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西洋史以外の視点が欲しい

中国の歴史を知りたい。細く言うと、中国人のものの見方を知りたい。考え方の根底にあるものを知る手がかりが欲しい。うっすらとそう思っていた俺に朗報。この本がありますぜ!

世界史とつなげて学ぶ 中国全史

年号や登場人物、細かい事件は抑え目にしてなぜそのような流れ(歴史)へと進んでいったかをわかりやすく解説してくれる素敵な本だった。

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たまたまなのか真実なのか。歴史を語る上で人物以上に大切な要素がある。俺はそれが「地理」だと思っている。かっこよく言うと地政学の要素が前面に出ている内容だったと思う。

例えば黄河文明が栄えた理由のひとつに、乾燥地帯の遊牧民と湿潤地帯の農耕民の交流があった。黄河はちょうど2つの地域の接点だった。たまたま!え?それだけ?って思うかもしれないけれど、そんなもんなのがおもしろい。

そんな俺が中国の歴史をざっくりまとめると、

⓪天下(中華)統一めざすぞ〜と並行で
①北方・西方の異民族となんとかうまくやっていこうとする期(宋まで)
②モンゴル帝国という分岐点
③反動のひきこもり期(明と清)
④さらにその反動で官民乖離が絶望的に進んでしまったので何とか一つの国家としてまとまろうとする期(〜90年代)
⑤問題置いといてグローバルでオラオラ期(〜現在)

つまり、帝国時代の日本ほどに中国という国の民は全然まとまっていない!たぶん無理!っぽい印象です。ここから知識が増えるごとにさらにこの印象が変わっていくのだろう。下地はできた。

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それはいいとして、著者は最後に日本人の「欧米への憧れ」の理由を言い当てている。俺は本当にそうだと思った。※平成以降生まれは欧米への憧れは薄い気がするから例外は存在する

日本人は西洋史観に引っ張られすぎている。本当にそう思う。

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何かのインタビューで、ある中国人が、現政権とは長い歴史の中の一つの通過点に過ぎない(ある意味その場だけのもの)だと語っていた。そういう考え方もあるのか!日本人はどんなに政権がかわろうが「お上」として自分たちの上にある存在としてみている。大きな違いだと思った。それは外敵がいない島国ならではの発想なんだなとやっと理解するに至る。

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