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夜逃げか?

どうも。

KONGです。

夏。

もうすぐ夏が来る。

夏といえば……。

さてさて、

上京してから何度も引越しをしてきたKONGだが、20代前半の頃の引っ越しでは『引っ越し業者』に依頼をした事がなかったKONG
(近場への引越しだったのも理由の一つ。)

新居の鍵をもらってから、少しずつ台車に乗せて『1日2往復する』とノルマを決めて運んでいた。

大きい物は、最終日に仲間を集めて大きな車に積んで移動で終了。

ある日、自慢の台車に荷物を積んで移動していた夜22時頃。

ガラガラ音を立てて快調に進む台車で新居に荷物を運んでいたら、おじさんに声を掛けられた。

「お。夜逃げか?」

いいえ、違います。

「大変そうだな。夜逃げだろ?」

そう言いながら歩調を合わせて並走してくるおじさん。

この一対一の状況で無視を続けるのも気持ちが良くないので、

「違いますよ。ただの引越しです。」

そう、面倒くさそうに答える。

が、その答えがNGだったとすぐに気付くKONG。

引越し=今から新居に向かう。

このまま並走していれば新居にオプションで知らないオジサンが付いてくるではないかい!

走って逃げる事も無理なので、一旦足を止めて

「この先どっちに行きますか?」

と、回答を待つと、KONGと反対方向を指したので、そこでお別れをした。

翌日。

昨夜の出来事を、同じ駅に住んでいる先輩に話したら、
「今夜は俺も暇だから手伝ってやるよ。」
と嬉しい返答が来た。

予定時刻に合流した先輩と台車を押し進める。

とは言え、先輩はただ喋りながら並走しているだけだ。

すると、昨日と同じオジサンがいた。

「お。夜逃げか?」

先輩は伝えていた事が再び起きた事に、笑いながら

「そうだよぉ〜だから邪魔すんなよぉ〜」

するとその返答にオジサンが固まる。

「本当に…夜逃げか?」

すると先輩は

「…しつこいぞ。」


と、年配の人に使って良い言葉ではないがそう言い放つ。

「…なぁ…俺も…逃げてんだよ…」


ここで超絶気になるパワーワードがここで放たれ、思わず先輩も

「え?!何から?」

と、聞いてしまう。

「あの女いつも付いてくるんだよぉ…。」

カオス。

泣きそうな顔でこう続ける。

「俺は家も知られてて…」

「逃げても逃げてもダメなんだよ…」


申し訳ない気持ちになりながらも、これ以上関わるのは嫌な予感がする。

正直怖い。

「俺たち行くわ…。」

と、薄情に伝えた時。

オジサンが目を見開いて、電柱に指を指して


「見ぃぃつけたぁ……」

……。

…。

そこには目を見開いた女。

世間ではこう言う。

メス猫。

……。

こうして、オジサンは肩を落としながら、猫を1匹引き連れて、家がある方向と思われる道を歩いて行ったのでした…。

あのネコの名前は恐らくルナ。
そして、あのオジサンは、昔はタキシード仮面だったのだろう。

え?

腹が立つ?

さぁどうぞ言ってくださいよ。

『月に変わってお仕置きよ!!!』

それでは!

また!


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