和歌山旅行3日目「マリンナ」「せちごぉて屋」「宝の湯」「たんぼ」
3日目、漫画喫茶を出るとまずは和歌山駅の「マリンナ」という喫茶店に向かった。
和歌山市内では有名な純喫茶とのことで行ってみたのだが、実際に目の前にして驚いた。
アーケードの中にある圧巻の入り口。
東京都内では先ず見ることのできない規模感で素晴らしい。
朝から老若男女で賑わっておりモーニングを注文した。
ポテトサラダにハムエッグ、トーストと、てんこ盛りで文句無しの内容だ。
コーヒーも飲んで小一時間ほどゆっくりすると駅に戻り電車に乗った。
向かったのは御坊(ごぼう)と呼ばれる場所で和歌山駅から1時間半ほどの場所だ。
御坊には「AIR」というアニメの聖地巡礼で行くことにしていた。
1回の旅行で2つの聖地が巡れたらコスパが良いと思っていた。
和歌山市駅とは打って変わって御坊駅の周りには何もなかった。
最初の目的である飲食店「せちごぉて屋」に向かったのだが人一人歩いておらず、店が本当に開いているのか心配になった。
店前に行くと朝の11時と早い時間だったがマスターが店頭に立っていた。
一見、テイクアウトオンリーのようだが、言えばイートインできると事前の調べで知っていたので中で食べたい旨を伝えると通してくれた。
中はバーになっており、恐らくは昼は「せち焼き屋」、夜はバーの二毛作なのだろう。
その「せち焼き」だが焼きそばを卵を使わずに固めたお好み焼き風の食べ物で御坊名物らしい。
実は「やました」という、せち焼きの有名店があるのだが、そちらは水曜が定休だったので「せちごぉて屋」にお世話になった。
「せち焼き」は美味しかったが、お好み焼きみたいな食べ物で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
ただ綺麗なバーの店内と、気さくな店主のおかげで心地よく食事できた。
そして駅前に戻り、聖地巡礼には観光案内所のレンタサイクルを利用する予定だったのだが、先ほどまで置かれていた3台の自転車が姿を消していた。
悪い予感がするが中に入ってレンタサイクルしたい旨を伝えると、既に今日の分は全て貸し出されたとのことだった。
油断していた。余裕があるので「せち焼き」を食べてから借りれば良いと思っていたのだが、GWなので観光客も多かったのだろう。
とは言え、この誰もいない、何もない街に誰が何のために観光に来たのだろうかと思うと恨めしい気持ちになった。
だからと言って次はいつ和歌山に行くかわからないことを考えると、この期になんとか聖地巡礼をしたいと思った。
私には散歩と食べ歩きで鍛え上げた足がある。そう自分に言い聞かせると、電車に乗って西御坊駅に移動することにした。
御坊から西御坊に行くまでの間は紀州鉄道と呼ばれる電車に乗るのだが、このミニ鉄道は2.7キロメートルの日本一短いローカル私鉄ということだ。
そのためか地元の人間が移動手段として使う他に、明らかに鉄道マニアと思われる男性がカメラを提げてキョロキョロしながら乗車していた。
私は鉄道マニアではないのだが、そんなに珍しいものなのかと思うと写真が撮りたくなり、なんとなく何枚か撮ってしまった。
西御坊駅に着いてからはアニメの聖地を回っていただけなのでnoteに書くような面白いことは特になかった。
ただ途中で寄った煙樹ヶ浜(えんじゅがはま)と呼ばれる浜は素晴らしい景観だった。
どこまでも広がる海。小さな展望台から眺める景色。何もかもが最高で、自販機でコカコーラを買って寝転ぶと30分ぐらい昼寝を楽しんだ。
また近くにあった「御﨑神社」でお参りもした。
個人的にはアニメの聖地を回る中で興奮する場面が多々あったのだが、アニメブログではないので割愛しよう。
ただ、この聖地を巡るためだけに私は2時間以上を徒歩で歩き、聖地を全て回り終える頃には疲労で倒れてしまうのではないかと思った。
そして仮に倒れたとしても後ろから走ってきた車に惹かれる事が目に見えているような、歩道すらない道を歩いていたのだった。
ただ歩いている中でGoogle Mapにも認知されていない、1日7本しか出ていないバスの存在を知り、帰りはバスで快適に御坊駅に戻ることができた。
駅に戻ると10分ほど歩き御坊市内で唯一のスーパー銭湯「宝の湯」に入った。
GWだけあって凄く混んでいたが、中は広くて快適だった。
サウナはそんなに熱くなかったのだがアウフグースの時だけは極端に熱くなり命の危険を感じて飛び出してしまった。
良い銭湯だったのだが、寝不足のせいか頭も痛く、サウナに入ってもあまり気持ちよくなかったので90分ほどで出ることにした。
風呂上りは昨日に引き続きコーヒー牛乳を飲んだ。「毎日」という聴き慣れないメーカーのものだったが大阪に本社があるようなので関西圏でだけ提供されているコーヒー牛乳なのだろう。
そして具合が悪くなっても懲りずに銭湯から20分ほど歩き「たんぼ」というラーメン屋に向かった。
こんなところに本当にラーメン屋があるのかと疑ってしまうような、何もない場所にポツンとある店だった。
市内では認知度が高いのか多くのお客さんが訪れていた。
色々なメニューがあって迷ったが海老わんたん塩らぁめん(1200円)を注文した。
提供されたラーメンは大きなワンタンが3個も入っていてテンションが上がった。
実際に麺をすすってみると、これは文句なしに美味しいと思える品だった。
こんな美味しい塩ラーメンが作れるんだと素直に感動してしまった。
トッピングとスープの調和も完璧。そもそもトッピング自体が美味しかった。
ワンタンの中にはプリッとした海老が入っていて食べ応えがあった。
当然スープも完飲した。足を伸ばして行ってみてよかった。
店を出ると夜道を歩き御坊駅に戻ったが都会と違って全く街灯がなかった。
スマホの懐中電灯機能を使いながら歩いたが、足を踏み外して田んぼに落ちそうになってしまった。
御坊駅から終電に乗り和歌山市駅に戻った。戻る頃には23時ぐらいになってしまい、今日は早く寝ようと漫画喫茶に入ろうとしたら、まさかの満席だ。
店員さんに空きが出たら教えてくれないかと伝えてみたが、23時以降は従業員が帰ってしまうため、空きが出ても部屋の清掃ができないので入れないとのことだった。
結局、25分ほど歩いて別の漫画喫茶に行くことになってしまった。
別の漫画喫茶は鍵も付いていなかったし、その上に喫煙席しか空いておらず、煙草を吸わない私としては悪い環境だった。
しかし鍵がない分、宿泊費用が400円ぐらい安くなった。
住めば都ではないが、いざ部屋に入ると寛げるもので、早く寝ようと思っていたが結局漫画を2冊も読んでしまった。
次回、ついに最終章。つづく。