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「読む人」と「聞く人」とドラッカー
note企画 #読書の秋2020 の影響で、久々に #ドラッカー の「 #経営者の条件 」を開いてみて、思い出したこと。
人間には「読む人」と「聞く人」の2種類いるそうです。これは、ドラッカーの複数の本に出てきます。
人には、「読む人」と「聞く人」がいる。(中略)読む人に対しては口で話しても時間の無駄である。彼らは、読んだあとでなければ聞くことができない。逆に、聞く人に分厚い報告書を渡しても紙の無駄である。耳で聞かなければ何のことか理解できない。
…「経営者の条件」より
仕事の仕方について初めに知っておくべきことが、自分は読む人間か、聞く人間かである。
…「明日を支配するもの」より
これを読んだのはかなり前ですが、その時、ピンときました。
自分は「読む人」だと。
何か仕事を指示される時とか、何か細かいことを説明される時、口頭で話を聞いてるだけでは頭に入ってこないのです。
書面やメールで伝えてもらえれば、それを読むことでやっと理解できます。
また、同僚や上司には「聞く人」が多い印象があります。
口頭の指示だけでパッパと行動に移せるのを見て、いつもうらやましいなと。
逆に、口頭で聞くだけでは、仕事の内容が理解できず、すぐに仕事を始められない自分を顧みて、情けないなと。
でも、ドラッカーのおかげで、自分が「読む人」だと気付いた時、「読む人」は「読む人」なりの仕事の仕方をすればいいんだと覚りました。
口頭で、音声として聞こえてきた内容は、とにかく書きます。メモします。字が汚くてもいいからメモします。スマホのメモ機能や、PCのテキストエディタでも何でもいいから、聞こえた内容を文字に起こします。
その上で、自分の書いたものを読みます。そうすれば頭に入ってきて、行動に移しやすくなります。
初動は「聞く人」よりも遅くなりますが、逸ってミスしてやり直すよりもマシです。
相手に何かを伝える際も、相手が「読む人」か「聞く人」かで、伝え方を変えます。相手がどちらの人なのかは、一緒に仕事をしていれば大体分かります。
「読む人」にはメールで細かく伝えます。
「聞く人」は、そんなメールは最後まで読んでくれませんから(笑)、数行で大意のみ伝えて、あとは口頭で伝達します。
こういうちょっとした工夫だけでも、仕事を進める上でのストレスや弊害は、かなり低くなってきますね。これは実感します。
また、今年のように、テレワーク環境が充実してくると、メールでの仕事の指示が増えてくるので、「読む人」の私としては、非常に仕事がしやすいですね。「聞く人」はやりづらいでしょうけど…。
また、ドラッカーによれば、「読む人」が「聞く人」に、「聞く人」が「読む人」に変わることは難しいそうです。
たまに両刀遣いの天才もいるにはいますが、普通の人はどちらかに属します。だから、自分や相手が「読む人」なのか「聞く人」なのかを知っておくのは、お互いに仕事を進める上で重要だとドラッカーは説きます。
この辺、ドラッカーは天才的経営者ではなく、普通の人に向けて語ってくれているのがありがたいところです。
そういえば、朝型・夜型も、どんなに頑張っても変えられないそうですね。私は確実に朝型です。同じように、「読む人」「聞く人」にも、遺伝子的な要因があるのかな?
ちなみに、過去の米大統領は、以下の通り。大統領でも、自らが「読む人」「聞く人」を認識しているか否かで、仕事の成否が大きく変わってくるそうです。
読む人:D.アイゼンハワー、J.F.ケネディ
聞く人:F.ルーズヴェルト、H.トルーマン、L.ジョンソン