🌈GERUTAMA+七色の自分史🌈~夢みる虹色童子期~ ep2.

ep2.“アニーになれない私”

ピアノ教師をしていた母の影響で、子供の頃からクラシックのコンサートやミュージカルを家族でよく観に行った。
初めの頃は劇団飛行船のマスクプレイのものからアルゴミュージカルなど子供が主役の舞台を観てきた。
中でも誰もが知るキッズミュージカルの王道”Annie(アニー)”は私にとっても特別なミュージカルで、自宅で母が弾くピアノの”メイビー”や”tomorrow”に合わせて自分も心はしっかりアニーになりきってしまいよく歌を歌っていた。
そうやってミュージカルの世界に憧れるあまり、少しでもその片鱗を経験してみたくなり地元の児童劇団に入団する。
演技やダンスはセンスはなかったが、歌を歌う事が大好きだったし、衣装を考案したり小道具を作ったり、作文や物語を創作する事も好きで、自作の脚本?を執筆しては先生にみてもらったりして、私なりに劇団での生活はとても楽しんでいた。

(Photo: 児童劇団の定期公演の劇中でサーフィン•U.S.Aを踊る)

ある時、ミヒャエル•エンデの名作、モモの舞台のオーディションがあった。そのオーディションの会場には当時”アニー”を演じた経験をもつ劇団の先輩Oちゃんの姿があった。他の誰もが審査までの待ち時間ソワソワと子供臭い様子で過ごしている中、誰よりも落ち着いたもの越しで台本を片手に悠々と開脚ストレッチなんかを披露する彼女の様子を目の当たりにして「嗚呼。。舞台でスポットライトを浴びて輝くべき人はこういう子なのだ。私は”アニー(役者)”にはなれないのだな。」、、、と子供心にも痛烈に悟ってしまった。ほのかに抱き始めたその小さき夢に挫折した。

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