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バリバリ最強No1

どうも。

KONGです。

『自分に特別な能力があったらいいのに』なんて思った事ありませんか?

今回は、遡ること数十年前のKONGが昔バイトをしていたコンビニでのお話・・・。

週2〜3の頻度でお店に現れては、いつもラーメンを買って帰るおじさんがいた。

人当たりも良く、KONGが働き出した時にはすでに常連さんで、買ったラーメンは毎回その場でお湯を入れて帰るのが、そのおじさんのルーティーンだった。

そしてそのおじさんは、人と少し違った能力を持っていた。

それはね。

『左手がメッチャ強い』

腕力なのか、握力なのか、そこまでは知らない。

ただ、

そのおじさんが買って帰るラーメンは『カップ麺』ではなく『袋麺』なのだ。

熱々の熱湯を入れた袋麺に注ぐ。

初めて見かけた時は思わず、横にいた店長に

「あれは…大丈夫なんですか?」

と、聞いてしまうほど

「あの人は毎回あーやって帰るんだ。」

そして

「『左手が強い』みたいだよ。」


と、和かに教えてくれた。

とんでもない熱耐性をもっている左手。

お湯を入れた後その熱々袋麺の口を摘んでチャリに乗って帰る。

その姿は、ジャイアンのお母さんがジャイアンの耳を摘んで帰るような貫禄を纏っていた。

しかし『左手が強い』のは熱耐性だけではなかった。

実はそのおじさんは、自転車のスタンドを降ろす際も左手でスタンドを降ろすのだ。

誰もが足で蹴って下すバネ部分。
万が一、バネの部分に手を挟んだら大怪我にも繋がるかもしれない部分も左手で下すのだ。

まるで川縁で熊が鮭を獲る如く。

その様子を見ていたKONGに、おじさんが手をブラブラさせながら一言。

「俺、左手が強いんだ。」


その姿は、スラムダンクの山王戦の序盤でスリーポイントを決めた三井寿が手首をブラブラさせ、

「今日の三井寿はいいぜ…山王よ…」

と、言わんばかりの動きから

『実際チョット痛いんじゃねぇの?』

なんて、質問は出来る筈もなく…

とはいえ普通はなかなか出来る技ではないのは確かで、
自他共に認める『左手の強さ』を目の当たりにしたKONGだった。

が!!

その日事件が起こった。

いつも通り、

袋麺にお湯に入れて帰る。

顔色ひとつ変えず。

何せ『左手が強い』から。

自動ドアが閉まる時に

『バシャン!』

と、水風船が破裂したような音が聞こえてきた。

予想した通り袋麺が無惨にチャリの横に放たれていた。

「大丈夫ですか?」

と、声がけをするも、

「ごめんね!チョット滑ったんだ!」


と、答えが返ってくる。

どうやら左手の指の力は人並みだったらしい。

その後、謝りながらも足で散乱した麺を集めているが、左手をブラブラさせている。

この動きは、入店前に見せた動き。

まさか『ブラブラ』は絶好調の合図ではなくて、痛みの意識を誤魔化す為の動きなのか…。

冷やしたりしなくていいのか?

『左手が強い』と知られてしまった選手の宿命なのか?

そもそも『左手が強い』ってなんなんだ?

謎は深まる一方だが、おじさんはチャリでそのまま帰って行った。

自転車のスタンドを上げる時は右足で上げて。

その事件からも、おじさんは同じように袋麺を買って返っていた。

今頃は右手も強くなっているかもしれない。。

ん?

なんでこんな話をしたかって?

見たんだよ。

同じようにチャリのスタンドを手で閉じているおじさんを。

それでは!

また!

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