間違っていると思っています。
(自分の足の形、合う靴も含めてですが)
日本人の男性、特に中高年の方は、自分の足を甲高幅広と言います。
でも実際見ると、特にそうでない事が多いです。
(もちろん本当に甲高幅広の方もいらっしゃいますが)
むしろ欧米人に比べると甲は低いですが、なぜかみんな甲高幅広になりたがります。
おそらくですが、「楽に履きたい」意識が強すぎるのか、「自分に合う靴選びが大変」と思いの現れかな、と。
足には片足28個、両足で56個もの骨があります。
全身でも200個ぐらいですので、およそ4分の1が足に集まっています。それほど、足は繊細な部位なんです!
例えば、靴の中に小石が1つ入っているだけで、妙に不快感が出ますよね。
足裏の感覚は、それぐらい精度が高いものなんです。
足は繊細である、という事をしっかりと認識していただき、きちんと作られている靴を、正しいサイズで履く意識を持っていただければと思います!!
と毎回前段が長いので、本題に入ります。
実際にどう靴を選ぶのが良いのでしょうか?
結論から書くと、3点あります。
①少しキツめに感じる靴を選ぶ
②正しい試着の仕方を覚える
③カカトが合わない靴は気に入っても買わない
①少しキツめに感じる靴を選ぶ
よく「靴は夕方に履くべし!」と言われます。
夕方は足がむくんでいるから、一番足が大きい時に合わせる、という事ですが、これは明らかに間違いです。
足がむくんだ時に靴を合わせると、どうしても靴は大きいサイズになってしまい、せっかくのフィッティングも全く意味がありません。
「きちんとしたサイズを選び、足がむくんだ時は窮屈に感じる」
これを意識して、足がむくんでいない時に靴は試着してください。
ちなみに足がむくむのは、足のポンプ機能が働いていないのが原因です。
長時間座っていたり、慢性的な運動不足の方は、むくみやすい体質になります。
足のポンプ機能が働くと改善されますので、まっすぐ立って、しっかりと歩く、これが一番効果的です。
そのためにも、正しいサイズを・・(略)
もう1つ、このサイズ選びで重要なのは、
「キツいと痛いは違う」
という事です。
スニーカーは全体が緩衝材のようなものなので、大きいサイズを雑に履いて、中で足が動いても、痛くはなりにくいです。
(足には悪い事なんですけどね、、、)
一方、革靴やパンプスなどはそうではありません。
ここで重要なのは、少しキツい、という感覚をしっかり見極める、ということです。
感覚的なもので、言葉にするのは難しいですが、
自分の手で足をぐっと掴んだぐらいのキツさが目安にはなります。
痛い靴は、そのまま歩いたら確実に膝や腰に悪影響が出ます。
ただ同じくらい、緩い靴も悪影響がある、と覚えておいてください。
ではこのキツいと痛いをどう見極めるか、
それが次の章になります。
②正しい試着の仕方を覚える
多くの方は、売り場で座りながら靴を試着して、
その場で立ち上がり、少しウロウロする程度で判断します。
シューフィッターの方が丁寧に見てくれる売り場もありますが、
ほとんどは自分で最終的に判断していませんか?
(セレクトショップなどは、店員さんが靴の素人なので論外です)
では正しい靴の試着について説明します。
【Point① 試着は必ず両足する】
人によって、左右でサイズが異なる方も結構いらっしゃいます。手間と思わず、必ず両足で試着してください。
【Point② 最低5分から10分ぐらいは履く】
試着してその場を歩く、だけではキツいのか痛いのか、が分かりません。
最低でも5分から10分ぐらい履いていくと、最初少しキツいかなと思ったサイズでも、馴染んでいく事が分かります。
ただし明らかに痛い場合は、ハーフサイズ上に変更してください。
ちなみに私の靴屋では、1Day Trialという、試着サンプルをお客様に一日履いていただくサービスをご提供しています(ここ、重要です(笑) )
【Point③ 歩く、しゃがむ、片足立ちを繰り返す】
実際に足に靴を馴染ませるために、しっかりと足を動かす必要があります。
ただほとんどの方は、ただ歩くのみ、です。
そうではなく、しっかりと足にフィットしているかを確認するためにも、しゃがむ、片足立ち(30秒ぐらい)を取り入れてみてください。
(※ただし、これは必ず店員さんに許可をもらってから行ってください)
・しゃがむ → カカトのフィット感の確認
・片足立ち → 片足に体重が乗り、より靴のフィット感が分かる
ちなみにシワが入れないように、というだけで試着用の靴が無い靴屋さんでは絶対に買わないでください。
③カカトが合わない靴は気に入っても買わない
革靴はカカトが命です。
表にどんな革を使っていても、どんなに有名なブランドであっても、
そして、貴方がその靴をとても気に入ったとしても、カカトが全く合わなければ、絶対に買わないでください。
(ヒールパットなどで補う事も出来ますが・・・)
それぐらい、カカトのフィット感を大切にしてください。
例えば靴紐の場合、靴紐を解いた状態でも、ある程度カカトが付いてくる
ぐらいがちょうどいいです。
(これで抜けると、カカトが緩い可能性があります)
逆に安い靴でも自分のカカトにフィットすれば、それは貴方にとって「良い靴」である可能性があります。
それではなぜカカトが大事なのか?
それは、立つ時にはカカトに重心が乗っている状態が
本来の姿だからです。
私のウォーキングの先生である、岡本先生が提唱されている
「プライマリーウォーキング」をぜひ読んでみてください。
立ち方、歩き方の概念が吹っ飛ぶと思いますよ!
(もちろんセミナーに参加する方が、より良いです!!)
歩く時に、カカトに体重が乗っていなければ、足のスネや膝に余計な力がかかり、結果として変な姿勢になったり、関節を傷める原因となります。そして、足自体にも負荷がかかり、靴擦れや外反母趾などに繋がっていきます。
最後に、クリスチャン・ディオールの言葉をご紹介します。
「靴選びにはもっと慎重になるべきだね。ほとんどの女性がそんなに大事ではないと思っているようだけれど、エレガントな女性というのはその足もとから生まれるものだ」
女性に限らず、老若男女すべての人が、靴選びをもっと慎重にして、
素敵な靴ライフを送っていただきたいと思います。
長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
「出かける準備は出来ているか?」
ゲットゴーイング