おうちシネマ 【君の名前で僕を呼んで】
初めて題名聞いた時、甘ったるい響きがするなと思ったのを覚えている。
題名からしてあまり興味はそそられなかったけど、翌週からイタリアへ旅行する予定だったので、その気分を盛り上げようと思い、舞台がイタリアであるこの映画を観た。
アメリカから来た大学院生とイタリアに住む17歳の少年の一夏の恋の物語。
北イタリアの避暑地で暮らす大学教授のもとに、彼の教え子オリバーが夏の間を過ごしに教授の邸宅へやって来た。
アメリカ気質の明るさと人懐っこさで、オリバーはすぐみんなの人気者になった。
そんな彼と一緒に過ごすうちに、教授の息子エリオの中で彼に対する好意が芽生えはじめた。
日に日に積もるオリバーへの想いはエリオを悩ませた。
ある日、二人が自転車で町まで行った帰り道、エリオはオリバーにキスをして自分の気持ちを打ち明ける。が、オリバーはエリオを制し、彼を諭そうとする。
しかし、一度溢れたエリオの気持ちは止まることなく、オリバーにぶつけられる。
そんなエリオの姿を引き金に、オリバーはひた隠し続けた自分の思いを打ち明ける。本当はどれほど自分がエリオのことを想っていたか、ということを。
激しく結ばれる二人だが、時間は容赦なく過ぎてゆく。
オリバーの帰国までの残り少ない時間でお互いの気持ちを確かめ合う。
「君の名前で僕を呼んで」
やがて、出国の日がやって来てオリバーはアメリカに帰ってしまう。
そして、冬になりクリスマスが近づいた時、オリバーから電話がかかってくる。
オリバーと話すのは夏以来で、とっても喜んだエリオの耳にオリバーは自身が結婚することを告げる、、、
題名にもなったセリフを言ったのは、オリバーで、彼は最初からエリオと別れることを決めていたのかなと思う。
だから、二人のその瞬間を刻み付けるようなことを言ったのかなと。
オリバーは大人だから、自分で結婚と一生エリオを想う覚悟を決めたのだが、それをしなければならない程にエリオを愛していたのかなと思う。
もちろん相手の女性のことも好きで結婚をするのだとは思うが、映画を観ているとそんな感じが伝わってくる。
自分で決断するオリバーも辛いかもしれないが、置いていかれたエリオはまだ17歳で初めての恋愛がこのような形で結末を迎えるのはこの後相当苦しむと思う。
しかし、映画を観終えた直後は切なさが胸に充満してたけど、優しく理解のある両親に、これからまだ長い彼の人生、エリオはいつかきっと乗り越える日がくるだろうという気がする。
ストーリー、人物、風景全てが美しかった。
見終えた後は切ない気持ちだったので、旅の気分の盛り上げ役にはならなかったが、途中の山や湖、緑の多い庭など絵になるシーンが多く、観ているだけで楽しい。
エリオ役のティモシー・シャラメは美少年で痩せ気味の体にまだ思春期の雰囲気を纏っており、オリバー役のアーミー・ハマーは健康的な体と明るくハンサムで自立した男性という二人の対照的な感じも好印象だった。