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おうちシネマ 【青いパパイヤの香り】

ベトナム生まれフランス育ちのトラン・アン・ユン監督の作品です。

監督がフランス育ちだからか、外国から見たベトナムの姿かなと思わせる雰囲気があります。登場人物たちが着る服や建物な内装や置物は美しく、色彩豊かで、アジアと西洋が少し混じっているような部分もありとてもお洒落です。

10歳の女の子ムイがサイゴンで生地屋を営むお金持ちの家に奉公に来ます。
そこには甘やかされた3人の息子と両親、祖母の6人と年長の使用人が1人住んでいました。来た翌日に長男の親友クェンと会う。一目見ただけの彼にムイは淡い恋心を抱く。
女主人は幼くして病死した娘をムイに重ねて、とても可愛がる。主人は過去に3回家出を繰り返したが、自分の留守中に娘が病気になって亡くしてからは責任を感じて控えていた。しかし、ある日また家のお金全てを持って蒸発し、戻って来たと思ったら体を壊して亡くなってしまった。
10年が経ち、長男は結婚して音楽にしか興味がなく、家にまつわることは妻が管理していた。家計が苦しくなっていたため、ムイを夫の長男の親友クェンの家に奉公に出す。裕福な家庭のクェンはパリの音大卒で、帰国後は作曲家をしていた。彼には婚約者がいたのですが、ムイに惹かれ始めたクェンに気づき彼女は婚約を破棄してしまう。
最後、ムイは妊娠してクェンと一緒に幸せそうに暮らしている。

あまり口数の多くないムイの子供時代の役の子がとても可愛いです。一生懸命床掃除をし、末息子にちょっかい出されても気にせず、ただもくもくと仕事をし、たまに見かける生き物を愛でる姿がとても微笑ましかったです。
大人になってからも純粋無垢なまま育ったのだろうと思わせるチャーミングな笑顔が印象的でした。

この映画にはちょくちょく食べ物が出てくるのですが、飾り気はあまりないけど時間をかけて作られた料理が美味しそうです。
外の台所で料理をする風景も、素朴な感じでいいなぁと思います。

全体を通してベトナムの蒸し暑い雰囲気が伝わってきて、その温度感や質感も肌で感じるようでアジアの夏を思い出し、懐かしい気持ちになりました。

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