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早い者勝ちの人生

久坂部 洋著 人はどう死ぬのか
 なかなか率直に書いていてくれていて、長年の疑問が氷解したのがありがたい
 死亡診断をどうするのか、残された家族が納得する為のセレモニーのこと、過剰診療のこと、癌もどき、癌の組織検査による転移の可能性、同じくレントゲン検査による癌の発生、等々
 どうせ他人の人格など尊重していないのだから、自分の死を尊重しろったって、それは無理な話しだ、でも意識があっても無くても、何も文句言えない状態で、意味のないセレモニーだけの為に無理矢理マスクさせられ、胸を圧迫して、強心剤を注入されるのは御免だなぁと思う、遅かれ早かれおさらばする側にとっては・・・
 残された家族からあの先生は、手を抜いた、下手したら訴訟されたりしたく無いだろうし、日ごろ嫌っている親戚と称する奴が仕返しが出来ない事をいい事に、ここぞとばかりに遺族に無理難題、知らないかも知れないがあの方、この方に知らせたらとか、せめて死に目合わせてやれなどと死ぬ間際に、これでもか、これでもかと仕返し、追い討ちをかけてくる
 この先生は、ちゃんと生きている間に会っておけば良いだけで、それを近親者に納得してもらっておけばよかったのにと、余計なお世話だけどとかおっしゃっていた
 久々に楽しい本を読ませてもらった、さて、もうすぐこの世とおさらばだ、あいつとだけは、もっともっと話をしておきたかったなぁと思う奴は、先に逝っちまったし、こっちは、思い残していてもこれだけは仕方ない、早い者勝ちの人生さ

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