地理総合(2025) 大学入学共通テスト 雑感

追試はまだ見ることができないので、本試験の方の問題の雑感を書いておきたい。

問題全体の傾向としては、難化傾向にあるのかなと思う。知識ではなく思考問題という傾向が強い一方で、個別の知識がないと解けない問題も配置されており、その判断が難しい問題が多かった印象。

従来の傾向を踏襲するのであれば、地理総合からは地図・GIS分野と地域調査の分野が地理探究と共通問題になると思っていたので、大問の1は意外な問題であった。

《地理総合》 
※実際の問題番号は101、102、103ですが面倒なので1、2、3と表記しています。
1 単純にアフリカが高いことだけに注目すると「栄養不足人口の割合」を選んでしまいそうだが、日本も高位であることを踏まえ「輸入依存度」であることが分かる。
2 もとはロシア・ウクライナの問題を作成しようとしたのかな?そのままウクライナが穀倉地帯であることが分かれば解ける問題だが、気候の箇所の記述は、冬季乾燥、夏季乾燥などを判断させるため、しっかり文章を読まないといけない。
3 新しい問題の特徴と思うのが、この3のような問題で、思考問題を前提としているため、初見問題にならざるを得ない。そのため、問いたい内容を直接には聞けておらず回りくどい表現の印象。植民地とその地域の農業を聞いているのだが、最終的には経済要素で判断するのではという問題。
4 選択肢2が誤りとなるのだが、表の読み取りではなく背景となる知識を聞いており、「実際にそうなのかな?」と考えてしまうと判断に迷う。
5 朝日新聞のデータだとクリアに見えたが、はっきり見えないと判断に迷う問題。
6 読み取りが2つ、背景が2つのバランスが良い問題。
7 単位がヒントとなるが、単位に着目しなくても解ける問題。
8 傾向の違う都道府県の方が問えたことが多かった気がするが、近県同士に着目した問題。

ここまでが地理探究と共通。特に5〜8の地域調査は共通テストの定番かつ基本的な問題なので全問正解したい。

9 南西諸島を知っているかどうかが問題となる。地名についてのある程度の知識は思考問題とはいえ問われている。
10 シンプルで良い問題。湿度とかでも似たような傾向が読み取れそう。
11 カの判断は図からも明確だが、キが防災に関する知識で解く問題となっており、悩む人も多いはず。
12 自然災害伝承碑を扱った良い問題。
13 問題訂正が入った箇所だが、訂正が効果的で判断に迷わないようになっている。
14 共通テストになってから、マトリックス表でともに明かさない問題が多かったが、ここは表が二つに分かれていて理由を問う問題になっている。ただし、ここは数字が異なっているので、ブラジルとベトナムも隠して問題にしても良かった。
15 コンテンツ産業?となってしまうかもしれないが、中身はボリウッドや国家の関係性や市場規模に関連するおもしろい問題。
16 シンガポールとアメリカの判断が悩ましいが、問うている内容がおもしろい。日本のヒントはなくても良い。

初見問題ということで、どのような概念を問われているのか判断に迷う問題も多かったことに加え、見たことがない資料が多いので、その判断が本当に合っているにか半信半疑で進めなければならないのが苦しい。

特に、今回は大問もバラバラ出ている印象なので、大問の3と4は単元を判断するも難しい。その点では前年まで問題を踏襲している旧課程の問題の方が何が問われているか判断しやすかったかな。


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