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【KONG】未知への冒険

毎朝、乗車率90%ぐらいの電車で移動しているKONGです。

今日もいつも通りの電車に乗り、いつもと同じぐらいの乗車率でしたが、車内の雰囲気はいつもと違っていました。

それは乗車したドアの反対側で、小学生6人組が顔を向き合わせながら超小さい円になって乗っていた事。

高校生とかは見るが小学生がいるのは珍しく、ちょっと早い春休みか何かの振替休日か?                  男児3人、女児3人がシーンとした車内で大人達に囲まれてソワソワしていたのです。

私は人が少ないスペースが彼等の前しかなかったので仕方なくそこに立ちました。

すると

「……やばいやばい、電車ってこんなに混んでるの?(ヒソヒソ)
これじゃあ密すぎる…次の駅でみんな少し間隔を開けよ?…人が降りる時に全員一歩下がって少し広がろう?いい?(ヒソヒソ)」

黙ってコクンと頷く5人。

『誰にも悟られないようにやらなきゃ』って気持ちからなのか少し俯いていましたが、『ミッションは必ず成功させる』といわんばかりに目はギラギラしていました。

私は平然とつり革に捕まり立っていましたが、

内心

『ちょい…。

まて…。

一人一歩だと…?

俺を中心に【かごめかごめ】でも始める気かよ…。』

と、
この車内で彼らの次に私がソワソワしはじめました。

そんな彼らとKONGを乗せた電車は進み、

一人が

「あれ…電車が…遅くなってる…?」

と窓をみながら言いました。

(そう、この時間帯は電車と電車の間隔調整の為徐行する時が多いんだ。)
 
「まさか…人身事故……人がホームにいるんじゃ…。」
「えっ…うそぉ…」

と、会話がはじまり、

心の中で
『人がホームにいるのは当たり前だ。
いたら大変なのは線路だ!』
とツッコミを入れたと同時に

男の子が
「あ…次の駅…0番線があるんだって…。『絶対乗らないように』ってママが言ってた…。」

「え、マジで?」

全員が窓に顔を近づけ

「え…今見える?0番線…。」

と、ゆっくりと進む電車から必死に0番線を探し始めました。

再び心の中で
『君たち、0番は普通にある!!
怪奇現象じゃねぇんだ!
ママが乗るなって行ったのは、多分この電車と走る方向が違うからだ!
そして、反対側だ!!
誰か気付け!反対側だ!!』

と念を飛ばしていたら、電車はさりげなく次の駅に到着…。

止まった電車を気にせず窓から覗くように0番線を探している彼ら…。

『おい!!
誰か気付け!!
反対側を見ろ!!
つーか…ミッションはどーした!!』

と、念を飛ばすが届かず…。 

そのまま誰一人気付かないまま電車が走りだしてしまったので、彼らがあまり密にならないようにKONGが壁になりスペースを確保した。

ミッションすら忘れて、走り出した様子を窓から見ていた一人が呑気に

「お、ようやく走り出した。」

と言っている。

『こいつらどこ行くんだ?』

と思った瞬間、一人が
「なんか疲れたね。でももう少しだよ!」

チームに励ましの言葉をかけていた。

「あと少しだと思うよ…下北沢…。」

ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ下北沢?!

『あと40分以上だぞ…。

一体君たちはどっから乗ってきた…。

おじさんは次の駅で降りるぞ…。
同時にこの壁はなくなり、人の波が押し寄せるかもしれないが…。
負けるなよ…。』

と、愉快な6人組の下北沢までの大冒険を見届ける事が出来ないのが心残りだったが、たった3駅同乗した彼等を見て

『こんな時代あったなぁ』

と思いながら電車を降りた。

大人になって行動範囲が広がり選択肢は増えたけど、知らないことだらけで【毎日が未知への冒険】って感じのドキドキは減ったなぁ。

と思いながら今日も一日過ごします。

お付き合いありがとうございました。

では、

また来週!!

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