刑事コロンボ「忘れられたスター」
見るのは3回目。私の中では、刑事コロンボシリーズ中、3本の指に入る名作。
好きかと聞かれれば好きですが、好み云々よりも、ラストの切なさ・悲しさで群を抜いているので、とにかく忘れられない作品です、題名とは反対に。
また、推理モノとか謎解きとかトリックとかそういう議論や枠組みも越えてしまっている傑作です。
犯人役のジャネット・リー。
3回も見たのに、全然分からなかった。ヒッチコック映画「サイコ」のバスルームで殺される役の女優なのですね。
「サイコ」からずいぶん年を経て変わられてしまったので分からなかった…、と言い訳しようとしましたが、「忘れられたスター」は「サイコ」の15年後。あれ?老けるにしちゃ早すぎませんか…?
調べてみたら、「忘れられたスター」の時のジャネット・リーは、なんと48歳。今のオレより若いじゃないですか。
ずいぶんと老け役をOKしたのですね。というか、「サイコ」でも「忘れられたスター」でも、それだけ役になり切る女優の技というか魂のようなものを感じました。
作中、「小道具」として登場する映画Walking My Baby Back Homeは、ジャネット・リー本人が出演する実在のミュージカル映画。フィクションの女優とこうしてクロスさせることで、犯人像に深みが出ますね。また、倒叙形式でスター俳優を起用できるからこその小道具と言えますね。いずれにしても、ジャネット・リーの美しさは輝いています。
刑事コロンボシリーズは、高校生の頃から何度も見てますが、今年NHKで放送されているのを見るのはまた格別です。とうとう自分が、コロンボ警部と同世代になったので。
そのコロンボが高校生のときに夢中になった女優が、この作品では私よりも年下になってしまった…。時の流れって、そんなもんなんですかねぇ…(さだまさし風)。