減税よもやま話 with 新潟市議会議員
現職の新潟市市議会議員より新潟市の新年度予算案のご提供を受け、そのお礼かたがた、にいがた減税会のメンバー3人が新潟市政について、1時間ほどお話をしました。
★お相手プロフィール
伊藤健太郎(現職新潟市市議会議員:2期目)
得意分野:防災・福祉
★訪問した減税会メンバー
Y. (湯沢)
I. (五十嵐)
K.(柏崎)
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
座談会Q&A
Y:新年度予算の資料をありがとうございました。
いただいた資料をこれから見ていくのですが、読み方について教えていただけますか?
伊藤議員:なれている人は新規事業のところだけ見ることをおすすめします。
初めて見る方はやはり一度全て目を通すことをおすすめします。
Y:予算について、過去の事業を評価した上で編成することが筋だと考えています。
実際の所、予算はどのように組まれているのですか?
伊藤議員:重点的な施策以外に関しては機械的に編成されています。
新潟市の場合、原則として例えば前年比-5%のようなシーリングを行って予算を組むことになっています。
K:ということは、予算の推移は全体として減少傾向なのでしょうか?
伊藤議員:国や都道府県の事業の財源が市区町村に移譲される場合などがあり、一概には言えません。
まず、令和5年度の予算規模は4000億円ほどとなっています。
ここ数年に関してはコロナ対策の助成金が国から出ており 予算は増加傾向にあります。
K:唐突で失礼ですが、国民税負担率についてご存じですか?
伊藤議員:存じています。半分は多いですよね。
研修視察でスウェーデンに渡航したことがあるのですが、スウェーデンは「高負担・高福祉」というイメージがありますが、実は現金負担額は日本もスウェーデンとほとんど変わらない状況です。
K:減税会としては税金を減らし、それに応じて事業を縮小してほしいと考えています。
新潟市では見直しによって廃止された事業はあるのでしょうか?
伊藤議員:実績として、大人用オムツの引換券の支給を廃止した事例があります。
新潟市は政令市のなかで一番当該予算が多い市でした。
その結果、不要な世帯にもオムツが支給され、ネットで売買される等の目的外使用が見られていました。
事業の廃止によって3億円ほどの予算が削減されました。
K:削減された3億円はそのまま全体の予算額の減少につながったのでしょうか?
伊藤議員:特定の予算が削減された場合、その事業の財源・使途に応じて他の予算に振り替えされます。
振り替えされない場合、財政調整基金に積み立てられることが多いです。
新潟市は財政調整基金の残高が他の自治体に比べて少なく、特にこの傾向が強いです。
I:現在、NPO法人への委託事業において委託費の不適切使用が問題になっています。
新潟市において同様の事例はないのでしょうか?
伊藤議員:私の公務員時代の経験では、支払時には会計課、決算時には監査課がチェックしています。
特に、監査課の監査では「そんなところまで見るのか」と思うほど細かいところまで確認されていました。
従って、不適切な利用がされるということは考えづらいです。
Y:やはり新潟市において事業評価を行ってほしいと考えています。
実現は難しいのでしょうか?
伊藤議員:私は市政の透明化を訴えており、2019年の選挙の際も公約に掲げています。
今回の統一地方選挙でも公約に掲げました。
したがって、事業評価は必要だという立場です。
そのため、評価にあたり、どういった尺度を用いれば良いのかということについて、皆様からお知恵をいただければ議論が進むと考えています。
K : 話は変わるのですが、事業評価によって事業を廃止する場合、推進した議員、担当した部署、有識者委員などからの抵抗がある可能性はどの程度でしょうか?
伊藤議員:先ほどのオムツ事業の廃止の場合、むしろ市民からの反対の声が強かったです。
議会としても、無駄な事業があれば廃止をするのは当然だと考えており、そうしたときに市民の皆様から事業廃止の要望をいただけると心強いです。
K:市民からの声として、陳情と請願はどの程度効果があるのでしょうか?
伊藤議員:経験的に、紹介議員が必要な請願の方が、効力があるように感じています。
もちろん、どちらでも市民の皆様の意見は十分に検討されます。
K:住民税や法人税、固定資産税は市に裁量があるものと理解しています。
減税は難しいのでしょうか?
伊藤議員:名古屋市で減税を行ったということは伺っています。
その際はどのようにしたのでしょうか?
K:名古屋市は地方税の不交付団体のため、原資があったと伺っています。
しかし、交付団体であっても財政調整基金を適切に管理すれば同様のことは可能ではないでしょうか?
伊藤議員:一つの目安として、新潟市では財政調整基金の規模を100億円としています。
これは年末年始のような大雪に際し、除雪費用などが喫緊に必要となる場合に備えています。
そのほかにも自然災害や今回のコロナのような感染症対策に備えるため、財政調整基金の規模を一定程度保つ必要があると考えています。
Y:話は戻るのですが、オムツ事業のようなクーポン券の発行は業務コストが掛かるのではないでしょうか?
伊藤議員:掛かると思います。
コロナ対策の一律給付金では迅速な対応が求められたため、市役所職員の負担は非常に大きかったと考えます。
K:そうした業務コストは可視化出来るのでしょうか?なにかデータはありますか?
伊藤議員:市役所職員の負担は残業手当や代休などで対応するため、人件費の中に隠れて見えない場合が多いと考えます。
K:例えば出前講座では、市役所職員が30分の説明の為に往復時間や資料の準備をする時間がかかると考えます。
ネットに動画をアップロードするなどして、負担や経費を減らすことは出来ないでしょうか。
伊藤議員:もっともな指摘だと思います。
そうしたご意見があれば是非伺いたいです。
I:たとえは市役所の管理する施設を貸し出す際、現在は職員が常駐して鍵の受渡をしています。
待ち時間は非効率なため、通信インフラを活用して電子施錠することはできないでしょうか?
伊藤議員:ICTの活用は進める必要があると考えます。
Y:伊藤議員の経験の中で、不要な事業に心当たりはありませんか?
伊藤議員:「老人憩いの家」、「老人福祉センター」というかつて銭湯が主流だった時代に制定された施設があります。
現在では各家庭にお風呂が普及しているため、廃止しても良いのでは無いかと考えています。
また、観光振興施策について、国・県・市の事業が効果的にシナジーを発揮しているようには感じられません。
K:事業を廃止して、それを住民税や法人税の減税につなげることはできないでしょうか?
伊藤議員:税制については国が規定する部分が大きく、標準的な運用を外れた際に大きな不利益を被るのは不本意です。
◇
そのほか、減税会のメンバーから次のような意見をお話ししました
・住民税が10~20万、市民が70万人とすると、住民税の削減に必要な予算は700~1400億。
・既存の刑法で規定された監禁・強要・脅迫などの違法行為に関して、人権擁護や平等の名の下に特定の属性に限定した枠組みの条例を策定するのは不適切で、かつての尊属殺人重罰規定のようなものだと考える。
・観光振興に充てる予算を住民税や法人税の廃止に利用すれば、観光どころか移住や事業所開設につながるのでは無いか。
◇
伊藤けんたろう議員、ありがとうございました!!
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
減税会では新規メンバーを大募集しています。
また、減税活動に特別なことはなにもありません。
ご家族やご友人、同僚と率直な意見を交わすことこそが大切です。
そして、お手元のスマートフォンやパソコンを使い、 お住まいの地域の予算や決算をちらっと見てみましょう。
きっと何か感じるところがあるはずです。
もっと良い使い道があるのでは?
こんなの税金でやる必要ないよね?
ていうか、『税金高すぎ!』と、笑
そうした心に思うところを議員さんにお話ししてみましょう。
会う機会がない?
大丈夫です。
4月になれば統一地方選挙が始まります。
候補者のみなさんは喜んであなたの話を聞いてくれます!
減税会・減税活動にご興味を持たれた方は、ぜひ、「にいがた減税会」のホームページまで!
にいがた減税会
https://genzei-niigata.crayonsite.info
記録・編集 かしわざき、ゆざわ