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ジオパーク・オンライン #035 Mine秋吉台ジオパーク 編(みどころ&動画)
第3期11回目(通算35回)
Mine秋吉台ジオパーク「あなたが知らない大地のアナ「穴」の物語」 日本最大級のカルスト台地
今回のジオ・ガイドは花田裕子さん。市民や観光客に美祢市の魅力を楽しくわかりやすく伝えたり、防災士の資格を活かしたガイド活動を行っています。
Mine秋吉台ジオパークは本州最西端にある山口県の美祢市(みねし)にあリます。東京や大阪や鹿児島からは約2時間で来ることができます。
秋吉台は北東方向に16km、北西方向に6km、地上の総面積は54km2のぐらいの大きさで、東台と西台があります。今回は国定公園、国の特別天然記念物に指定されている東台を3つのメニューに沿ってご案内します。
1.秋吉台はなぜアナだらけ?
秋吉台は草原の中に美しい白い岩肌を見せている石灰岩が露出し、大きさや深さに様々な形がある陥没型ドリーネと呼ばれる大きなアナボコがたくさんあるカルスト地形です。アナは、8千万年をかけて約1万キロ離れたハワイの近くの海底の山がプレートに乗って日本列島まで来る時に積もった珊瑚礁が起源の地表に隆起した石灰岩が僅かに酸を含む雨によって長い年月をかけて溶かされてできたものです。
2.アナの美術館とは?
秋吉台のアナを訪れます。3つある観光洞の一つ、秋芳洞の公開エリアの約1キロと、2時間ほど歩いていける未公開エリアです。アナには、地上で石灰岩を溶かした水が洞窟の中に入り再石灰化し、長い年月をかけ、ゆっくり大きくなった鍾乳石が見られます。中には高さ15メートルの巨大な柱や数百枚の皿、ゴジラに似た塊など様々な形になっています。また様々な大きさの地底湖が見られます。それら一つ一つが、自然が作り出した美術品のように見えるのです。
3.アナの恵みとは?
秋吉台の草原には畑になったドリーネがあります。その畑の土は石灰岩の成分が滲み出ている上、毎年草原で行われている野焼きで出る灰が混じるため栄養満点で、しかも柔らかい赤土です。その恵みを受けて柔らかくてあくの少ない、GI(地理的表示保護制度)に登録されている特産の美東ごぼうが収穫されています。美東ごぼうは刺身で食べられるほどですが、山口県民のソウルフード、チキンチキンごぼうとして親しまれています。
そんな大地のアナをぜひ訪れてみませんか。
日本ジオツーリズム協会メンバーの方は、下にスクロールすれば見逃し配信(アーカイブ)が見られます(※2025年1月以前にご入会の方のみ)。
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