鈴木優狂想曲
レギュラーシーズンを終えて
セミファイナル進出の安堵感
23-24シーズンのレギュラーシーズンを
887.6ptという圧倒的な首位で通過し
優さん自身も
個人ポイント437.7ptでMVPという
最高の結果を残しました。
昨年のセミファイナル敗退の直後、
名古屋にある麻雀bar海底撈月で、
優さんからMVPへの想いを聞いていたので、
私もMVPにこだわって応援したい気持ちはありました。
それでも、今年のパイレーツは、
レギュラーシーズンを突破しないとメンバー入れ替えを必ずしなければならない状況。
優さんが、前人未到の5連勝しても、
個人ランキングで首位にいようと、
3月くらいまでは、
パイレーツとボーダーラインが何ポイントあるのかだけを気にしていました。
だからこそ、まずはセミファイナル進出にホッと安堵をしています。
強い麻雀を打ち続けた優さん
今年の優さんの麻雀について、少し振り返ります。
10/9の第2試合では、
500.1000のツモあがりと1000のあがり
という2つの小さなあがりのみで、
供託や本場を少しずつ回収し、粘りの麻雀で
シーズン初トップを獲得。
Mリーグ記録の5連勝の始まりとなった
12/1の第1試合
南4局1本場
索子の混一色に向かった優さん
聴牌はするも高め白をツモっても2着どまりの牌姿。
ここで手の中で暗刻にしていた北を大明槓。
槓ドラを乗せて、更に高めの白をツモってのトップ。
5連勝達成となった
12/25の第2試合
南4局
トップ目で迎えた優さん。
どうにか自力で決めたい優さんは、
間5sでリーチをかけます。
この5sは追いかけてくる親の黒沢さんに暗刻。
ただ、残り1枚の赤5sを優さんが力強くツモりあげ、見事な5連勝を果たしました。
戦闘民族という通り名から
押しの強さが印象的な優さんの麻雀ですが、
今年は、勝つための様々な引き出しや、
鋭い判断、絶妙な押し引きなど、
様々な場面で強さを見せました。
Mリーグでも通用することを証明
そして自身のMVPをかけた
レギュラーシーズン最終日の魂の連投。
私は仕事でリアルタイムでの観戦ができない間の悪さでしたが、
1戦目は
リーチと聴牌をかいくぐった12000点のあがりから、寿人さんの猛攻をしのいでトップ獲得の瞬間。
2戦目は、
6000オール後の、3900と4000オールの場面
という良いところを休憩中に見られたので
そこまで心は荒れませんでした…。
紆余曲折ありながら、
覚悟を決めた精悍な表情で麻雀を打ち抜き
2戦ともトップを取ったこと。
優さんの麻雀人生の中でも最高の場面だと思いますし、それを見られたことは、私も幸せです。
今年は、
優さんの様々な判断や選択が、
しっかりハマった印象でした。
そして、Mリーグも2年目となり
そういった自分らしい麻雀をより打てるようになったように見えました。
その結果が、
好成績につながったということで、
「優さんの麻雀はMリーグでも強い」
ということを確認できました。
大変な時期もありましたが、
レギュラーシーズンは
優さんも、私たちファンも充実した日々だったと思います。
虚しきオタクの葛藤
そんな充実したシーズンでも
年明けに影を落とす出来事がいくつかありました。
私の距離感は合ってる?
1つ目は
2/5の第1試合での登板。
この試合では、和了なしのラスに沈むことになります。
もちろん、麻雀なのでそういう試合もあるとは思います。
しかし、
その日の優さんはどこかゲームに入り込めていなく、覇気がないままズルズルと負けてしまったように映りました。
そしてその後のインタビューでは、
「頭がクリアな感じじゃなくて…」
と話が始まり、体調がよくなさそうな姿がみられ
結局その日の検討配信もお休みし、
翌日以降のゲストもお休みするという事態になりました。
私がこのとき思ったことは
「もしかして私もよくなかったかな?」でした。
その試合の直前の週末。
優さんは地方でゲストに入っていました
2/2.3は静岡にあるまあじゃん乙女団さんというお店へ。
この2日は私もずっといさせてもらいました。
まあじゃん乙女団さんは、
麻雀も打てて、バー形式のカウンターもあれば、店員さんも常連さんも素敵な方が多くて、とても好きなお店です。
実際に、この2日間はすごく楽しかったです。
ただ、
私が乙女団が大好きなことを知り、興味を持ってくれた色んな人が各所から泊りがけで来ていて、
優さんはとても忙しい2日間になっていたのも事実。
そして2/4は大阪でのイベントということで、
そのまま大阪へ前乗りのための移動をされていました。
休養をしっかりとれないまま、
試合を行ったことがどれだけ結果に影響したかは分かりません。
そして、これが私のせいというのも自意識過剰だとも思います。
ただ、ちょっとしたことで、自分を責めてしまうのがオタクの性。
そして、私は
「優さんと楽しくお話する」
ために応援してるわけではなく
「優さんの力になる」
ために応援しているはずだった。
私の存在が麻雀の結果にマイナスに働いたのなら
本末転倒だなとも思いました。
乙女団が楽しすぎた燃え尽き症候群。
その近辺の時期に自分の周りに起きた色んな事。
そして優さんのインタビュー。
私は本当に優さんとこの近い距離感のまま応援することは正しいのか、
自信がなくなりすごく悩みました。
MVPへの温存論争
2つ目にMVPへの温存についてです
Mリーグのレギュレーションは
ポイントを持ち越す関係で温存は向いていないと考えています。
しかし、今年好調な瑞原さん、仲林さんがいるというパイレーツの状況は温存に現実味があったと思います。
ただ優さんが対象者となると話が変わります。
優さんは本当に麻雀が打ちたくてたまらない人です。
麻雀プロはみんな麻雀が打ちたくてたまらないものだとは思いますが、
バーのゲスト中に、モニターに映る対局を食い入るようにみて、
どの牌を打つか、ぶつぶつとつぶやきながら
挙句の果てには
「早く打たせてくれ〜!」と叫ぶ、
そんな光景を何度も見てきました。
Mリーグを含む、大きな対局の前にはワクワクを抑えられない様子も何度も見てきました。
そんな彼が、
「MVPのために試合を出るのを控える」
という打診に素直にOKを出すことが想像つかなかった。
そして、
優さんをイレギュラーな状況下に置いていいのか
という不安要素も私はよぎっていました。
12月に5連勝をした後
優さんの登板はいつものローテーションからは外れ、間隔が空きました。
その後の登板ではなかなか思うような結果がでず、2024年の初トップは3月まで持ち越されました。
その間の期間には、
先述したラスを取ってからの体調不良も含まれます。
これは、すべて悪い偶然が重なっただけかもしれません。
ただ、実際に間を空けて、
成績が振るわず、コンディションも崩したという事実がある。
ここでまたイレギュラーな起用をして
自身の麻雀が乱れ、
セミファイナル、ファイナルで鈴木優の本来の強さを発揮できないことが怖い。
そのことは、パイレーツの優勝から遠ざかるように思えました。
ということから、
私は優さんの温存について、全く頭にありませんでした。
ただ、ファンの全員がそう思うわけではなかった。
MVPへの価値観など、
捉え方は人によって違うことは分かっていました。
ただ、優さんを間近で見ていた人なら、
「私と同じように、温存は考えないはず」
と思ってしまった。
そう思っていた私の前に繰り広げられたネット上での様々な論議は、私のメンタルに確実にストレスをかけてきました。
夢を賭ける気持ちと裏腹に
優さんの意思表示
MVP争いについて色んな声が大きくなってきた中で
3/12には優さんが自身のXで長文を用いて
自身に登板のチャンスがあるならば、出場をしたいという意思表示をしました。
本人からの意思表示が見て、
自身の想いがそう的外れでないことが分かり、ホッとしました。
とはいえ、
「MVPは獲れるなら獲りたいけれど、まず自身が出場したい」
という意味では
受け取る人によっては
優さんがMVPを軽視したと捉える人もいるかもしれません。
ただ、
私はそういう意味ではなく
そういう熱い気持ちも込められていると思いました。
強い打ち手とガッツリ戦って、勝つことが自身の麻雀プロの生きる道だと示してるような気がしたのです。
随分前の記事に
「優さんは少年漫画の主人公みたい」
と書きました。
今回もそうなんだと思います。
本家の戦闘民族に違わず、
優さんは戦わずにはいられないんだと思います。
そのメラメラとした闘志を卓上で全身から放ち、
熱い闘牌を見せてくれるから、
私は鈴木優という雀士が魅力的に映るのだと思います。
年明けから、MVP争いがくっきり見え始めた終盤戦にかけて、
背負っている期待や
みえないプレッシャーみたいなもので、
優さんの勢いや覇気が削がれているように見えました。
この意思表示をして、試合に出場して
本来の優さんの麻雀を取り戻せるならば、
全力で応援しようと思いましたし、
出られる試合に全部出場して、全部勝って、
MVPを獲ることが優さんの野望であるならば、
夢を賭けた私がサポートしない理由がない。
そのサポートをすることが
優さんの力になるということだと思いました。
Mリーグがチーム戦だということは分かっています。
これが優さんのわがままといえば、そうかもしれない。
けれどそれが是か否かはチームが決めること。
どんなときでも卓上についた選手をサポートするのが、クルーであり、サポーターだと私は思います。
しぼんだ心と無意識の叫び
さて、
満を持して出場した
3/12の試合は与えられた手材料で戦ったものの、
望んだ結果は得られませんでした。
そして、
翌日の最高位戦A1リーグ戦を挟み、
また優さんは体調を崩し、
イベントを4日間のキャンセルし、お休みに入りました。
迎えた
3/18のパイレーツの試合日
先発には優さんの名前がありました。
4日間もコンディションを崩して仕事を休んでいた矢先の登板。
しかも娘さんの誕生日とはいえ、志願登板。
意思表示や温存の議論が冷めきる前に、
さらに議論を生みそうな状況。
ここまで書いてきたように、
自分の距離感が合ってるのか悩み、
燃え尽き症候群みたいなものも抱え、
周りの議論にストレスをかけられる。
そして、このタイミングでの登板
卓上についた選手をサポートする!
と決めた私ではありましたが、
応援したい気持ちがしぼんでいたことをひしひしと感じていました。
この試合で、
またショックな展開や、
悲しいインタビューを聞いたら、
もう立ち直れないかもしれない。
そんな気持ちで試合を見つめていました。
その試合では
南4局のオーラスを
という点数状況で迎えていました。
苦しい配牌のなか、
ラス牌のドラの4索を重ねて
七対子ドラ2の聴牌を入れ、
東単騎のリーチを打ちます。
実況の日吉さんは
この東は誰が止められないかどうかという話をしていました。
その後迎えた優さんのツモ番の時
私はテレビの前で無意識に
「うるせぇ!てめぇがツモれ!!」
と叫んでいました。
日吉さんに恨みがあるわけでもありません(笑)
そして、到底本人に直接聞かせられるような上品な言葉でもありません。
けれど、
しぼみかけたはずだったのに、
無意識にこれだけ叫べるのだから、
やはり私はまだ優さんの夢を一緒に追いかけたいのだということを痛感しました。
結果は、醍醐さんからの直撃で2着浮上。
MVPの可能性を残すこととなりました。
ポストシーズンへ
気持ちがかなりしぼんだのも確かです。
今もまだ、悩んでいるのも確かです。
そして、レギュラーシーズンの最終日
そのしぼんだ気持ちのせいで
優さんを2連勝を信じきれずに試合を見つめてしまった、自分への情けなさや悔しさみたいなものも抱えることになりました。
けれど、無意識に叫んだあの時。
そして、
最後の2戦を打ってる優さんの表情を、
また素直にかっこいいと思えたこと。
そんな一瞬の自分の熱くなった心にもう一度賭けてみたい気持ちもあります。
悩んだ末に私がどんな答えを出すかは
ポストシーズンを全力で応援して、
その先で見えた景色がどんなものだったか
それを見てからでも遅くはないのかなと思います。
セミファイナルもファイナルも
結果にこだわって、
自身も覚悟を持って応援していこうと思います!
長くなりましたが、それでは!