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和歌山旅行2日目「友ヶ島」「満幸商店」「幸福湯」「フライヤ」

この日は朝7時には漫画喫茶を出ると加太に向かった。

「めでたいでんしゃ」という加太の名産である鯛が描かれた電車に乗った。

今回の和歌山旅行の一番の目的は友ヶ島に行くことだった。

友ヶ島は加太港という場所からフェリーに乗って20分ぐらいの場所にある。

このフェリーがGWは混むらしく、朝の9時に行っても昼便に乗れるかどうかという大行列らしいのだ。

島を回るには基本のコースでも3時間ぐらいかかると事前に調べて知っていた。

また夕方16時には友ヶ島から加太港への最終のフェリーが出るため、昼から行ってもトンボ帰りになってしまうのだった。

そのため出来れば午前中のフェリーに乗って友ヶ島に到着したいと考えていた。

更には天候次第で出航自体しないということで、遠方から友ヶ島を目指して行く身としては賭けに出るようなところがあった。

結果から言えば想像していたよりもフェリー乗り場は空いていた。

私が行ったのは5月2日(火)。一般的に休みの会社とそうでない会社が分かれるような日だったのが功を奏したのだろう。

また9時のフェリーが始発と聞いていたがGWの臨時便が出ており8時半には加太港を出て友ヶ島に向かうことができた。

とりあえずは「島に行く」という目的が達成されたことで安心した。

フェリーは混んでおり知らない人と相席をした。通路側の席だったので外の景色はほとんど見えなかった。

「地元の子供達から友ヶ島の素晴らしさを伝えるメッセージです!」と船員さんが言うと、劣悪な録音音声が流れた。

子供達の声はフェリーのモーター音にかき消されて何も聞き取れなかった。

これでは子供達も浮かばれないだろう…と思いながら席に座っていると、あっという間に島に着いてしまった。

島はGWで混んでいるだろうと想像していたが、島が広すぎるが故に人が分散したのでゆっくりと見ることができた。

ある者は景色を撮るためだけに来たのか、カメラを永遠と構えて海や入り口の景色を撮っていた。

恐らく島に来た目的も各々が違うのだろう。

私はと言えば、実は「サマータイムレンダ」というアニメの聖地を巡ることが目的で友ヶ島に来たのだった。

アニメのヒロインである潮(うしお)の看板も立っており、和歌山市もアニメファンを取り込もうとしているようだった。

島を降りて東に歩いて行くとスマホのカメラをベンチに向けた集団がいた。

何かと思えば躍動感のあるリスが動き回っており、それを撮っているのだった。

3匹ほどのリスがひょこひょこと動き回る姿は軽快だった。

私は前回の岐阜旅行で行ったリス園の事を思い出した。

観光客に餌を与えられすぎたリスは小屋の中で寝転がったり、外に出てきても餌には見向きもしなかった。

結果としてリスの餌を持った人間がウロウロしているだけの施設と化していた。

皮肉にも友ヶ島の躍動感あるリスは岐阜の「リス園」で感じた惨めな思いを払拭するには十分だった。

更に先に進み、私は聖地巡礼マップを見ながら砲台を観光した。

友ヶ島には砲台跡が沢山あり、この砲台跡自体がアニメの聖地となっていた。

歴史のことに詳しくなくても砲台跡にはどこか神秘的な魅力があり、眺めているだけでも吸い込まれてしまいそうな魅力があった。

今は使われていない脱衣場とホットシャワー

特に人気スポットの「第3砲台跡」には多くの人が出入りし、皆が人のいないタイミングでのシャッターチャンスを待っていた。

この島は山道と言っても過言ではない険しいコースで、私が回った基本コースは見て回るだけでも実際に3時間かかった。

リュックに加えて重い手提げを持っていたので港に戻る頃にはヘトヘトだった。

コインロッカーに荷物を預けてこればよかったと後悔したのは島に到着してからだったので後悔後先に立たずだ。

昼の12時半頃のフェリーで加太に戻った。予定は順調にこなせていた。

加太に戻ると「満幸商店」という食堂に行った。数人並んでいたが、割とすぐに入れた。

店内撮影禁止とやらで料理の写真は載せられないのだが、ミニしらす丼(650円)と1人用のわさびスープ(850円)を注文した。

しらす丼はミニでもそこそこのボリュームがあり甘い醤油をかけていただいた。

わさびスープは鯛のあら汁にわさびを溶かして食べるものだ。

美味しかったのだが1人用でも鍋で出てくるので、量が多くて食べ切るのが大変だった。

店を出ると、すぐ隣にあった淡嶋神社(あわしまじんじゃ)に立ち寄った。

こちらは人形供養で有名な神社らしいのだがスタンダードな日本人形から、人形とは言い難いものまで、とにかく様々な物が大量に置かれていた。

縁起がいいのか悪いのかわからないがパワーを貰った気がした。

神社を出ると加太の街中で回っていないアニメの聖地を巡った。

アニメでは「コバマート」という名前で登場する「小嶋一商店」にも立ち寄ったのだが、名物のよもぎ餅は既に売り切れていた。

聖地を巡り終わると加太駅に戻り電車に乗った。

夕方には和歌山市駅周辺に戻り、バスを乗り継ぎ「幸福湯」という街の銭湯に行った。

こちらは中をリノベーションした銭湯とのことで興味を持ち、前々から行こうと思っていた。

確かに綺麗だったが中はなんてことのない街の銭湯だった。

ただ入り口時点で男女が分かれているのは珍しいなと思った。

サウナも3人しか入れない小さなものがあったが熱さは十分だった。

水風呂もあるので整いスペースも別途で欲しいところだが、なんと、このサウナは入浴料だけで入れる追加料金無料のサウナなのだ。

それを考えると贅沢を言ってはいけないなと思った。

風呂上りにはコーヒー牛乳を飲んだ。胃腸を壊してから銭湯後の飲酒を控えているのだが、思ったほど酒が飲めないストレスを感じなかった。

酒を飲んだ時の具合の悪さを想像すると、むしろ飲みたくないぐらいに感じた。

店を出ると歩いて「フライヤ」という洋食屋に行った。

貫禄のある見た目で、私が写真を撮っている間にも多くの人が中に吸い込まれていった。

注文したのはタンシチュー(1980円)とライス(286円)を頼んだ。

タンシチューだけでも高いのにセットメニューが存在しないので別途ライスを頼むハメになったのだが、このシチューが有名らしく一度食べてみたかったのだ。

提供されたのはシチューと言うよりはタン3枚という印象だ。

食べてみると、これは美味しい!

正直、和歌山に来てからピンとくる食べ物に当たっていなかったのだが、これだけは本当に美味しかった。

柔らかくてとろけるような食感。そして特製ドビソースと呼ばれるソースが美味しくて、人目がなければ皿をペロペロと舐め回したいぐらいだった。

東京の高級レストランとは違って、あくまで街の洋食レストランとしての美味しさだが、このタンシチューに心を奪われる人の気持ちはわかる気がした。

気持ちよく食事が摂れたのでブレンドコーヒーを頼んでゆっくりしてしまった。

全ての用事が終わっても20時ぐらいで随分と早く感じた。

体を壊して酒も飲めないし、和歌山市内は大体の店が21時には閉まるので、おとなしく和歌山市駅に戻ると漫画喫茶に入った。

この漫画喫茶は鍵付き個室ということもあって妙に居心地が良く、漫画を読んで夜を楽しんだ。

3日目につづく

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