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定年後の転機に向き合う


「人生100年時代,職業人生二期作・二毛作時代」などと言われるようになって久しい。
 
公表されている統計でも,いわゆるシニア世代の労働参加が急速に拡大しつつある。今後,国の政策などとも相俟って,定年などで長く勤めてきた職場を離れた後も,健康であれば職業をもって社会参加していく,すなわち,何らかの形で第二・第三の職業人生を歩み続けることが当たり前になっていくように思う。
 
私は,一般企業において長年,人事労務,安全衛生・健康管理関係の仕事に携わってきた。その中で,定年後の生き方・働き方についても,一人一人が主体的かつ自律的に考え,早いうちから将来を見据えて準備することの大切さを,研修の開催などを通じて伝えてきた。しかし,いざ,自分がその立場になってみると,日々の忙しさを理由に,将来に向けた準備を計画的にしてこなかったことに今更ながら反省もしている。
 
定年後も働き続ける理由・事情は,人それぞれ異なるだろうし,もちろん,働き続けることの選択も含め,どのような道を選ぶかは人それぞれではある。しかし,少なくとも働き続けることを選択した人には,その背景に経済的な事情があるとしても,働き続けることに人生の意味や意義,さらに“自分らしさ”を求めているように思う。
 
これまでも,定年の時期を迎え,またその時期が近づくにつれて,これからの生き方・働き方に悩み,戸惑う人に多くお会いしてきた。キャリアコンサルタントとして,ユニカリアの活動を通じて,このような定年後の転機に向き合う皆さんの良き相談相手,伴走者でありたいと思っている。
 
 
<参考になった書籍>
『ほんとうの定年後』(坂本貴志/講談社現代新書)
一時期,話題になったことから,既にお読みになった方も多いと思う。
本書は,現代社会における定年後の仕事の実態を,豊富な統計資料や事例をもとに実証的に解説してくれている。その中からは,漠然とした不安を乗り越え,心豊かに幸せな生活を送っている人たちの姿も見えてくる。定年後の転機に向き合う人たちに,勇気と希望を与えてくれる一冊だと思う。

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