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出禁です。

どうも。

おや?って時に声を出せないKONGです。

最近はキャッシュレス精算が増えて、
現金で支払う場面が少なくなってきていますが、
お釣りが10円少ない時に


「あ、10円足りません」


って、みなさんは言えますか?

KONGは言えません。

これが100円でもKONGは言えません。

逆に100円多くなってた時は言えます。

1円でも言えます。

だってお金を多く渡したらその後、店員さんが怒られそうだから。

不思議なもんだ。

ある日、たまたま立ち寄ったショッピングモールを
フラフラしていたKONG。

店舗には『SALE中』『全品20%off』『2着目以降50%off』等、多くの店舗が

『俺たちの初売りは、まだ終わらない!!』

と言わんばかりに賑わっていた。

そんな中ついついKONGが足を止めてしまうのが、
店頭にあるキャスター付きのハンガーラック。

大きな文字で『¥990』と書かれているのを見つけたKONGは、


「えっ!すご!」


と、思わず服をパタパタと手に取っていった。


「あ、これカッコいい。」

すかさずハンガーラックから取り出したのも束の間、値札の数字が目に入った。

”¥3,500”

思わずフリーズ。

それはまるで地面に刺さった、誰も抜けない剣を抜いた村人Aのようなポーズで。

どういうことだ?

990円コーナーじゃないのか?


「????」


改めてハンガーラック全体を見る。

先ほどの¥990と書いてあるポップをよく見てみると、謎が解けた。

¥990という金額の右隣。

申し訳なさそうな小さい文字で、『〜¥3,990』と書いてあった。

ようするに、¥990〜¥3,990。

ですよね。

通りで安いと思ったよ。

こういう事はたまにある。

過去にそのままレジに持って行った事があるが、その時も「あれ?」なんて言葉は出せないのは想像がつくだろう。

たまに、その時のKONGを表情を見落とさなかった店員さんが

「よろしいでしょうか?」


と、優しいパスを出してくれても、

なぜか 


「勿論です。」


と、動揺しながらも会計を済ましてしまう。

会計後、

「僕ちゃんまだ欲しいものあるんでおますよぉ〜」

もしくは、

「アチキは満足しとるけども、ただ時間潰してますよぉ〜」

的なオーラを出しながら同じコーナーに向かい、女性をエスコートする紳士のように、さり気なく店内のポップを確認すると、

"〜¥2,990"や、"表示価格は割引後のお値段です"を見落としていた事に気づく。

だが、もう遅い。

「おや?」と感じても何も言えないKONGは、SALE品に関して、何か裏があるんじゃないか?と、かなり用心深くなっている。


さて、遡ること数日前。

雑貨屋を徘徊していたKONGは『SALE中』とデカデカと描かれたワゴンを発見し、その中には丁度KONGが欲しかった大きさの箱があった。

ドラム機材の小物を纏めるにちょうど良さそうな箱。

ワゴンのポップには"ALL1000円"

と、記されていたが用心深いKONGは値札をチラッとみる。

そこにはナンと値段がかかれてないのだ。
 

『一部対象外あり』

とも、何も記されていない。


「店員さんに聞けばいいじゃない。」

そう思った人もいるかもしれないが、

そんな事、店員さんに聞けるわけがない。


「これって全部1000円なんですか?」

「いや、そう書いてあるがな!!!このゴリラ!!」


って思われたら泣いちゃうからだ。

結局、店員さんに確認する事はないまま、色とりどりの箱が入っているワゴンを探った。


「この色いいなぁ〜グフフフフ」


「あ、こっちの色もいいなぁ〜デヘヘヘヘ」


ゴソゴソしながら、その中で一つだけ一回り大きい箱を一つ見つけたKONG。


「こ、こ、これは!!!!

なんて丁度いいんだ!!

理想通りの箱を見つけてしまった!!」


財宝の中からランプを見つけたアラジンもこんな気持ちだったんだろう。

用心深いKONGは値札も確認するが、コチラも記載はされていない。

ALL1,000円のワゴンに入っているんだ。

1,000円に決まってるさ・・・。

レジに向かい、会計を行う。

(ピッ)

「お会計1800円ですね!」

目が丸くなる。

頭の中も真っ白だ。

もう何を信じたらいいんだ。

黙って会計を済まそうと思ったが、この日のKONGは今までとは一味違った。

意を決して店員さんに一言告げる。

(ドキドキ)

「お金足りませんでした。」

「………。」

そう。

開いた財布には1500円しかなかった。

現金主義のKONGは手持ちが全て。

少し困った顔した店員さんが言う。

「こちらの商品はいかがしますか?」

(この箱とは縁がなかったんだ)

「私が戻します!」

全力のアフターケア。

根っからの紳士。

「あ、いえ、こちらでやりますのでお気になさらず。」

もう、商品すら触らせてくれぬのか!!!!


肩を落として店を出る姿を見ながら、

「あの人、コレ買えなかったのよ。」

「いったい何しに来たのかしら?」

「箱に話かけてたわよ。」


聞こえるぞ心の声が、、、

こうしてKONGは特殊能力『セルフ出禁』が発動し、2度とこの店に行けなくなるのでした。

それでは。

また!

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