豊橋旅行その2・三河東郷「つぐや」「奥三河製麺」豊橋「QUON CHOCOLATE DEMI-SEC」「サウナピア」
3連休の2日目。この日は新城市(しんしろし)と呼ばれるところまで飯田線に乗って移動する日だった。
目的はアニメの聖地を巡るだけなので、それ以上の何かがあるわけではないのだが、せっかく豊橋まで出向いたので行けるところは行っておきたかった。
飯田線は途中の豊川駅までは容易に行けるのだが、それより先の駅となると2時間に1本ぐらいしか進める電車がなくて、更には降りる予定の三河東郷駅は電子マネーに対応していないため久しぶりに切符を買って乗車した。
1時間ほど電車に揺られて三河東郷駅に着くと、なんとなく無人駅が珍しくて駅舎を撮影した。
そこから徒歩で「道の駅もっくる」に行った。徒歩で道の駅に向かっている人間はおらず、道路を走る車の人は不思議に思ったかもしれない。
この道の駅はやけに繁盛しており、レジには蛇のような行列ができていた。
行列を横目に私は入り口にある「つぐや」で五平餅を食べた。
五平餅とは「中部地方の山間部で古くから伝わる郷土料理で、半搗きにしたうるち米を串に刺して味噌や醤油ベースのタレをつけて焼いたもの」だそうだ(Google調べ)。
私が食べたのはくるみのタレだったが甘辛のタレが食欲を高め、結構なボリュームだったにも関わらずペロリと平らげてしまった。
その後は「もっくる」でレトルトの鹿カレーを買った。この店ではジビエカレーが多数売られており、他にも熊カレーもあった。
あとはフードコートの「奥三河製麺」で「ししラーメン」を食べた。
これは名前の通りの猪のラーメンだ。
そうは言っても、しし肉は切れ端みたいのが数枚入っているだけだし、ラーメンのスープが染み込んで牛肉との差があまりわからなかった。
ただラーメン自体はモダンなもので、醤油スープと麺が絡み合って美味しくいただくことができた。
ドリンクバーも200円だったのでコカ・コーラやコーヒーを飲みながら1時間半ぐらい暇を潰させてもらった。
何せ、次の目的地に向かうバスが来るまでに2時間ぐらいあったのだ。
読書しながらフードコートで暇をつぶすと13時頃にバス停に向かいバスに乗った。
40分ぐらい揺られた後に「双瀬(ならぜ)」という駅で下りた。
アニメの聖地にもなっている「双瀬の川渡り」という場所があり、石の上を歩いて川を渡れる予定だった。
ところが川辺は護岸工事で立入禁止になっており、もう1つの聖地であった神社も工事中で立入禁止となっていた。
つまり1時間以上かけて聖地に来たのに、工事の看板の先を眺めるしか、やることがなくなってしまったのだ。
何もやることがないのでトンボ返りしたいところだが、次のバスは2時間後なので、近辺をふらふらして暇を潰す必要があった。
私以外にも聖地巡礼を目的にしていたと思われるアジア人の2人組が同じ駅で下りていたが、やはり立ち往生しており、お互いに何もないところをふらふらと歩いてはすれ違っていた。
そして「今すぐに出さなくては」、というほどではないが大を催してしまい、数十分なら我慢できるが2時間は辛いと感じてきた。
ところが辺りはコンビニの一軒すらなく、郵便局も祝日で閉まっていた。
一瞬「野グソ」という考えが頭を過ったが、アニメの聖地で脱糞したとなれば、ファンが聖地巡礼で野グソをしていたとニュースになり、アニメの評判を落としてしまうだろう。
私1人の問題なら最悪、問題はないが、アニメの評判を下げるのは不本意だった。
そんなことを思いながら散歩していると寺があり、なんとお手洗いもあった。
この時ばかりはお釈迦様に感謝をした。更にお寺にはベンチがあったので、休憩所に使って申し訳ないのだが、持参したiPadで1時間ぐらい漫画を読んで暇を潰した。
片道1時間以上かけて行ったアニメの聖地に工事で立ち入れず、バスも2時間に1本で無駄な時間を浪費し、本来なら踏んだり蹴ったりのはずなのだが不思議と嫌な気持ちではなかった。
むしろ広大な自然を目の当たりにして都会から解放された感覚が強く「来てよかった」ぐらいの思いだった。
この日「少女終末旅行」という漫画が、偶然にも漫画アプリのキャンペーンで無料で全話読めたのも大きかった。
退廃的な終末世界を少女たちが旅行する、少しシュールで暗い漫画なのだが、旅行中に読んだこともあり気持ちがシンクロして、より熱中して読めた気がした。
漫画を読み終わるとベンチから立ち上がり帰りのバス停に向かった。
バス停では先程のアジア人2人が座り込んでバスを待っていた。
バスに乗って移動すると帰りは本長篠駅で下りた。
バスの本長篠駅からJR飯田線の本長篠駅までは徒歩数分だ。
行きと同じ三河東郷駅に戻る方が早く帰れたのだが、本長篠駅自体がアニメの聖地になっていたので立ち寄りたかった。
本長篠駅は無人駅で誰もいなかった。サブスクで音楽を聞きながら駅の待合室で踊っていたのだが、誰も通らないし、私の踊りを見学したり通報する者もいなかった。
東京に住んでいる身としては無人駅自体が新鮮で、何もない駅で1時間ぐらい電車を待っていたのだが悪い時間ではなかった。
電車に乗って豊橋に戻る頃には18時ぐらいになっていた。
次の予定までに時間があったので「QUON CHOCOLATE DEMI-SEC」というチョコ焼き菓子の店に行った。
イートインスペースもあったのでオーガニックコーヒーと、クオンシェデコレーションという焼き菓子を購入してカフェタイムにすることにした。
美味しかったものの、小さい焼き菓子が465円もしたので少し高いなと思った。
ただ店内はお洒落で高速WIFIもあったので、次のバスまでの待ち時間を過ごすには最適だった。
最後に豊橋駅からバスに乗ると「三郷中」駅で降りて「サウナピア」に向かった。
マニアに有名なこちらのサウナ施設は入浴料に800円を足すことで宿泊もできるオールナイト施設だった。
入館すると脱衣所で服を脱ぎ入浴場に入った。
スーツを着た店員さんが使用済みのタオルなどを常に片付けてくれるので、清潔感のある施設だった。
この店は無料レンタルのサウナパンツを着用してサウナ室に入り、出たらパンツを脱いでカゴにいれる形式だ。
そういえば大垣で行った「大垣サウナ」もサウナパンツスタイルだったので、東海地方では、これがメジャーなのだろうか?
「サウナピア」は広々とした庭で外気浴できるのが特徴の施設で、空には都会では見ることのできない星々が広がっていた。
サウナ1つ取っても自分が住んでいる場所とは違う文化、景色があり、旅行しているという気持ちを強くしてくれた。
サウナ室から上がった後は併設の食堂「水郷 (ミサト)」で食事を取った。
「サウナピア」は無料でガウンの貸出があるのだが丈が短いので、まるでミニワンピを履いているみたいに足の露出面積が広かった。
そのため足を露出した男性たちが食堂には多かった。更に上半身裸でビールを飲んでいる人もいて、男性専用施設とは言え少し不気味に思えた。
居酒屋スタイルの店だったが酒は体調不良で飲めないので、雰囲気だけでもと思ってノンアルコールビールを注文した。
あとは鉄板ナポリタンがおすすめと書かれていたので、それを注文した。
鉄板の上に卵とアツアツのナポリタンが乗せられており、とくかく食欲を刺激される品だった。
食べ終わっても腹が減っていたので、他の客が頼んでいて美味しそうだったチャーハンをミニサイズで頼んだ。
流石に炭水化物を頼みすぎたかなと罪悪感が湧いたが、チャーハンは下手な街中華よりも美味しくて一気に平らげた。
非常に美味しいご飯を食べたあとは休憩室で漫画を読んだ。
漫画と言っても施設に置かれているものではなく、やはり持参のiPadを使用した。
この日は三連休の最後の日ということもあってか、無料で読める漫画が多かった。
「終末少女旅行」はお寺のベンチで読み終わってしまったのだが、「IDOL×IDOL STORY!」という別の漫画がこの日だけ無料公開されていた。
アイドルオーディションの漫画で、面白くて最新話まで読み切ってしまった。
以前に国民的アイドルグループNiziUのオーディション動画をyoutubeで見て感動してからアイドルオーディションの閲覧には興味があり、類似コンテンツは関心を持って楽しむことができるようになっていた。
少女たちの運命がオーディションによって左右され、ある者は歓喜し、ある者は絶望に浸る、悪趣味かもしれないが、その様子を見るのはスリリングに思えた。
漫画を読み終わると0時ぐらいになったので仮眠室に入った。
漫画喫茶みたいに仕切りがないので眠れるか心配だったが、簡易ベッドには柵のようなものがあり、隣の人と顔を合わせる気まずさはなかった。
何より室内が真っ暗でブランケットも常備されていたので、漫画喫茶よりも快適な睡眠がとれた。
次は最終日、3日目につづく