恐怖体験〜その日から俺は…〜
どうも。
KONG稲川です。
さぁ夏しか出来ないこんな話。
今日はKONGが体験した、忘れたくても忘れられない話をお届け。
高校生時代。
KONGは父親が単身赴任だった為、母が父の家に行く為に泊まりがけで出かける事も良くあった。
姉は、高校卒業後すぐに一人立ちをしていたのでその日はKONGが家に1人だけ。
仲の良い友人達も割と自由に遊べていたので、夜に遊ぶ事も珍しくはなかった。
しかしなぜか、
その日は誰からも誘いはなく、
そしてこちらから誰かに連絡する事もなく、
一人で家でのんびり過ごしていた。
23時を過ぎた辺り。
お風呂から出たKONGは、寝室に向かった。
寝室と言っても姉の部屋。
姉の部屋にはアップライトのピアノが置かれていたが、ドラムの練習セットやらなんやらで、布団一枚敷くだけでいっぱいだったKONGの部屋よりは遥かに綺麗だった。
しかもテレビもある。
布団に入り、テレビをつけたまま数分後にはウトウトと眠りにつき・・・夢を見た。
ーーーーー
夢の中のKONGは全速力で走っており、
何度も何度も後ろを振り返りながら、何かから逃げている。
追いかけてくるのは…
喪服姿のショートカットの女性。
KONGはアパートの2階にある自宅へ逃げ込む為に、階段を駆け上がっていた。
ふと気になって吹き抜けになっている踊り場から下を確認すると
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
喪服の女性が、アパートの壁を這いながら登って来ている。
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
蜘蛛のような姿勢で壁を登りながら、
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
しかし女性はKONGの方には向かって来ず、自宅のお風呂にある、10センチ程だけ下が開く窓の前で止まった。
そして窓をほんの少しだけ窓を開けると・・・
グイグイとねじ込むように、無理やり頭を突っ込みだした。
そこでKONGは、不思議なことにこう思った。
「家で寝ている俺が、、危ない」
KONGは再び踊り場から階段を駆け上がると、
自宅の鍵を開け、中に飛び込んだ。
そして寝室で寝ている自分を見つけて
「起きろ!!」
と自分の体を無茶苦茶に揺さぶった。
すると
ーーーーー
ハッ!
目が覚めたKONG。
電気の消えた部屋の中。
放送終了時の砂嵐状態のテレビの光が壁中をチカチカと照らしていた。
「夢か・・・」
寝汗でベトベトした体をさすりながら、そう思っていると
バタン
突然、風呂場の方から物音がした。
この家には今、自分以外誰もいないはず。
泥棒?
いやまさか。
さっきの女?
あれは夢だったはず。
だが、怖がりのKONGは
その場から動く事も出来ず、思わず布団にくるまった。
ギィ〜
バタン。
ギィ〜
バタン。
風呂場の方から、誰かが次々とドアを開けては閉める音が近付いてきた。
な!?
やがてその気配は、この部屋の前までやってきた。
逃げ場はどこにもない。
寝たフリでやり過ごすしかない。
そう思ったKONGは、薄目を開け
横に置いてあるアップライトピアノから反射して見える部屋のドアに目をやると
ドアが開いている。
もういる。
勢いよく立ち上がって、突き飛ばして逃げようか。
そう思った瞬間、
グイッと
肩を掴まれ
体を反転させられたら
目の前には、大きく口を開けた女性の顔があった。
お恥ずかしい話だが、思わず失禁した。
飛び起きて、家を飛び出し、チャリに乗り、とにかく逃げた。
携帯も持って出なかったので、
部屋から電気が付いている友人の家に小石を投げて呼び出しては、
事情を話し、2人の友人とKONG家に戻った。
『泥棒だったら?』
という可能性もあったから3人で慎重に家に入る。
何も変わった所はない。
金銭も何も取られてない。
襖や隠れられそうな場所も全部開けたが、誰もいない。
ただ、風呂場の窓の下に設置していたシャンプーやらが
ボーリングでもされたかのように散らばっていた。
あれは、
お風呂の神様だったのかもしれません。
その日から俺は
お風呂を綺麗に使ってます。
それでは!
また!