答え合わせと解説

さてでは問題の答え合わせと解説を。

まずグラフの読み取りについて全体を通じてのポイント大前提として多くの国と都市は休日に出かけることが多い為に週末ごとに移動が増える(グラフのギザギザ)。このギザギザが無くなると週末の行動制限もしくはロックダウンの影響が考えられる。また観光客が多い都市では観光客は週末関係なく動くためそもそもギザギザが現れにくい。

その上で
☆中国の影響がどれだけあるか
中国はコロナの影響が1月から現れ始めたことに加えて、春節(1月末の旧正月、帰省、旅行の移動が多い)の影響がグラフに現れていることが多い。

☆コロナの伝播の時期的な違いと対策法の違い
各国で伝播の時期と対策(罰則を伴うor伴わないロックダウンか自粛か)が大きく異なる。これは他の国に関するニュースを知って覚えているかが問われる。

☆コロナ前のイベントや季節的な変動
特にヨーロッパはコロナが本格化する3月まではイベントや旅行、季節的な変動が見られる。これは一般知識と地理的思考能力が鍵になる。

主に上の三点を抑えながら解説を行う。

問1:④デンマーク
医療崩壊をまだ起こしていない先進国は、基本的にソーシャルディスタンスを進めるために公共交通機関(電車)の利用率が特に低下しているパターンが多い。
また北欧の国は特に歩きと車との乖離が大きいので散歩等の感染を引き起こしにくい行動が認められていることが影響している?(推測)

問2:②シンガポール
グラフの特徴は最近まで経済活動があったこと(ギザギザがある)、行動の低下が1月から現れており中国の影響が強い、最近自粛が強化されて行動が急減したである。よって答えはシンガポールになる。シンガポールは華僑が多く中国の影響を強く受ける。ただし中国と違い最近まで経済活動を行いながら色々な対策を行ってロックダウンを避けてきたが、最近抑え切れずに自粛強化となった。

問3:③リオデジャネイロ
グラフの2月に現れるスパイクが何なのかがポイント。2月はリオのカーニバルがあり、今年も通常通り開催されたためこの様なグラフとなった。また徒歩が一番増えているのは踊りが徒歩に含まれているもしくは観光客増で公共交通機関での移動で処理し切れず徒歩移動が増加した可能性が考えられる(推定)。

問4:②ドバイ
ポイントは3月からなだらかに移動が減っている点である。これはロックダウンの様な急な対策でなく段階的に自粛を強化している、また海外からの影響を受けやすい都市で徐々に影響を受けたと考えられる。3月からという点でヨーロッパとの繋がりが比較的強く、3月下旬のドバイで開催予定の競馬開催に関するニュースを知っていればドバイに選択肢が絞られてくる。香港は中国からの影響を強く受けるため、1月から変動が激しい、またロンドンとニューヨークはロックダウンで移動が急減するため当てはまらない。

問5:①一番左
東京(日本)では2月末のイベント自粛と休校(緩やかな自粛)、4月以降の緊急事態宣言による本格的な自粛がグラフに現れる。また2月末以降は週末の出掛け自粛を促していたため休日のスパイクが見られなくなるのも特徴である。よって一番左が答えとなる。

問6:⑥ドイツ フランス イタリア
三国もヨーロッパでロックダウン中だが、イタリアから広まって自粛をしたが、医療崩壊を起こして罰則付きの強烈なロックダウンを行ったこと。フランスはイタリアの惨状を受けて一気に罰則付きのロックダウンを実施したこと、ドイツはロックダウンしたが罰則が緩やかであるという違いがある。一番右は移動の減少タイミングがいち早く、二段階で減少しているためイタリアと分かる。真ん中はロックダウン後の移動減少率の高さと徹底度で罰則付きのロックダウンと考えられフランスと分かる。左は一番減少率が低く回復傾向も見られるため、ロックダウンの徹底が緩やかであることからドイツと分かる。

問7:①韓国 香港 マカオ
今回はどれも1月から減少しているため、中国の影響を受けやすい国であり減少率から中国本土の依存度を想像することが鍵になる。書体は違っても中国と共通言語を用いる香港、マカオが影響を受けやすく、特にマカオは主要産業のカジノのメインターゲットが中国の富裕層であることから一番影響を受けている。よって影響の一番大きい右がマカオ、次に大きい真ん中が香港となる。また一番左のグラフは中国の影響がこの中で一番低いことに加えて、このグラフだけに3月移動が急減がみられ、これが韓国で起きた新興宗教のメガクラスターによる影響があるとの推測からも決めることが可能である。

問8:⑤フィンランド ノルウェー スウェーデン
ポイントは一番右のグラフの減少が少ないことと、真ん中と左のグラフは比較すると2月までの移動パターンが左は車移動が多く、真ん中は歩き移動が多いことである。北欧三国の中で唯一ロックダウンをしていないのがスウェーデンなため、一番変動が小さい右のグラフとなる。またノルウェーが冬が北大西洋海流の影響で暖かく徒歩がしやすい環境、フィンランドは寒いため車主体での移動になると予想出来れば左がフィンランド、真ん中がノルウェーと決定出来る。

問9:③ベトナム タイ マレーシア
ポイントは華僑を含む中華系の人達による春節(今年は1月末)の動き(正月中は動きが収まり、その前後で動きが活発になる)がどれだけ見られるか、また中国の人の動きと経済活動が2月以降落ちた影響をどれだけ受けているかの二点。両者の影響を一番受けているのが一番左。これが中国と直接国境を接してて一番影響を受けやすい位置にあるベトナムとなる。次に真ん中と右を比べると右は春節(華僑)の影響が比較的あるにも関わらず、中国からの長期的な影響が少ない。これは華僑の割合が多く、中国から一番距離があるマレーシアが当てはまる。真ん中のタイは自粛後の行動抑制が効いてて国王(軍隊)の影響力が強く出ているかな?

問10:④バルセロナ(確実性はなし)
元々は③を正解として作った問題。その後友人からの指摘を受けて、再度色々な都市のデータを見直して「2月は主にパリ(フランス)からの観光客が押し寄せた」という結論に今のところなりました。根拠としては
(A)パリでは「他の都市と異なり」、2月に徐々に都市全体の活動度が低下している。他のヨーロッパ都市では低下が見られないのでパリのみで何かしら経済か人の活動が落ち着いたと考えられる
(B)フランスに人気のある観光地(バルセロナ、モロッコ、ケルン:フランスに近いドイツ都市で2月に祭りが開催された)で2月に人の活動度が増加している。それもバルセロナ、ケルンは「電車」の移動が増えている。
この2つのデータを整合的に説明出来る案が
「パリジャン達が冬休暇のバカンスで観光地に行っていた」となった。他の説明あったらぜひとも教えてほしいっす。

問11:④ドバイ カンボジア サンクトペテルブルク
これは位置関係と国同士の関係性がポイント。まず2月から落ち込みが始まっている真ん中は中国に近くて影響を受けやすいカンボジアとなる。左は問4でも出題したドバイなので割愛。そして4月まで影響がほぼなく、いきなり急減(ロックダウン)したのは感染広まるのが遅かったロシア(サンクトペテルブルク)。そしてこのデータ見ると冬のサンクトペテルブルク観光は基本的にオフシーズンで影響が少ないorヨーロッパからの観光客が少ない?なのかねぇ。これは判断材料が少ない。

問12:①アメリカ フィリピン マレーシア
ポイントは春節の影響があるか、また自粛のタイミングと抑制効果。まず左が春節の影響がないので中国の影響が一番少ないアメリカとなる。次に真ん中と右を比べると真ん中がロックダウンの時期が早く、抑制の程度が高い。これは主に中国からの流入で早い段階でロックダウンを開始し、それもデュテルテ大統領が超強権的なフィリピンとなる。マレーシアについては問9に出たので割愛。

問13:⑤日本 スウェーデン 台湾
まず日本は問5の東京で説明した動きが日本全体に波及している(首都圏の人口が多く、反映されやすい)と考えられるため、左のグラフとなる。また真ん中と右を比較すると、真ん中は3月から緩やかな自粛、右は1月後半から徐々に活動が低下している。真ん中はヨーロッパで広まった3月以降に影響が広がったスウェーデン、右は中国の影響を受けながら、活動パターン自体は変わらない(自粛しながらも通常の社会生活を送っている)台湾となる。

このグラフ見ていると日本が一番よく分からない変動パターンを見せてて、今後どうなるかが読めないですね。。日本に幸があらんことを。

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