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青春小説『僕と天使と修学旅行』
どうも。
KONGです。
楽しかった学生時代の中でも、かけがえのない思い出の1ページ。
『修学旅行』。
KONGの修学旅行は、
出発の数ヶ月前、とある人物から夜中に電話が掛かってきた事から始まりました。
知らない番号だった為、
「はい?誰?」 とぞんざいに答えると、
「てめぇ!誰に口聞いてんだよ!」
・・・・・・それは地元でも有名な、怖い先輩から(当時20才ぐらい)だった。
思わず姿勢を正すKONG。
「おいお前、○○って女知ってるか?」
「・・・はい。同じクラスですけど・・・」
その女の子は、クラスで一番可愛いく、小倉優子に似ていることで評判だった。
「そいつ俺のオンナやからな。
今日は、お前を男と見込んで頼みがある。
アイツに他の男が寄り付かんように見張ってくれ。
そして、誰か他の男と喋ったら、その男の名前を逐一報告しろ!」
ええ・・・・・・。
限りなく面倒くさく、恐ろしい電話を取ってしまった。
そこから始まった、地獄の日。
彼女を尾行し、男子と会話をしているのを目撃したらすぐ先輩に報告。
尾行・・・目撃・・・報告・・・
尾行・・・目撃・・・報告・・・
そんなの適当にやっておけばいいじゃんと思うかもしれないが、
先輩は先輩で、彼女に直接確認を取るらしく、
情報の齟齬や漏れがあると、
「てめぇ!!
アイツに聞いたら今日、〇〇と喋ったっ言っとるぞ!!
しっかり報告しろや!!」
と、怒りの電話が掛かってくるのである。
ある日の夜、先輩から、確認漏れを責める電話が掛かってきた。
しかしその日はリアルに目撃していないし、そんな現場はなかったはずなのだ。
その事を伝えると・・・
「英語の授業中、隣の席の男子と
お互いに英文を読み聞かせたらしいやないかッ!!!!」
それは会話じゃねえ。
なんてこった…終わってる…。
ここまで来るともはや何らかの刑である。
そんな監獄のような日々の中で迎えた修学旅行。
行き先は北海道。
初めての雪国。
心躍るクラスメイト達。
メインイベントは『スキー』。
初心者は初心者コースに。
経験者は経験者コースに分かれるのだが、
先輩の彼女の会話をコッソリ聞くと・・・
「え?ウチ?経験者コースよ☆」
なんてこった…。
俺は初心者だぞ…。
KONGの悲惨な状況を知っている少数の友人達に
代わりに彼女のことを見張ってくれないかと相談してみるが、
あいにく全員初心者…。
こうして、
KONG、命懸けの監視。
こんな状況が2日間続いたーーーー。
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ところで、修学旅行といえば、誰もが少しは期待する
『甘酸っぱい告白的なイベント』
と言うものがありますな。
最終夜。
KONGが部屋でみんなで楽しくUNOを楽しんでいると
部屋にクラスの男子が駆け込んできた。
「貝吹くん!女子達が呼んどるよ!」
なぬ!!!!
やはり神様は、俺の頑張りを見ていたのか!
雪国で甘酸っぱい思い出を作っても良いんですね!
外に出ると、そこには女子が複数名おり、一人が手招きをしている。
「おいおい、面倒くせぇ~な~ぁ」
そんな態度で頭をポリポリ掻きながらついて行くと…。
そこにはなんと、例の先輩の彼女が仁王立ちで立っていた。
「あのさ…ウチ…
貝ちゃんが彼氏に色々チクってんの知っとんやけど!!
もう、止めてくれん!?」
…
止めてくれん?
俺の方がそう思ってるっつーーーーーの!!!
しかしどう言い訳しても、情けない行為をしている事は、事実・・・。
KONGはうまく言い返せず・・・ただただ激しくキレられ続けた。
そんなこんなで、結局KONGの修学旅行は、
告白なんて甘酸っぱいものとは真逆の、
クラスの女子に罵倒されると言う結末で終わったのだった。
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そんな地獄の修学旅行から帰った2日後。
また例の先輩から着信が。
「……俺昨日、別れたから!
迷惑かけたな!」
・・・・・・は?
「マジであの女ムカつくし!
未練とか全くねぇし!
じゃあな!」
そう捲し立てると、一方的に電話が切れた。
おいおい。
・・・・返してください・・・俺の修学旅行を!
そう心で叫んだ時、再び携帯が鳴った。
恐る恐る画面を開くと、先輩からのメールだった。
「アドレス変えました。
新しいアドレスはこちらです。
goodbye-angel.@●●●●.ne.jp」
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未練タラタラじゃねえか!!!!!!
それでは、また。