麻雀小僧 小川瑠以
はじめに
なんと、麻雀プロについて書くシリーズが続いてしまった。
回を重ねるごとにクオリティが上がる!
なんてことはないのですが、
今回の小川瑠以くんにもお世話になっているのでぜひ読んでくれると嬉しいです。
そして
近代麻雀で実施中の
「最強位戦2025」男子プロ読者アンケートで
瑠以くんが出場権を獲得できるようにと思い
このタイミングで記事を書いています。
いつも通り文脈上、敬称略になることもありますのでよろしくお願いいたします。
ハマってしまった出会い
小川瑠以
最高位戦日本プロ麻雀協会 46期後期入会
1997年 2月19日生まれ
第48期新人王戦 優勝
麻雀bar Citrusなど様々な場所で常勤。
瑠以くんといえば、
やっぱり麻雀bar Citrusの印象が強いのではないか。
かくいう私も瑠以くんとの出会いはCitrusであった。
鈴木優を応援しはじめた私は順調に麻雀イベントに通い始めた。
そんな私でもさすがに二の足を踏んだのが
「麻雀bar」という場所。
オーダーの仕方、料金、立ち振舞、
何から何まで想像がつかなかった。
インターネットに転がっている情報を穴が開くほど見て、予習をしたような気だけを持ち、意を決して鈴木優がゲストに入ったCitrusへと足を運んだ。
「いらっしゃいませ〜」
店の扉を開けてまず声をかけてくれたのが瑠以くんだった。
そのまま席を案内され、
途中ゲストである優さんと軽く挨拶を済ませると
「何飲まれますか?」
と、聞かれた。
もごもごすることさえ、怖かった私は、
安牌だと思い、生ビールと間髪を入れずに答えた。
出されたビールを飲みながら、
どんな雰囲気の場所かずっとキョロキョロしてたように思える。
するとちょっとした事件が起きる。
後から来た、これまた初来店のお客さん2人組。
その際に、
「こちら初めてですか?」と聞き、システム説明が始まったのだ…。
まあ予習はしているので、
システムは知っているのだが、一応お店の都合もあるかと思い、恐る恐る
「すいません、私も初めてなのですが…」と告げると
カウンターの中の瑠以くんは
「えっっ!!」と驚き、
同じくカウンターの向こうにいた、石田綾音さんとあゆさんも驚くのであった。
どうやら、優さんとも面識がありそうなのと、
間髪入れずに生ビールと答えた様子が常連に見えたらしい。
瑠以くんいわく、
「自分が知らないだけで、他の二人は知ってるだろう」と思っていたらしい。
そんなこんなで、変な事件ではあったが
これがきっかけとなって瑠以くんと楽しくお話しをさせてもらった。
店は大盛況で優さんは引っ張りだこで、話せる時間は長くはなく、2時間で店を後にした。
けれど、瑠以くんをはじめ綾音さんやあゆさんに話しかけてもらい、初めての麻雀barは楽しく終わった。
次、優さんがCitrusのゲストの時も
瑠以くんがいたら安心して遊びに行けるな。
またお話ししたいな。
そんな気持ちで家路についた。
初めて会ったその日から、瑠以くんにはなんとなく心を開いていた気がする。
そこから、ゲストがいない日も会いに行ったりと
私と瑠以くんの交流は深まっていく。
今思うと、それも瑠以くんの策略なのかなとか思ってしまうが、きっとタイミングやら何やらが綺麗にハマった結果ということにしておこう…。
人たらしな性格
少し中性的な顔立ち
エナジードリンクをこよなく愛し
無意識に萌袖を着こなしていて
SNSも絵文字も器用にこなす
実際の年齢も相まって、
いわゆる「今どきの若者像」をそのまま3次元にしたようなイメージを瑠以くんに持っていた。
なので、
仕事も淡々とこなし
お話もそんなにしないのかな
とも思っていた。
けれど、
実際の瑠以くんは、
よくお話しを聞くし、話もするし、
何より対面する相手に興味をよく抱いているようにみえる。
もしかしたら、話している相手のこと、というより
「自分と仲良くしてほしい、自分のことを応援してほしい、また会いに来てほしい」
といった一種の自己アピールが根底にあるからなのかもしれない。
どちらにせよ、これらは麻雀barの店員としては、
持つべき心がけなのかもしれない。
ただ、この心がけを持っているからといってスムーズにコミュニケーションがとれるようになるわけでも、誰からでも愛されるキャラクターになるわけでもないのが人と人との難しいところである。
ちなみに私も人とのコミュニケーションには、興味があるほうである。
麻雀barでの私の立場では「お客さん」であり
黙って酒をあおることを許された立場ではあるが、
できれば色んな話をして過ごしていたい。
そういう意味では瑠以くんとは気が合うのかもしれない。
とはいえ、先に書いたように人と人とは難しいものである。闇雲にコミュニケーションをとる勇気はない。
だから私は、人とのコミュニケーションを取る際は、
気を遣い、言葉選びをして、周りを良く見て、空気を読み、テンポやタイミングも意識する。
そこに相手との関係性の押し引きも加えて最終的に話す言葉を決めるといった
頭の中のコンピューターをフル回転させながら、会話をするタイプである。
さあ、一方で小川瑠以はどうだろうか。
私が見る限り、そんなに深いことを考えて話しているようには見えない。
けれど、彼の話の距離感は
かしこまるほど遠いわけでも、
不快になるほど近すぎるわけでもない。
会話を楽しく続けるには絶妙な距離感なのである。
色々考えて話す私から見れば、羨ましい才能でしかない。
そんな本能的に相手の懐に入れるタイプで、
いわば「天性の人ったらし」なパーソナリティは
小川瑠以の最強の武器だと思う。
麻雀barに行くのがハードルが高い人も彼がいれば大丈夫。
わいわいお酒を飲みたい人には彼の存在ほどうってつけなものはない。
ぜひ、瑠以くんに会ってみてほしい!
小僧リーチ
「こいつ中ぶくれシャンポンでリーチしてきて、しかも一発ツモで裏3乗せてきたんですよ(●`ε´●)」
これは瑠以くんと同期である佐伯菜子の叫びである。
2人が一緒に店番していたCitrusでの一コマだ。
2人は直近の最高位戦のリーグ戦で同卓をしていた。
その時の感想でまず飛び出た渾身の叫びである。
ちなみにその後、菜子さんの親番でカンチャン待ちのリーのみ愚形リーチをこれまた一発ツモして裏まで乗せて満貫に仕上げてきたらしい…。
その叫びを聞いた瑠以くんは
いたずらが成功した少年のような屈託のない笑顔でケラケラしているのであった。
愚形だろうと、なんだろうとリーチをして
成功すると悪びれることもなくケラケラ笑うというこの一連の流れが、
まさに小川瑠以の必殺技「小僧リーチ」である。
顔立ちと、性格と、麻雀の打ち筋と
まさに言い得て妙な必殺技だが、
こんなリーチするのは手組みとか打点とか色々考えず、とにかくリーチをすることが目的みたいな次元の話に思える。
しかしながら、
彼は「新人王」という輝かしいタイトルを勝ち取り
リーグ戦もコツコツと昇級してきている。
麻雀自体は強いのだ。
そこも含めて
「この…小僧め…。」って言いたくなる何かがあるが、やっぱり憎めないのである。
そんな必殺技に絡めて、
もう少し私にとっての瑠以くんの印象を書かせてもらう。
麻雀小僧の生きる道
このタイミングで紹介するのも申し訳なさがあるが
最高位戦日本プロ麻雀協会の先輩である
多喜田翔吾プロが小川瑠以について書いたこの記事には、今までの心境の移り変わりが本人の言葉とともに綴ってある。
ぜひこちらの方をいっぱいみてほしい。
この記事の中にあるように、
彼は大学卒業と共に農業協同組合(JA)に就職する。
Citrusで幾度となく瑠以くんとお話する中で
JAの話になることがたまにあった。
その話をする時の瑠以くんの表情は、
どこか物悲しげな、うわの空のような表情を見せる。
私も含め、社会人経験がある人には分かると思うが、
仕事をしていく中で、
会社が自分に合うか、合わないかも一種の巡り合わせだし、
会社が合っても、仕事内容が合うかどうかも巡り合わせだ。
JAがよくない組織なわけではない。
おそらく合わなかっただけであるのはきちんと伝えておく。
様々な紆余曲折と、人との縁を経て
瑠以くんは麻雀プロになる。
麻雀bar Citrusだけでなく、
複数の雀荘の店員や麻雀教室の講師と様々な場所で働いている。
対象となる客層もそれぞれの店で異なっていて
お酒好き、プロの追っかけ、競技麻雀好き、初心者と幅広く、年齢層もバラバラだ。
彼にとってみれば、麻雀という共通点さえあれば、どんな場でも飛び込んでいる。そんな印象だ。
そして働くだけでなく
リーグ戦の前には深夜までフリーを打つという他の選手には見ない調整方法を行うほど、まさに麻雀漬けである。
瑠以くんにとって、JAでの会社員生活では
自分の描きたい未来を見出せなかった。
しかし、麻雀漬けの生活をする
今の瑠以くんは毎日楽しそうである。
麻雀が大好きで、
打ちたい想いを抑えられずに
生活の時間の大半を注ぎ込まずにはいられない。
そんな生活をケタケタ笑いながら楽しんでいる。
その様子は、
麻雀と出会った時の楽しさを、色褪せることもさせず、まっすぐに持ち続けて今に至った…
そんな印象である。
必殺技がどうこうじゃなく、
彼は生粋の「麻雀小僧」なのである。
麻雀プロのほとんどは
麻雀が永住の場所だと思って、活動を行っていると思う。
しかし、瑠以くんは、色んな経験をして、
自分がどう生きようか悩んで、
やっと出会った永住の場所である。
そこらのプロには負けないくらい麻雀への想いは強いはずだ。
麻雀小僧がなりふり構わず、麻雀だけを追い続ける
その生き様をぜひこれからも一緒に見ていたい。
麻雀小僧から最強の勝負師へ
本人のポストにもあるように、
そして冒頭に紹介させていただいたように
現在、近代麻雀にて「最強位戦2025男子プロ読者アンケート」が開催中である。
いつも少年のような瑠以くんが
新人王戦の決勝では勝負師の顔になった。
その顔を私は今でも忘れられない。
私は彼の麻雀小僧としての生き様とともに
勝負師としての生き様も見ていたい。
今回最強戦という、最高の舞台でまた人生を賭けた大勝負をするチャンスがあるのだ。
これを勝ち取らない選択肢などないはずだ。
【34番】
小川瑠以が魅せるストーリーをみんなで観に行こう!
さいごに
今まで以上に、まとまりがなくて
日々の忙しさで文章にキレがないように見えて申し訳なさでいっぱいです。
読んでくれた方ありがとうございます。
参考文献にさせていただいた
菜子さんのポストを1つだけ載せてお別れします!
それでは!