KONGとベンチで小話でも
今日も電車に揺られながら指を動かす火曜日のKONGです。
なんて言っている場合ではないんだ。
なぜなら、今この車内に…
何かが飛んでいる。。
蝶のようにヒラヒラと舞っているが、華やかではなく、少し野性的な印象のフォルムをしている。
大きさは500円玉ぐらいだろう。
とりあえず、奴を
『モスラ』
と、名付けよう。
そして、絶対俺の方に来ると思ったらやっぱり。。
ぅぅ…。
きたー!!!!
しかし、そんな時でも慌てない。
素手で捕まえて、そっと外に逃がす『ワイルド』で『ダンディー』で『ピースフル』な男の姿を見せつけようと手を伸ばしたら、見事に空振り。
つり革をつかみ損ねた酔っ払いのような空振り。
なんとも恥ずかしい。
このモスラの行方は数名が気にしていて、チラチラ目線で追っているのがわかっていた。
さらに
「どうか…。こっちにはくるなよ…。」
と、他の誰かの心の声も聞こえていた時の空振り…。
モスラの存在に気づいてない人からすれば、
「なんだコイツ…。」
と思わせてしまっただろう…。
だが、今の『セイバースウィング(救世主のひと振り)』が成功していれば、この車両には、平和で日常と変わらない、それはゆったりとした移動時間があっただろう。
ここ最近、いや、ここ数ヵ月前から、事ある毎に思う。
『なんでもないような事が…。幸せだったと思う』
とか、言ってる場合でもない!
まだモスラはこの近くにいるんだ!
だが…
なんなんだ…この車両の人達の落ち着きようは…。
俺と数人はモスラの行方を目で追っているが、それ以外の人は、モスラが頭をかすめても、少し頭を揺らすぐらいの回避しかせず、あとは手元の画面に釘付けだ。
このモスラが毒をもっていたらどうするんだ…。
人間以外の生物の脅威を忘れてはいけない。
俺は今でも鮮明に覚えている。
数年前の北海道でのツアー中に『茶毒蛾』の攻撃を知らない間に受けてしまった、あの時…。
朝目が覚めると、関節が痒くなり、数時間後には
全身こうなってしまったあの頃…。
全身、痛いの痒いのなんの。
ライヴ後なんて汗と体の熱でヒリヒリボンバーだった。
この車両の人々は、よほどの達人、またはポーカーフェイスなのか…。
もしくは…
…心…ここに…あらず……。
( ゚д゚)ハッ!!
まさかこれが今話題の
『無限列車』
なのか…。
皆知らず知らずにモスラの鱗粉にやられてしまい、軽い睡眠状態なのか…。
だとしたら、決着は早めの方がいい。
人前ではやりたくなかったが仕方ない。
全集中…。
野生の呼吸…。
壱ノ型……。
……。
…。
苺潰し!!!!!
……。
指揮者が最後の音を切るかのような空振り。
もう、限界だ…。
周りの人達の視線が痛い…。
最終手段…。
全集中…。
参ノ型…。
…。
途中下車!
ヤツも生きるために必死なのだろう。
だが、理解して欲しかった。
私は君を逃がしたかったんだ…。
などと、降りるハズではなかった駅のホームに座って、パッとしない日常を大袈裟にして、noteの更新している火曜日のKONGでした。
お付き合いありがとうございます。
また来週!!