【大学書林】幻の『スウェーデン語文法入門』
大学書林 [1] という出版社をご存じの方も多いと思います。多くの言語の文法書や辞書などを出版していることで有名な老舗の出版社です。
そんな大学書林ですが、『○○語文法入門』という名の文法中心の入門書をいくつかの言語に対して出しています(以下『文法入門』シリーズと故障することにします)。『文法入門』シリーズはその言語の文法を項目別に並べたもので、白水社の『エクスプレス』シリーズや『○○語の入門』シリーズが漸進的なものなのに対して、簡単な文法事典的な使い方が可能といえるかも知れません。
私もオランダ語、デンマーク語、ルーマニア語、トルコ語などの『文法入門』シリーズを読んだことがありまして、簡素な割に効率よくまとまっている印象を受けます。ちなみに『語学文庫』として文庫サイズで出ている場合と四六版で出ている場合があるようです。
さて、そんな『文法入門』シリーズですがスウェーデン語については出ていない([2] など参照)のですが、計画はされていたようなのでその証拠を紹介しようと思います。
以下、尾崎義『北欧語のはなし』(大学書林, 1972)から引用です。
巻末で各北欧語の参考書紹介をされているのですが、そこに上記の記述があり、計画がされていたことが分かります。
実はノルウェー語についても
という記述があり、これも実際には出版されていないと思います。
※森信嘉『ノルウェー語文法入門 - ブークモール』(大学書林, 1992) [3] という本は出ていますが、著者が違います。
他にも有名な『四週間』シリーズのうち、『トルコ語四週間』は柴田武著として新聞広告なども出ていたようですが、実際には出版されていません。
以上、大学書林の幻の本の紹介でした。
参考
[1] 大学書林のホームページ
[2] 国立国会図書館サーチ
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