9HOLES スーパースター列伝 TigerWoods『The Golf Monster』
ゴルフに興味がない人間でも彼の名前は知っているだろう。
タイガーウッズ。史上最高のゴルフプレイヤーだ。彼が手に入れた栄光は数えきれない。歴代2位のメジャー選手権優勝15回、史上2人目のトリプルグランドスラム達成、生涯獲得賞金額1億ドルを突破し歴代1位。スポーツ選手長者番付1位を12回獲得。
「アメリカ史上最も成功した現役で活躍するスポーツ選手」である。
ゴルフプレイヤーとしての彼は完全無欠である。トップクラスの飛距離。
ハイレベルなアプローチ技術。そして、神がかりと称されるパッティング技術。不調時でさえ、彼の圧倒的な強さに他の選手は精神的重圧を感じ、自滅していくのだ。
人間ではない、モンスター。
この言葉は彼にとって、誉め言葉でしかないはずだった。
2009年、タイガーウッズ、不倫スキャンダル発覚。彼は「獣」だった。妻に不倫が発覚し、車で逃げる途中に交通事故を起こし、負傷。これだけならセレブのよくあるスキャンダルで終わったのかもしれない。しかし、事はそれだけでは終わらなかった。彼が苦しめた女性は妻と不倫相手1人ではなかったのだ。
彼が苦しめた女性は10人以上。自らの評判を落とさないため大金を支払った女性たち、すべて終わった後に彼の人生から切り捨てた友人やパートナー。すべてが恥ずべきことであり、すべてが残念なことだった。
2010年2月19日、フロリダ州TPCソーグラスのクラブハウスで取材陣をシャットアウトした上で謝罪会見が行われ、複数の女性との不倫を認めたことや性依存症と診断されセラピーを受けている事などを告白した。
このスキャンダルを受けて、各スポンサーはウッズとの契約を解除した。少なくとも8社がこのスキャンダルが原因でウッズの元を去ることとなった。
ウッズはそれまでの栄光から一転どん底に転落することとなった。彼のような成功者が転落する様をメディアは逃さない。そして、成功者の失敗を喜ぶ大衆の存在がこの問題を悪化させていく。
こうした状況下、集中力の高さに関しても卓越した才能を擁するウッズですら、自分のゴルフを守り続けることは困難だった。
そんな彼を救ったのは日本のとある企業だった。
「バンテーリン!!」
元気のいい掛け声のCMがおなじみの専門商社、興和株式会社がイメージキャラクターとしてタイガー・ウッズとの契約を発表したのは2011年7月のことであった。まだまだウッズがスキャンダルを抜け出せず、もがいているタイミングだった。
それからウッズは交通事故を起こし、逮捕されるなど、多くの谷を経験した。しかし、そのたびにバンテリンを塗ることで彼の心は落ち着きを取り戻したという。そして、オーガスタで11年ぶりにメジャー大会優勝。
ウッズの歴史的な復活劇と、同社が販売する「バンテリン」の“痛みに打ち克つ”というイメージは、見事なほど合致する。
ここから完全復活かと思われたウッズだが、自動車事故で複雑骨折をしてしまった。いつ復帰できるか分からないほどの怪我と一部では報道されているが、彼には強い味方がついている。
Fight! VANTELIN!
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