モノの価値とは?
先日開催しましたポップアップイベントにて、大阪の本町にあるレザーショップ、スナワチの前田ショータさんとトークイベントをしてきました。
その時話した内容を、前田さんがコラムにしてくれています。前後半ありますが、かなり面白い内容だと思いますので、ぜひご覧ください!
(前半)
(後半)
2人の持ち物自慢から始まり、色々なお話をさせていただきましたが、それはぜひコラムでお読みください(笑)
このトークイベントの中でも、一番最初に話したのが、今回のテーマである「モノの価値とは?」という事です。
モノの価値、分かっていますか?
現代は本当に物的に豊かになりました。お金さえあれば、大体のモノは手に入れる事が出来ます。
アパレルにおいても、ひと昔は「クソほどダサい」人が結構いました。しかし、今はまあまあ皆さん「オシャレ」です。
でもモノや情報が溢れるにつれて、本来持っている「モノの価値」がどんどん失われていっているように感じます。
そもそも、モノの価値ってなんでしょう?
モノか道具か?
「モノの価値」というのは、買うまでは「モノだけの価値」でしかありません。しかし、それを「道具」として使っていくと、「その人だけの価値」が生まれてきます。
例えば、私が販売しているGrant Stoneという革靴。
販売する者として、どうしても「この靴のコダワリは、うんたらかんたら」と言わざるを得ないところはあります。
しかし所詮、靴は靴でしかありません。
靴屋が言っちゃおしめぇよっ、って台詞ですが、事実なので仕方ありません。でも、その「たかが靴」に情熱を持って取り組む人たちがいて、その情熱に絆されて販売を決意した私のような人間もいます。
靴を買って、キレイに磨いて飾って終わり
これでは、どれだけ良い靴を買ったとしても、「モノだけの価値」は生み出されません。せいぜい、SNSやブログの閲覧者が増える程度です。
でも、靴は本来「歩くための道具」なのです。
「見た目はカッコいいけど、歩いたら疲れる」
それはモノだけの価値としては良いかもしれませんが、道具としては失格です。
「靴を履いて、外に出かけてどういう経験をするか」
その積み重ねにより、モノは道具へと変わり、その人だけの価値が生まれてくるのです。
Grant Stoneのコピー「出かける準備は出来ているか?」は、そんな想いも込めて付けています。
(良いコピーだなぁ)
ヒト・コト・トキを紡ぐ
「モノ消費からコト消費、トキ消費へ」
こんな事が言われるようになったのが、まさに「モノの価値」を見失っている証拠です。
モノを道具として使うと新たな価値が生まれてくる、と先述しましたが、そもそも道具として使う以上、その「目的」があるわけです。
この目的ってやつがミソで、こういう日々の準備が積み重なって、「記憶」へと昇華されていきます。
・今日は誰々に会うから、この服にしよう
・ここぞという時の勝負ネクタイ
・旅行に行くときには、いつも使うバッグ
こんなモノに対する思いは、大小あれど皆さん1つぐらいはあると思います。
「そのモノを見れば、過去の記憶が呼び起こされる」
モノと良い付き合い方をしていれば、別にヒト・コト・トキと別々に消費する事もなく、これらの記憶を紡いでくれますよ
Coachショルダーバッグ(10年モノ)
タシナム、という事
最後に、この前のイベントは「タシナム+タノシム」という名前にしました(トップの画像がそのチラシです)
私はこのタシナム(嗜む)という言葉が好きで、それは先述した「モノが道具に変わる」事だと考えています。
別に新しいモノを買う必要はありません。今持っているモノを、1つでも「道具」に変えて、長く愛してみませんか?
そうすれば、本来の「モノの価値」が見えてきて、嗜みが楽しくなってきますよ。
「出かける準備は出来ているか?」
合同会社ゲットゴーイング