「単なるブーム」で終わらせないために!押し引き力が上がる【点数状況のあるリーチ対応】厳選3問
今週、話題の中心となったのは、
この何切るでした。
※こちらの解説は全て無料部分にあるので、ぜひ読んでいってください。ちなみに、牌譜主さんにもお声がけをさせていただきました。
状況を説明すると、こちらには1-4p待ちのテンパイが入りましたが、対面からリーチが入っていて一発目になっている、というものです。
点数状況は、
こんな感じですね。
私は、こうつぶやきました。
リーチ優位、という意見ですね。
そこへ、
8pを切る、というダブル天鳳位が現れました。
…兄弟ゲンカや!!
というわけではありませんが、見事に意見が割れてしまいました。
他にも、皆さんそれぞれの主張、意見、感想がタイムラインを埋め尽くしていました。
せっかく色んな方が思考をめぐらせたこともあって、まずは、この盤面を少し深掘りしてみようと思います。
まず、3p切りリーチ派の軸は「リャンメンなら基本的にリーチ」ということでしょう。
3枚切れていて残り5枚ですが、
下家は持っていなさそうなので、そこまで「悪い」と気にしすぎることはないかと思います。
平場なら断然リーチなんですよね。
点数を丸くしたNAGA解析は、
こうなります。
リーチしてアガれば、最低でもリーチ棒と供託込みで2600点の収入。待ちとしても分が悪いとまではいかないでしょうから、通常はリーチです。
こういうのも大事なのですが、「フラットなのに追っかけるのが嫌な人はビビリ過ぎ」です。
あとでもまた話しますが、今回トレンドになった際どい何切るを「微差なんだ」と理解するメリットは、その「微差のラインを基準として活用する」ことで「大差の選択を間違えなくなる」ことです。
今回、点数状況なしでも、残り5枚で追っかけリーチをすることに抵抗を覚えた人は、ワンランク自分の麻雀を高めるチャンスですね。修正していきましょう。
しかし、もちろん今回は点数状況があります。
相手はラス目のリーチです。やはり放銃したくはないですよね。
ただ、私は「有利なリーチ判断を覆すほどではない」と考えます。
まだ、東3局ですからね。下とも接戦なのでアガればそこそこトップ率は上昇しますし、逆に放銃しても即ラス目になるというケースは稀です(実際はとんでもない手でしたが、その衝撃から何切るがTwitterに投稿されたと推測します)。
要は、
・5枚待ち追っかけなので、だいたいリーチしても勝って、その際は有利。
・放銃しても、悲惨なことにはならずに東4局になる。
といった感じです。
細かい数字を使わず、ざっくり説明していますが、実戦で持ってこれる引き出し、考え方としてはこのくらいの詰め方がいいかとも思います。
データ的な側面を追求したい方は、その道の人に聞いてみてくださいね。
他にも細かい点では、対面が9m切りリーチなのでドラそばの愚形テンパイ率も少し上がっていること、放銃しても3着目の上家の親が落ちるのでめちゃくちゃ悪くはないこと、なども要素もありますね。
麻雀AI『NAGA』のニシキタイプは、
こうなって、
mortalは、
こんな感じです。
「まぁリーチですね」といった風情です。
ちなみに、
リーチするなら打3pがいいですね。
打3pダマもなくはないですが、あまりオススメしません。そのあとの分岐が高度だからですね。
3p8pの現物2枚状態になるので、オリることも出来ます。また、好形テンパイは維持出来るので、思い直してリーチに踏み切ることも可能です。このあたりを踏まえた選択を、毎巡考えていかないといけませんからね。
ただ、対面をはじめとする他家から出てくる1pを逃すのはなかなか罪深いですし、一発で無筋3pを打つリスクを負うのなら、リターンを得るためにリーチをすることをオススメします。
今、「一発で無筋の3pを打つリスク」と表現しましたが、そのリスクを負わないようにオリる選択が打8pです。
先に、「極力めくり合いを避ける」NAGAのタイプ、ガンマの解析を紹介すると、
こんな感じになっています。
牌の上のバーを見ると、「8p切りのオリ」が60%くらい。「3p切りのダマ」が40%くらい。といった解析ですね。これを見ても、3p切りダマも選択肢としてはあることが分かります。
mortalも、
打8p、打3pともに選択肢としては存在することを示しています。あれだけ議論が盛り上がったことを考えても、○○一択ということはないですね。
打8pは、テンパイやアガリを諦めて、ひたすらそのあとの「瞬間的に一番安全な牌を切る」ムーブへと移行することになります。「気合いオリ」とも言われますね。
現物が1枚しかないので、このまま何も場に数牌が通らなければ、
アンコの1sを切ることになります。
では、無筋の数をカウントすることで、1sの放銃率を概算してみましょう。
対面はパッと見、6-9m、5-8p、3-6s、6-9sの4筋が通っています。
さらに、6-9pはノーチャンス。これで5筋。
また、リーチ前に6sが早く飛んでいることから、 4-7s 5-8sは通りやすくなっています。合わせて1筋くらいで考えていいでしょう。
合計6筋。全部で筋は18本あるので、残り12本です。
よって、無筋1本分である1sが、リャンメンに放銃する確立は12分の1≒8.3%。
さらには、リーチがカンチャンやシャンポンの可能性もあるので、「リャンメンか3枚見えの単騎にしか当たらない」1sはもっと放銃率が下がるでしょう。このへんは私の感覚にもなりますが、概ね6%くらいでしょう。
94%通る1sを切れば3巡凌げて、さらに他の情報が場に出れば、局トータルとしてかなりオリやすくなります。通っていない筋が多いため、他家2人が新たな無筋を開拓してくれる可能性も高いですからね。もちろん、リーチ者もオールツモ切りです。手詰まる可能性は相当低そうです。
点数状況を考えても、
自分は微差ながらトップ目。ラス目に放銃しないに越したことはありません。
加点チャンスを諦めることになりますが、マイナスはかなり小さく抑えられそうです。
ここまで聞いて、打3pリーチ派の方、どうですか?
打8pも悪くないですよね?
ちょっとのリターンをまぁまぁ取れるかわりに、大怪我をすることもちょこちょこある打3pリーチと、
放銃する可能性は0でないうえ、リターンを放棄してこの局は確実にマイナスとなるものの、そのマイナスを極力小さくして優位性を守ろうとする打8p。
ベクトルが違うので、比較は難しいですね。
打8pには、他家の挙動なども含めて「そのあときちんとベタオリする能力」が必要という条件はありますが(こういう分岐があるから、ベタオリがきちんと出来る能力も大事)、十分有力でしょう。
最初は80:20くらいでリーチ有利という見解でしたが、今は60:40くらいで打3pリーチがいいかなと思っています。
「こんだけ長く説明しておいて、どっちもありかよ!!」
とお怒りの方。気持ちは分かりますが、しょうがありません。麻雀とはそういうもの。完全に〇×で判断し切れる選択ばかりではありません。
そして、この「考えた」過程は決して無駄にはならないのです。
こういう際どい判断を経験しておけば、ここから条件が緩んだものはめちゃくちゃ解きやすくなります。
座学の実戦における効用ですね。
似たようなものとして、微差の何切るを解くこともそうです。
選択肢が際どいものは、白黒つけること自体に価値があるのではなく、「両方にあるメリットデメリットを学んで、要素が傾いたときに活かす」のが重要なのです。
切る牌の1つを選ばないといけないのが麻雀ですが、難しい問題を解くことでついた力を、実戦で活かせるようにしていきましょう。
ということで、今回は似たような「実戦問題」を3つ用意しました。
話題となった何切るを「どっちがいいんだ…」とあれこれ考えた方は、その甲斐あって次の3問を解くのがスムーズになっているかもしれませんね。ぜひチャレンジしてみてください。
では、行ってみましょう。
何切る一覧
※ラス回避ルールでお考え下さい。
①
発をポンしますか? 鳴く場合は、切る牌も考えてください。
【点数状況】
②
テンパイです。リーチしますか?
【点数状況】
③
テンパイです。対面のリーチに6pを押しますか?
【点数状況】
①
発をポンしますか? 鳴く場合は、切る牌も考えてください。
この問題も、「今週の何切る」(以下、最初に説明した話題の何切るはこの呼び方でいきます)と同じく、ラス目からのリーチです。
そして、
発は役がつくポン材であり、下家への安全牌2枚組でもあります。
ここは発を、
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